過日、現役の経営者である松本会長の誕生日をお祝いしましたが、それを記念した冊子が完成したので、県政報告を兼ねて会社を訪問しました。
経営者の視点での話は次の通りです。
最近はずっと和歌山県は元気がないですね。元気になる施策を要望するなど時々知事とも話をしますが、知事は頑張ってくれていると思っています。投資をしてもらう環境を作り出すことは難しいことですが、それをやろうとした知事の姿勢は評価できると思います。
投資を呼び込むためには和歌山県の魅力を知ってもらうこと、投資するに相応しい県であることを知ってもらうこと、県全体として熱意を持って受け入れることを伝えなければなりません。県経済のため、雇用を増やすために県はそんな段取りをしてきたと思いますが結果が出ませんでしたね。長年、和歌山県で経営に携わらしてもらっている一人としては残念な結果です。
と話してくれました。
これからも地域で活躍し続けてくれる会長なので「県政はもう前を向いています。一緒に来年に向かいましょう」と伝えると「杖をついてでも頑張らないとね」と笑顔で応えてくれました。
同じく懇談した国際的に事業を展開している人からの意見として「和歌山県はたくさんの有望な資源を持っていますが活用できていないと思います。生かされていない資源を活用する手段を考えるべきだと思います」など和歌山県には潜在能力があることを話してくれました。
そのためには投資を呼び込むために進出することの魅力を伝えることや、熱意を持っての誘致活動が必要です。投資をする側からすると利益を上げることが絶対条件です。利益を得るためには、投資をしたことによって将来、この地域が発展することが絶対条件となります。地域経済が停滞した状態で、投資案件だけが利益を得られることはないからです。
ですから投資銀行から投資を受けるための事業計画書は金融機関を説得するだけの材料が必要ですし、確実性が求められます。和歌山県が投資対象になるためには、地域としての価値があること、投資をした結果の収益性が確保できることや市場としての将来性があることが審査されます。投資銀行は経験豊富ですし世界市場を熟知していますから、プロの視点で和歌山県と事業計画を見ています。投資案件に関しては投資した結果、受けられる利益の確実性が高まるように事業者と協議を重ねます。不安要素があれば当該事業に対して融資することはありません。
しかも事業計画を策定するだけでも経費が必要ですし、事業を具体化する前には相当の資金を投入しているのです。できないことや可能性の少ないところに経費をつぎ込む事業者や投資を考える事業者は恐らく存在しません。
これまでの同じような事業経験と確実な収益性を見込んでの投資計画を立てることになります。投資を受け入れる側としては「プロの視点を信用する」ことを前提にしなければ当該事業をスタートさせることはできません。地方都市にとって国際的な案件は経験が不足していますから、信じられないことや「本当かな」と思うような話に突き当たり立ち止まることがあります。
しかしそこからが勝負です。案件を調べることや交渉を中断してしまうとそれまでですから、直接、中心となる相手と話をしていくことで全体を理解できることがあります。進出条件は、誰が投資するのか。それを証明する書類はあるのか。などが判明すればスタートできます。スタートするためにはこれまでの信用に加えて具体性のあるペーパーや資金の存在を証明するものが必要となります。その人の信用プラス具体的な証拠物があれば事業計画は進展することになります。