活動報告・レポート
2022年6月16日(木)
総務委員会
総務委員会

県議会は常任委員会の審査に入りましたが、僕は今議会から総務委員会に所属することになりました。初めての総務委員会ですが、一般質問に引き続いて主に学校法人南陵学園の問題について質疑を行いました。

総務委員会で取り上げた項目は次の通りです。

Q 天皇陛下がお歩きになられた和歌山の歴史は、他県の行幸よりも多く、誇るべき価値である。
このような行幸の記録を、県政として取りまとめていくことが必要だと思うが、その点についての考えを聞かせてもらいたい。

A 委員御指摘のとおり、和歌山行幸の記録は非常に大切な資料である。「紀の国わかやま文化祭2021」で、天皇皇后両陛下にオンラインで御臨場いただいた御様子を記録した「行幸啓誌」を作成するなど、行幸啓につきましては、記録にまとめ大切に保存している。
今後は、それぞれの「行幸啓誌」や資料を1か所にまとめ、必要なときにすぐに見られるように整えていく。

Q 学校法人南陵学園では校長が現場にいなかったと報道されている。この状態はいつから続いていたのか。

A 令和3年5月1日に前校長が辞任されたことに伴い、その後任として理事長が校長を兼務することになった。
学校の近くに部屋を借り、週のほとんどは学校に滞在しているとのことであったが、校長は法人本部の理事長を兼務していることから静岡県に滞在していることもあり、県から学校に連絡を取った際に不在のことがしばしばあった。
そこで、令和3年9月8日に実施した学校検査において改めて実態を確認した結果、学校を不在にしている日数が多かったことから、学校教育法に定める「校務を司り、所属職員を監督する」という校長の責務を果たすことが難しいと判断し、校長が常時学校の管理に従事できる体制を整備するよう指導したところである。

Q 前校長は公租公課の問題で辞められたと思っている。
理事長が校長を兼務して不在となり、その後も新たな副校長を設置していたが現在その副校長も不在になっている。しっかり対応していただきたい。
5月24日の学校法人への立入検査の結果を示していただいきたい。

A 令和4年5月24日に静岡県が実施する学校法人への実態調査に同行し、学校法人南陵学園の運営状況等について検査を行ったところである。
当日は法人の代理人弁護士及び事務長同席の元で、経理関係書類を基に法人の財務状況等を確認するとともに、事業承継の進捗状況について聴き取りを行ったところである。
その結果、幾つもの未払い金があり、法人の経営状況が極めて不健全な状況であると認められたところである。
また、事業承継先に関する具体的な情報については、同日は開示されなかった。
当日に強く求めていた理事長の同席が得られなかったことやさらに調査を要する項目が残っていることから、理事長に同席させ、改めて私立学校法第63条に基づく強制力のある調査を実施した上で、現在も行っているところであるが同法に基づく行政処分等の対応について静岡県及び文部科学省と協議を継続したいと考えている。
本会議の一般質問で委員からスケジュール面での御発言があったが、本県としても生徒を守る観点から速やかな対応が必要であると考えており、併せて静岡県に対し申入れを行っていく。

Q 種々の未払い金についてはこの場では触れないが、行政指導の範囲を超えていると思う。この点は警察に相談しているか。

A 相談しているか否かは、捜査機関の活動に関する事項となるため、直接の回答は差し控えさせていただく。一般論としては、県は必要に応じて関係機関と情報共有を行い、各種事案に対応しているところである。

Q 保護者、生徒、教師を守るためにも理事長による保護者説明会を求めるべきと考える。県はどう考えているか。

A 全く委員おっしゃるとおりと考えている。
保護者や教職員等への理事長からの直接の説明は絶対に必要であると考えており、県からも再三にわたり説明会の開催を求めてきたが、いまだ開催されていない。理事長側のこのような無責任な対応は極めて不適切なものと言わざるを得ないと考えている。学校法人に対しては、説明会が開催されるまで、繰り返しその開催を求めていく。

Q 経営的、組織的に機能していない。現体制で学校運営をしたとしても無理が生じると思う。問題解決のためには経営陣を一新し、継承先を見つけることにつきると思う。県はどう考えているか。

A 学校法人南陵学園が抱える運営上の問題については、本県からもこれまでしばしば行政指導を行ってきたところであるが、いまだ改善されていない点が多くある。
委員が言われるように、法人の現体制で自主的に改善することができないのであれば、次の段階の対応をする必要があると考えている。
そこで、先日の本会議でも回答を行ったが、静岡県に対して、強制力のある私立学校法に基づく措置命令等の対応を強く求めているところである。
その上でも改善が見られない場合には、役員の解任勧告等が想定されると考えるが、それにあたり、文部科学省及び静岡県と綿密に連携し対応していく。

【要望】

改善のためには解任勧告も含めてでき得る限りの対応をしていくと回答を得た。早期解決のために継続して指導していただきたい。

Q 寮の運営について、寮費としてガス代や食事代を集めながら事業者に支払われていなかった。寮については県の検査の対象となるのか。把握している実態はどのようなものか。

