活動報告・レポート
2022年6月30日(木)
癌治療の話

癌治療は医療分野だけではなく行政にとっても大きなテーマです。県立医科大学付属病院を持つ和歌山県でも大きなテーマであり、患者さんの命を守るために最善を尽くしています。早期発見、早期治療で癌は治癒する時代になっていると聞きますが、患部によっては治療が困難な場合もあります。例えば膵臓の場合は早期発見が難しく、治療も困難な部位にあります。特に腰の痛みを感じるようになってから膵臓癌と診断された場合、ステージが進行している場合が多いので治療は困難な場合が多いと聞きます。

そこで日本を代表する名医の方に膵臓癌の話を聞かせてもらいました。膵臓癌でもどの箇所に癌細胞が存在しているのかによって、治療方法や回復の見込みは違ってくるそうです。化学療法、免疫療法は効果的ですが、その方法だけだと完全治癒ではなく延命治療になるようです。免疫治療を行って癌細胞が小さくなれば、治癒させるために手術が必要だということです。

ところが膵臓でなければ手術をして5年も経過すれば生存率は高まるようですが、膵臓の場合はそうとは言えないのが厄介だそうです。

現在はこれまでの治療方法に加えて免疫チェックポイント阻害療法も取り入れるなどして、最先端の医療で助ける試みも始まっていることを教えてくれました。

但し、医療だけではなく患者さん自身でも「やれることをやって欲しい」ということです。例えば食事の摂取に関しては野菜を摂ることで、ブロッコリー、ニンジン、ニンニク、ショウガ、キャベツなどを多く摂る食生活を心掛けること。癌細胞が好物の甘いものは控えることなど食生活の改善も治癒に向かうために必要なことだそうです。

また笑うことは免疫力を高める効果があるので、心の底から笑顔でいることも心掛けるべきことです。過去には、落語を見て笑うことで免疫力が高まるという実験結果があるようです。

ストレスや落ち込むことは免疫力を低下させるので過度なストレスを感じない環境に周囲を改善することも求められることだそうです。

つまり人によって治療方法が異なるということです。心の底から笑える人が笑うことはストレスではありませんが、笑うことが苦手の人に対して、無理に笑うことを勧めるとストレスになるのです。落語を見て「おもしろい」と思う人は見るとよいのですが「つまらない」と思う人が落語を見ても免疫力は高まりません。

人それぞれなので癌治療にはテキスト通りの治療方法はないそうです。医師を信頼して治療を受けることと、食生活の改善や運動など自分ができることに取り組むことの両方が必要だそうです。

癌治療を受けるだけでも心身ともに大変ですが、生活習慣を変えることも意思の力が求められるので意外と大変なことです。

患者さんは医師に対して「どんな治療をしているのか」を聞くこと。話を聞いて医師を信頼するならとことん任せることが治療に必要なことだそうです。医師の治療方針を聞いて不信に思うなら、医師や病院を変更することも検討材料となるようです。医師を信頼して治療を任せられると思うなら、その医師と一緒に治療に挑むことが大事なことです。

但し、病院の設備や知見の有無によっては、一定の治療を行った後のすべき治療ができないこともあります。先端の設備とこれまで得た知見は病院によって違いますから、それらを使えて知見のある医師に診てもらうことも、次のステップでの選択肢となります。

結局、医師を信頼するかどうかは患者さん次第です。信頼として一緒に治療する覚悟があれば任せること。一定の治療、例えば免疫治療を行って次のステップに進む段階で、設備と知見を考えて、診ることのできる医師に相談することも選択肢になるということです。

専門的な治療の話を分かりやすく伝えてくれたことに感謝しています。日本を代表する名医は難しいことを難しく伝えるのではなく、難しいことを分かりやすく伝えてくれました。

今回、ここに記した内容は専門知識のない僕が感じたことであり、言葉遣いや説明内容に解釈の間違いがあるかもしれませんが、その場合は僕の理解力の乏しさと主観が入っていると考えてください。話を聞かせてもらった医師の先生には心から感謝しています。