活動報告・レポート
2022年7月15日(金)
大川小学校のひまわり
大川小学校のひまわり
大川小学校のひまわり 大川小学校のひまわり

東日本大震災で多くの生徒が命を奪われたひとつに大川小学校があります。子どもを亡くした母親達が「いつまでも子ども達がここで生きているよう」、そして「命の尊さを後世の人に伝えるため」に大川小学校に種を植え、育てたひまわりだと認識しています。この命のひまわりは大輪の花を咲かせ、この取り組みは全国に命の大切さと震災を忘れないことを訴えてくれました。

東日本大震災から数年後、そんな大切な命のひまわりの種を受け取りました。きっと「和歌山県の人なら大切に育ててくれる」と思って命の種を託されたと思っています。

大川小学校のひまわり

このひまわりの種は、和歌山県内の小学校や中学校に配布して生徒達が育てていると共に、和歌山県農業試験場で大切に育成され、プランターに植栽されて平成27年9月26日に開会した「紀の国わかやま国体」のメイン開場で選手や応援団をお迎えしました。和歌山県で開催されたこの国体は「和歌山県は東北を忘れない」ことを、強いメッセージとして発信できた大会でもありました。

それは東日本大震災と同じ年に紀伊半島大水害が発生し、被災地では多くの命を失った事実があります。そんな時、自分のことでさえ大変な最中、東北の皆さんが和歌山県の被災地、被災者を支援してくれたのです。東北の震災のときに支援した和歌山県が、東北から支援される側に回ったのです。このときの暖かい支援の気持ちを和歌山県は忘れることなく、この命のひまわりの種を大切に育て国体会場である紀三井寺競技場で花を咲かせたのです。

和歌山県農業試験場は、保存の状態の良い種1500粒を選別して、開会式と開花の時期がずれないよう5回に分けて種植えをしてくれました。この植樹の時期は国体開会日から逆算してひまわりの種を蒔き、選手団をお迎えする当日に大きな花を咲かせるよう育成してくれました。当時、農業試験場を訪ねて生育状態を確認したことを思い出します。県農業試験場の優れた技術と、県当局の温かい心があったからこそ実現した取り組みでした。

大川小学校のひまわり

このひまわりの種を受け取った責任と和歌山県は東北を忘れていないことを伝えるために県議会一般質問で、和歌山県で開催される「紀の国わかやま国体」では、和歌山県は東北の震災を忘れていないこと、東北の皆さんの暖かい気持ちを受け取ったことを忘れていないことを伝えるために、開会式会場で「命のひまわりを咲かせてお迎えすること」を提案しました。この議会での提案が実現した開会式会場でひまわりと接したときの感動は今も覚えています。

この和歌山県の「東北を忘れない」取り組みは、東北の地方紙に記事掲載されたので東北の皆さんにも知ってもらえたと記憶しています。

そして令和4年春、和歌山市宮地区の自治会長から「片桐さん、東北のひまわりの種はありませんか。震災の記憶を風化させないために、東北からいただいた命のひまわりを町内に植えたいと思います」と依頼があり、保管していた命のひまわりの種をお渡ししました。早速、自治会で植樹してくれて毎日、水をあげて育成し、今夏、花を咲かせてくれました。

大川小学校のひまわり

自治会長は「ひまわりはお水が大好きで毎日、たくさんのお水をあげています。プランターから染み出すぐらいたくさんのお水をあげています。今年の夏は暑いので日中は30分もすればひまわりの花が俯いてきます。元気がなくなったらお水をあげるのですが、直ぐに花は大空を見るように顔を上げてくれます。世話をすれば元気になってくれるので、とても可愛く思っています」と話してくれました。

地元の皆さんが愛情を注いで育てている命のひまわりは、東北の震災と復興の記憶、そして東北と和歌山県の友好関係、そして「紀の国わかやま国体」の記憶を呼び覚ましてくれます。

暑い日差しの中、自治会長と一緒に命のひまわりの前に立ち、そんな思い出話を交わしました。自治会長と僕は汗びっしょりとなりましたが、命のひまわりと一緒に気持ちの良い時間を過ごしました。

その他
  • 挨拶と議会報告を届けるための訪問を行いました。暑い一日でしたが、訪問した先々で懇談の時間を取っていただき、地元の課題などを聞かせてもらいました。生活の安全と道路の安全などの要望を多くいただきました。
  • 有事の学習会の案内のため市内の公立高校を訪問しました。新型コロナウイルス、ロシアのウクライナ侵攻、エネルギー価格の高騰、安倍前総理の事件などは有事であり、対応する力が必要となります。高校生に有事を考えるきっかけを作りたいと考えて有事の学習会を企画しました。多くの高校生の参加をお待ちしています。
  • 感染症の影響を受けている飲食店の皆さんを訪問しました。やっとお客さんが戻る傾向になっていたところの感染拡大で、またも飲食店は厳しい環境に置かれることになっています。今回の和歌山県の支援金は令和4年4月から6月に売り上げが対前年度比30パーセント以上減少しているお店が対象となりますが、夏場も感染拡大が続くなら追加対策が必要だと考えています。
  • 「KAKKIN WAKAYAMA」幹事会が開催されました。令和4年度の秋の活動計画などについて確認しました。