「すばらしい先輩・陸奥宗光外務大臣に学ぶ」学習会を開催しました。毎年開催している学習会に小学生と保護者が参加してくれました。今回は「すばらしい先輩・陸奥宗光外務大臣に学ぶ」と共に「龍神村の慰霊祭―B29と米軍音楽隊―」のふたつの講演を行いました。主催団体としては、陸奥宗光伯の他の故郷の偉人と埋もれている故郷の歴史を知ってもらうための取り組みを行っているので、先の大戦において龍神村で起きた歴史を同会、木下副会長が講演してくれたものです。
参加してくれた子ども達は、陸奥宗光伯の生きた時代の一端に触れてくれたと思いますし、外務大臣として活躍したときの時代背景も感じ取ってくれたと思います。宗光の生き様の中に先輩である坂本龍馬も登場させて、世界を相手にする気概と大政奉還から不平等条約改正までの流れは、龍馬から宗光へと受け継がれて成就した物語として、子ども達にも興味深く聞いてもらえたものと思っています。
さらに明治新政府にとって紀州は徳川方であり、時代に飲み込まれていたなら「和歌山」の名前が消えていたかもしれない歴史の裏側にも踏み込み、宗光が故郷の美しい名前を護ってくれたことにも触れました。歴史は偶然に流れているものではなくて、その時代に生きた人の葛藤や悩み、喜びとやる気などから生まれる行動によって刻まれている人の物語なのです。歴史に法則があるものではなくて、その時代を生きた人達の志と行動によって流れているのです。
歴史から学ぶとは、歴史を刻んできた流れの背景にあった主人公たちの志と行動を理解することにあります。年号や結果だけを覚えて知っていても学んだとは言えません。行動によって導かれた結果の間にあるものを推理する力が歴史を学ぶために必要なことです。
そのためには専門家の話を聞くことや歴史を学んで人に伝えている活動をしている人の話を聞くことが大事です。専門家の意見は史実を基にしているものであり、歴史を学んだ人の話は個人としての推理も入っているので、人間らしさが表れています。歴史は人が築いてきたものなので、この人間らしさが鍵になると思っています。その時の心理、悩み、行動につながった源泉などは、その人が考えて発したであろう言葉に置き換えなければ分かりません。
偉人達のことを学んだ後は偉人達が話したことを台詞として蘇らせることで、しっかりと理解できるのです。だから偉人のイメージは学んだ人の捉え方によって違いますし、学んだ人の琴線に触れた偉人の台詞を伝えることが、学習会に参加した人に感動を与えることになるのです。学者でない限り偉人の功績を学ぶとはその生き様を学ぶことであり、生き様を示す言葉、創られた台詞であっても良いので、自分の生きるための指針にすることです。
歴史の年表や出来事、結果だけを知っても自分の行動指針につながらなければ、偉人の生きた時代を学ぶ価値は激減します。
この学習会は毎年開催していますが、毎回のように学びと気づきがあるのは、教材やストーリー展開の違いもありますが、そのときの意識や考え、そして置かれた状況などによって聞こえてくる言葉に違いを感じるからです。
偉人の生き様を学ぶことは偉人に接近することであり、そのためには偉人の言葉や後世の人が想像して作り上げた偉人の台詞を聞くこと、そして読むことです。毎年行っている学習会の意味と価値はここにあると考えています。
- 和歌山文化協会主催の「美術工芸展」を鑑賞してきました。書道、絵画、写真など会員の皆さんの力作が並んでいました。
- 「飲食・宿泊・サービス業等支援金(第X期)」の対象となる方に説明を行ってきました。 厳しい経営環境にある皆さんの喜びの声をいただいています。
- 「陸奥宗光外務大臣の功績を教育に活かす実行委員会」定例会に出席しました。8月と秋以降の事業計画についての確認を行いました。また少し早いですが、令和5年度と令和6年度の主な事業計画も確認しました。