A 委員からお話のあったガス代や食堂運営委託費の未払いの件は、事実であると把握している。
和歌山南陵高校の寮の運営については、本年4月までは外部委託で5月以降は直営で運営をしていると把握しているが、いずれにせよ、寮は学校敷地内にある生徒達の生活の場であり、健康な生活のために必要な環境であるため、指導対象にならないということは全く考えていないところである。
問題となっているガス代や食堂運営委託費の未払い件についても、学校法人の資金不足、経営の混乱に起因しているため、その他の事項と併せて強く指導を続けていく。

【要望】

報道では、食事がパン一つであったり御飯と味噌汁だけであったりと伝えられているが、現実としては代金が支払われていない地元の給食事業者の善意で提供されている。県も早期解決して地元の経済が回るよう指導してほしい。

Q 令和3年秋の修学旅行で、行き先を海外から県内に変更したことで費用に差額が生じているが精算がされず、残金が保護者に返還されていない。この点の事実関係はどうなっているのか。

A 修学旅行の積立金の件についても、5月24日に法人本部での調査を行った際に未返還があることを確認しているところである。
問題になっている修学旅行は前年度に実施されたものであり、学校法人も返還義務の存在を認識しているにもかかわらずいまだに返還されていないことは、他の未払金と同様に不適切な対応と考えている。
加えて、修学旅行の件を含め不安を抱いている保護者や生徒の皆さんに対してきちんと説明をしないことは極めて不誠実な対応と言わざるを得ない。この件についても厳しく指導を続けていく。

Q 元野球部主将が当時野球部の総監督も務めていた理事長から受けたパワハラで主将を外された上に学校を辞めなくてはならなくなった。慰謝料など566万円の損害賠償を求めて理事長並びに学校法人を訴えている。県はどのように考えているか。

A 令和3年12月に当該生徒の代理人弁護士から県に申告書という形で送達があったところである。
これを受けて、当県では学校に対して報告を求めるとともに、本人を含め関係者の方々からの聴き取りを行ったところである。
学校に対しては、クラブ活動は教育事業の一環であり、いかなる状況下にあっても、所属する生徒の安全及び健康について学校として最大限の配慮が必要であり、このような事案が発生したことについては、学校所轄庁として遺憾である旨を申し入れたところである。それとともに、当該生徒が希望する学習環境の整備やクラブ活動への復帰等について、教育機関であるとの自覚と責任の下、丁寧に話し合い、十分な支援を行うことにより早期の解決を図るよう、文書により指導を行ったところである。
しかしながら、委員のおっしゃるとおり、退学されたと聞いており誠に残念と考えている。

【要望】

当該校は野球、サッカー、バスケット等優秀な成績を収めている。監督者や指導者がいいということで生徒が集まったが、今では指導者もいない状況。入学当時のクラブ環境ではないと認識している。何人かの生徒が転校したいと言っている。このままではなし崩し的に生徒が減少していき、仮に事業承継者が現れても生徒が集まらないと考える。県は頑張っているのは分かっているが、早く事態を収束されるよう対応を願う。

知事との質疑

昨日、仁坂知事が令和4年12月で任期満了を迎えますが、5選目には出馬しない発言がありました。これまで、特に本会議一般質問で知事と数多く質疑を交わしてきました。令和4年6月県議会でも登壇したので、通算46回の一般質問で知事と議論を交わしたことになります。振り返ると、随分、長い月日を県政発展のために知事と議論を交わしてきたと思います。

一般質問のことを伝えたのですが、僕は知事と議論を交わすことが好きでした。仁坂知事と議論を交わしていると、言葉が今どの辺りに存在しているのか分かるのです。知事と僕との間を言葉が往復しているのですが、知事の主張の強さで押し込まれたり、押し返したりしている感覚が分かるのです。

一般質問では言葉に力を乗せているので、力、つまり主張や気持ちの強さによって知事と僕との間にある空気の壁が近寄ってきたり、押し返すことができていたりという感覚があるのです。

多くの場合、白黒をつけるとほぼ100パーセント知事の主張の力に圧倒されているのですが、その議論のやり取りを楽しいと感じていたのです。これが「知事と応戦できる一般質問の醍醐味だなぁ」と思いながら質疑を展開していたのです。

今議会でも当たり前のように一般質問で質疑を交わしたのですが、これまでの応戦しているときの空気の壁の感覚と違って少し元気がないことに気づいていました。

「言葉の力で押してくる感覚がないなぁ」と思ったのです。

その翌日になって出馬しないこと、つまりあと半年で知事を退任することを表明したわけです。少し氣が抜けたような感じになりましたが、一般質問の場で知事と質疑を交わしたことで言葉の力を感じられたことは楽しい思い出です。

任期満了は令和4年12月ですから、令和4年9月議会が仁坂知事と一般質問で論戦できる最後の機会となります。知事に胸を借りるつもりで、通算47回目の一般質問をやりたいと思っています。仁坂知事から1回目のときよりも「成長しているなぁ」と思ってもらえるよう、知事との最後の県政を発展させるための質疑を楽しみたいと思います。その時を今から楽しみにしています。