主に20歳代の皆さんを対象に議会報告会を行いました。自分を振り返っても20歳代の頃は政治や選挙に関心は薄く、能動的に参画したわけではありません。年齢を重ねるに連れて社会の一員を意識するようになっていきますが、そのとき仕事や生活に政治は深く関係していることが分かってきます。それはそれで良いのですが、出来るなら早くこのことに気づいて、意見を伝える道をつくっておくことは自分にとって有利なことだと思います。
さて以下は主な議会報告の内容です。
20歳代のときは特別な人脈やご縁がない限り、議員と知り合うことはないと思います。議員だけではありませんが、社外の人のご縁が近くにあった場合、ご縁をつないでおくと後々、生活や仕事で役立つことがあると思います。
さて県議会議員の活動の基本は、支援者からの意見や要望を聞いて県行政に反映させることです。民意の反映とは皆さんからの意見を聞いて県議会などで提言するので、今回のように若い方と議員との距離を近くすることが大事だと思っています。若い人からの意見を聞かせてもらって「その通りだ」「大事なことだ」「その意見は県政に反映できていない」と思えることは県政に反映させるように動きます。
最近の事例では「和歌山IR」があります。結果として県議会で採決した結果、反対が多数を占めたので否決となりました。事実上「和歌山IR」の政策は消えました。これが県政に民意を反映した結果なのです。元々「和歌山IR」は和歌山県の経済振興、雇用の確保、40年間の事業継続による税収の安定のための財源確保と行政サービスの向上などを目指したものです。投資額は約4,700億円、直接的、間接的な雇用は3万人などを予定していました。巨額の県内への投資と3万人の雇用確保が和歌山県に必要だと考えた政策だったのです。ただ日本に存在していない産業なので賛否が分かれたのは民意が分かれたからです。経済と雇用効果があると判断した人とギャンブルはいらないと考える人で意見が分かれましたし、肯定的に考えていた議員の中にも「資金計画が不透明」などの意見があり反対した人もいます。
これからの和歌山県の発展を考えたとき「和歌山IR」を県政として取り組むことを目指すことは間違いではなく、その賛否を民意に問うことが県政のあり方として誤りではありません。議論を尽くして結果が出たので、反対多数で「和歌山IR」の国への申請はしないことになったわけです。
この結果に皆さんの意見は反映されていますか。県政の若い皆さんの意見を反映できていたでしょうか。考えてみてください。「反対だから良かった」「賛成だったけれど残念」など思うことがあるかもしれません。肝心なことは「将来の和歌山県のあり方を決定する意思形成の過程に、若い皆さんの意思が入っていたかどうか」です。将来の和歌山県の主役は皆さんです。現在の意思決定が10年後、20年後、そして40年後にまで影響を及ぼしていることに気づいてください。例えば皆さんが40歳になったときの和歌山県を現在の私達が創っている途中なのです。その中に皆さんの意思が入っていなかったとしたら、今回の結果よりもそれが問題なのです。県政は他人事だと思っていたら、意思を反映させたいと考えて行動した人達の意思が反映されることになります。他人任せでは「県政は良くない」「何をしているか分からない」など不満がたまるばかりです。県政の意思形成の過程に参画して自分が思っているような結果が得られたら、県政は自分の意思で変えられることを実感できると思います。今日の機会に政治参画について考えて欲しいと思います。
繰り返しますが、僕も皆さんと同じ20歳代の頃、政治は自分には関係がないと思っていました。ところが関心がなければ、自分の知らないところで和歌山県の現在と将来に関して意思決定がされることになるのです。せめて関心を持って話を聞く、小さな意見であっても議員に伝えることから始めてください。将来の主役である皆さんが和歌山県を築くことになります。今日の話をする機会をいたただいて、ありがとうございます。共に頑張りましょう。