活動報告・レポート
2022年6月23日(木)
首長と議会
新天地

元同僚で若い時に席を並べて広報の仕事をしていた友人が、ご丁寧に異動の挨拶に来てくれました。彼は大阪で某会社の代表取締役に就任しているのですが、別会社に異動することになったのです。大阪本社なのですが和歌山市まで挨拶に来てくれて、暫く懇談の時間をいただきました。当時20歳代の彼も50歳代になり立派な経営者として活躍していたので嬉しく思っていました。今回、その実績を基に別の会社に行くことになり、新天地でも引き続き活躍してくれると思っています。新会社では新しいビジネスを展開する役員になるようで、企画力のある彼の能力が発揮できると思います。新しい会社での活躍を心からお祈りしています。

和歌山市に進出

東京でIT会社を経営している方が和歌山市に本社を移転してくれました。本日、紹介をいただき挨拶を交わしました。元々六本木ヒルズでプログラミングの仕事をした後に独立し、現在も多くのクライアントを抱えた会社を経営しています。ご縁があって和歌山市に移転してくれたことを歓迎しています。

「東京にいても和歌山市にいてもITの仕事はどこでもできますから問題はありません。ただ人脈と新しいクライアントを見つけられるかの懸念がありますが、和歌山市で仕事をしますのでよろしくお願いいたします」とご丁寧に挨拶をしてくれました。

まだ30歳代前半の若さですから、和歌山市で事業を拡大してさらに大きく伸びて欲しいと願っています。新しい力が和歌山市に進出してくれることは有り難いことであり、頼っていただけることを嬉しく思います。

首長と議会

大阪府下から友人たちが訪ねてくれました。そのうちの一人は知り合ってからもう20年ぐらい経過していますが、今日、研究をしていた「運営事業者先決め型PPP事業の効果に関する研究」の論文を持って来てくれました。

この論文を切り口として、地方行政のあり方、首長と議会のあり方など議論を交わしました。気がつくと、久しぶりの再会でもあって約6時間も話し合っていました。その方が居住している市駅前の再開発や、同市を訪れた観光客を市内の滞在に誘導する施策などの、今、聞いてもまちづくりの参考になる懐かしい話も思い出しました。

また当該市の前市長は「とにかく首長と議会は議論を交わすことが大事なことで、首長が提案した議案に対して十分な意見を戦わせることなく賛成する議会であるなら、それは機能していない」ことだと説明してくれました。

首長と議会が車に例えられるような両輪になるためには「提案された議案に対して賛成するにしても反対するにしても議論を交わすことが基本」だということです。

首長一人に対して議員は数十人いたとしても、議論を交わす場面では1対1の関係ですから、持ち時間の中で首長と真剣に議論を交わせるのが議員の立場であり、議会の場や直接向かい合って政策論議を交わすことが大事なことです。

首長としては「議員が議案の提案理由や県政の方向性を支援者に説明できるような資料を作成し、議員が主催する説明会などで利用できるペーパーに仕上げることを心掛けていました。分かりやすく説明することが地方行政に必要なことだと思うからです」ということです。議員の立場を考えて、地元の皆さんに説明しやすくすることが首長の務めであり、議会に納得してもらうことだというものです。

「議論の少ない関係では議会に意味は乏しく、政策論議ができる関係を構築することが首長の役割です」と説明してくれました。

首長と議員の関係は「1対N」ではなく「1対1」の関係にあることを十分認識して、議論を交わせることが議会の意味ですから、しっかりとその役割を果たしたいと考えています。

首長は政策に込めた思いを自分の言葉で議会に伝えることが必要であり、議会は首長の提案に込めた思いを感じ取って議論することが役割なのです。言い方を変えるなら、首長は県や市町の将来の発展を目指しているので、将来のあるべき姿の仮説を立てています。その仮説が正しいか正しくないかは、その政策が現実のものにならなければ証明されません。首長が立てた仮説に対して、議会も仮説を立てて「正しいのか、正しくないのかの理由をつけて審議すること」が求められているのです。

首長は県や市町の将来のあるべき姿を実現するための仮説を立て、議会はその仮説の方向性が正しいのかなどを議論して結論を導き、「もし反対であれば、別の仮説を立てて意見する姿勢」が求められる姿だということです。

首長経験者のこれらの説明はとても分かりやすく、勉強になる話し合いになりました。今日の考え方をもとに、これからの和歌山県の姿を想像することが楽しくなりました。