かつての同僚と会って電力不足や原材料費高騰の話を交わしました。
まず原材料費の高騰に関しては「小麦粉の価格が上がっているので、まちのパン屋さんの経営は苦しくなっています」と話してくれました。事例を聞いたところ、小さなパン屋さんなので大量に購入しているわけではありませんが、毎日、パンを作っているので材料は必要となります。
パンの価格は「少しだけ値上げしました」ということですが、買う度に材料費が上がっているので「どんどん利益は薄くなっています」という状況にあります。
パンの価格を値上げしたといっても平均110円ぐらいなので薄利多売の商いですが「多売になっていません」ということです。
お客さんが減っているのは「パンの価格を上げたことではなく、猛暑で外出を控えていることや食料品など全ての物価が上昇していることから、今までと同じ量のパンを買うことを控え始めていることも原因だと思います」ということです。
食料品は絶対に必要ですが、主食とは言い切れないパンは絶対に必要だとはならないようです。110円のパンを焼いて販売していますが大きな商いではないようなので「販売先を拡大する以外に利益を出す方法はありません」という話です。
原材料費と電力料金などの上昇がパン屋の経営を直撃している事例をお聞きして、多くのお店が同じような状況にあると思いますが、現実的に県や市が対応できる課題ではなく政府の施策、あるいは販売先を拡大すること以外にないと思います。個人の支援では直ぐに限界が来るので「周囲の人で応援する」ことが必要だと思います。
家族で経営している小さなパン屋さんの現状を聞いて、参議院議員選挙が施行されていますが「このような小さな声が届いているのだろうか」と思いました。候補者の方々はまちの彼方此方で同じような話を聞いていると思います。
こんな小さな声を聞いてくれる政党、候補者に期待したいと思います。そして選挙は当選することが目的ですが、当選した後にはこのような小さな声を聞いて対応してくれる人が議員に相応しいと思いました。
また電力不足の問題は電力の全面自由化に移行したときから予測していた問題です。分かっていて自由化したのですから、夏や冬の節電要請などの小手先の対応ではなくて日本の電力のあり方を見直すべきです。電力不足を節電でこの場を乗り切ろうとするのは先進国のやることではありません。エネルギーの安定供給は国策であり、国の安全保障のひとつです。
エネルギーのベストミックスと必要な電力設備形成は国と電力会社が意思統一して進めるべきもので、設備を持たない名目だけの電力会社が束になって考えても解決することはありません。電力設備がない、電力取引市場の価格が上がれば大幅に値上げしてお客さんに負担を求めるなど十分な資金力がない電力会社は国家レベルで語ることはできません。
国のエネルギーの安全保障の枠外に位置しているからです。
さらにサハリンの天然ガス開発からの撤退も余儀なくされようとしています。言うまでもなくエネルギーコストが上昇する懸念があり、現在と将来の国のエネルギーの安全保障を考え直す必要があります。発電所の新増設とリプレース、電力設備形成など、どうしても電力事業には資金力が必要です。国策であるエネルギー事業に参画することは会社の利益だけではなく、国益と国民の利益を考える企業であって欲しいものです。
コロナ禍の影響で久しぶりの開催となったナームの会に出席しました。この社会は自分も他の人も全員が影響しあって成り立っていることを伝えてくれました。そのことを自灯明法灯明と言うそうですが、この意味するところは次の通りです。
自灯明とは、自分も世界の一員なので何かの役割が与えられています。なので自分が手を抜けば誰かがその分を負担することになり迷惑をかけてしまうのです。他人に苦労させないためにも自分の役割を果たすことが世の中です。また人は何事も一人ではできないので、人とのつながりを大切にすることが法灯明です。
全ての人はこの世での役割があり、それを成し遂げることが生きていることです。もし怠けてしまうと誰かがその代わりを担ってくれていることになります。人に迷惑をかけて成功することはありませんから、しっかりと自分の役割を果たすことを心掛けたいのです。
また詩人、吉野弘さんの「夕焼け」の紹介がありました。小学校か中学校のときに国語で習った記憶が蘇りました。「やさしい心の持ち主は、他人のつらさを自分のつらさのように感じるから」この意味を先生が解説してくれたことを明確に思い出しました。記憶の金庫は凄いものだと感じました。
以上要約しましたが、本日のナームの会での学びです。