活動報告・レポート
2022年6月7日(火)
経営者との懇談
経営者との懇談

経営者と懇談する時間を頂戴しました。経営者、政治に必要なことが浮かび上がってきました。

真実を語って信頼してもらうのは難しいことです。100人に訴えて信用するのは1人だと思ってください。それほど真実の話は全てを語ることはできないものであり、肝心な個所を省くので興味を持ってくれないのです。

ところが嘘を信じさせることは簡単です。嘘はどれだけでも作ることができ、また話を膨らませることができるので聴く人の興味をひきやすいのです。100人に話を盛った嘘を言葉巧みに伝えると100人を信用させることができます。作り話は相手に会わせて話が可能なので信用させることが容易なのです。詐欺師の話に騙されるのは作り話なので関心を引くように話を展開できるからです。

つまり真実だけで信頼を得ることは難しく、嘘で信用させることは容易だということです。人に信用してもらうことはとても難しいことを知っておくべきです。

人は相談する人がいることがとても大事です。例えば社長や上司から相談してもらった従業員さんは、「社長に相談してもらえた。頑張ろう」「相談してくれたので更にやってやろう」と感じるはずです。上司や先輩に相談された人は嬉しいと感じるのです。

社長が部下に相談することは自ら独断を防止することになります。部下や友人に相談する人は自分に自信があるからできるのです。相談することは弱いことではなく選択肢を広げて決断するために行う行為なので、度量のある人ができることです。

ところが部下に相談することに抵抗を感じる人もいます。それは相談することで迷いが生じるような度量のない人なので、相談しないで独断で決めようとするのです。結局、相談する人の判断は選択肢が多くなり正しくなる確率が高くなるのです。

また相談しないで決定する人は、部下の信用が低下するという弊害が生じます。部下は相談してもらえると上司を信頼しますが、相談を受けることなく命令されると信頼しなくなります。誰かに相談することは正しい判断、信頼を得るためにも大事な行いなのです。

大きな戦いになると勝敗はリーダーの賢さではなく、人柄や信用力が大事になります。賢い人は小さな戦いに勝つことが出来ますが、大きな戦いに勝つことはできません。大きな戦いはチーム力が大事なので、リーダーへの信頼力の大きさが求められます。賢いだけのリーダーに大きな戦いを任せてはいけないのです。

歴史に学ぶとすれば、関ヶ原の戦いの石田三成と徳川家康のようなものです。賢い武将の石田三成はリーダーとしての信頼力、人柄、つまり人間力で徳川家康に敗れました。現代の政治やビジネスでも同じことがいえます。賢いだけのリーダーに大きな舞台を任せてしまうと結果は得られません。賢いことよりも信頼力、人柄、人間力が勝ちにつながる要素となります。

「悪栄えると天をも貫く」という諺があります。これは悪が集まると現実社会を変えてしまうということです。ここで言う悪とは、悪人だけを指すのではなく自分の考えを持たないで権力者の言うことに従う人のことも指します。考えを持たないで権力者に従うだけの人が集まると現実社会を変えてしまう力があるということです。

つまり権力者の言うことに従うだけの集団ができてしまうと、社会は良くならないことを意味しています。企業や政治に当てはまることです。自分の考えを持って意見する人が少数派になってしまうと、本来あるべき現実を変える力になってしまうのです。

自分の考えを持ちそれが正しいと思うなら、少数派であっても行動する力を持ちたいものです。迎合は良い結果を生み出しません。

人の意見を聞くことは、その意見に肯定することを前提にすることです。意見を求めたけれど否定すると次の意見が出てきません。意見はたくさん集まるほど、良いアイデアが生まれてきます。会議や人前でせっかく意見を言ってくれた場合、「意見を言ってくれてありがとう」と肯定することから始めましょう。意見がたくさん出るほど良いアイデアに発展していきます。人の意見に対しては否定より肯定です。

その他
  • コロナ禍の影響で資材費の高騰のために運転資金が必要となっている事業者の相談に応じました。仕事を請けることができるとしても、竣工してから支払いまでの期間の資金がないと請け負うことができません。こんな資金需要に対応してくれるのが金融機関ですが、現実は支援してもらえるしくみになっていないようです。
  • 芸術家の先生と会議を行ったところ、和歌山県の文化に尽くしている人にもっとスポットを当てて欲しいという要望を受けました。社会で注目されることは励みになりますから、せめて「地域社会が文化を認め応援してくれると有り難い」と聞かせてもらいました。和歌山県と文化レベルは継続的な課題です。
  • 大学生と懇談する時間があり、論文の書き方について話し合いました。書きたいテーマと構成を決めることから始めることにしました。質を高めるためにはテーマに即した人の話をできるだけたくさん聞くことです。ここに統計の裏付けをするためのアンケートについても話し合いました。
  • 本会議の一般質問で予定している項目について、同僚議員と議論を行いました。お互いが研鑽し合える関係にあることを有り難く思っています。
  • ハイテク企業の誘致に関して協議を行いました。企業誘致は和歌山県の将来のための最重要課題ですから、毎日のように検討を進めています。