活動報告・レポート
2022年5月24日(火)
実践と実学

「座学による知識がある人は多いけれど、経験による実践と実学を重ねている人は少ないのが日本の現実です。世界を見ても分かるように実践と実学を意見している人に勝てることはありません。困難や危機的状況に遭遇してそれを克服してきた人との経験の差は実力の差となっています。世界を相手に戦うには実践と実学の経験が不足しているわが国は不利な立場にあります。気概と誇りを見せなければ舐められますよ」と、日本の状況を説明してくれました。

「実践と実学」簡単な言葉ですが経験を重ねないと身につきません。学校で学ぶことではなく経験によって身につくものですから誰でも習得できるものではないのです。

偶然とも言える大きな舞台の出現という実践機会があり、そこで経験を通じて実学すること。しかも実学を学ばせてくれる人の存在が不可欠です。この条件が重なる幸運に恵まれる人は滅多にいませんから、実学を学ぶ機会に遭遇したときは覚悟を決めることが必要です。短期間に実学を学ぶイメージとしては「夏期講習」であり、短期集中に挑む覚悟で行動することが求められると思います。

偉人達が目指した平和で豊かな日本を築いてきた歴史は素晴らしいものですが、そこに誇りと自信を感じることや実学の機会を得られることが失われてきたように感じます。今は幕末の維新前夜の状況に似ていると思っています。世界の市場は拡大しているにも関わらず、情報は瞬時に共有できるかつてない世界になっています。日本だけで経済活動も生活もできない時代の最先端の位置にいます。

世界を相手にして勝つ覚悟と、世界の実力者を相手にするための自信と戦術が必要です。国内を相手にするのとは訳が違いますから、これまでの経験を総動員して対応することが求められると思います。

そこには言葉の違いという壁があり国民気質や文化の違いもあるので意思疎通が図れないことが多く、思い違いや見解の相違が頻繁に起こります。そこを乗り越えない限り世界を引っ張りこむことはできません。これまでと違う次元においては日本の常識が通用しませんから、この国を仕切るぐらいの覚悟をもって挑む必要があります。

これまで「変革への挑戦」「日本を変える」「和歌山を変える」というキャッチフレーズは何度も見てきましたが、体制が変わらず先進的なことが実現していないのは、キャッチフレーズを使った人たちに本気で戦う覚悟がなかったからだと気づきました。「歴史は繰り返す」ですが、もうわが国は覚悟のない戦いを繰り返すことはできません。IT、AI、半導体、人工衛星などハイテク分野では先進国から二周遅れの現実がありますし、追い付く見通しも覚悟も感じられません。

また有事への備えも意識も薄いことに気づかされます。有事への備えは積極的な守りであり、ハイテク産業の導入はわが国の攻勢です。簡単ではないことに挑むためには実学と覚悟を持ち合わせる必要がありますから「遅い」と言い訳をするよりも、「今がスタート」と割り切って和歌山県へのハイテク産業の導入という困難への挑戦を取り組みたいと考えています。

ところで普通にしていたら解決が困難に直面したときは、信頼できて明るい人、信頼できて厳しい人、信頼できて信念のある人、信頼できて励ましてくれる人、そして信頼できる実践と実学を身につけている人に相談することが解決の最善の方法だと気づきました。

インドとオーストラリアの国旗

自分が信頼している人は、相手も自分を信頼してくれていると思うので、相談した結果を受け取ることができるのです。嫌な人から言われたとすれば、その相談結果を無視することになります。信頼できる人が周囲にいる環境に恵まれていることに感謝しています。

夜、会議を行ったホテルの外に出たところ、インドとオーストラリアの国旗が掲揚されていました。両国首脳が宿泊している場所だと聞きました。このことも幸運だと感じています。