茶道の先生から四君子の話を聞きました。
私が師匠から学んだ話で、教訓になっているのでお弟子さんに伝えています。
四君子という言葉があります。蘭、竹、菊、梅のことです。中国において君子とは、徳と学識、礼儀を備えた人のことを言います。蘭、竹、菊、梅の4種の植物がもつ特長が君子の特性と似ていることから四君子と呼ばれています。
蘭はほのかな香りと気品を備えていること。竹は寒い冬にも葉を落とさず青々としている上、曲がらずまっすぐな性質を持っていること。梅は早春の雪の中で最初に花を咲かせる強靱さを持っていること。菊は晩秋の寒さの中で鮮やかに咲く姿があることから、君子のようだと讃えられたのです。また春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅、四季を通じての模範となる教えなのです。
茶人から、人として大事にすべきことの話を聞かせてもらいました。
そしてこの茶道の先生は元教師で、今の時代は少ないと思いますが7年間校長先生をした経験を持っています。校長先生のとき毎月2回「学校だより」を発行していたことを聞きました。教育委員会や学校の先生からは「そんなに発行しても読んでくれませんよ」と言われながらも継続して発行した理由は次の通りです。
自分の考え方、学校運営のあり方などを生徒と保護者に知ってもらいたかったのです。もちろん、誌面いっぱいに記事を書いているので「読んでくれる人は少ないだろう」と思っていました。
しかし10人に1人、たとえ100人の中で1人だけでも家庭で読んでくれたらよいと思っていました。私の経験から学んだことを書いたので、読んでくれた人にとって「きっと役に立つ」と自信を持っていました。私の考え方を伝えるために読んでくれるかどうか分からないとしても校長としての責任で発行しました。
私が学校を退職して10年以上が経過していますが、今でも当時の教え子で年賀状をくれている子どもがいます。そこには「学校だよりを読んだことが役立ちました」などと書いてくれているので「たとえ一握りの生徒や保護者だけが読んでくれたとしても、読んでくれた人の人生に役立っていたのなら、私の実践していたことが間違っていなかった」と本当に嬉しく思っています。
と話してくれました。
この話もとても役立つ話です。そして「お弟子さんにも、私がお茶の師匠から学んだ話や教師時代の経験などを伝えています。お弟子さんに少しでも役立つなら嬉しいですから」と話してくれました。
こんな学校の先生、こんなお茶の先生に学べること、一期一会の精神で会話する機会を持てることは有り難いことだと思います。
連日、企業誘致に関して協議を行っています。昨今の世界情勢から、わが国も世界の流れに沿っていることを痛感していますし、同時に戦争がわが国の経済に与える影響の大きさも感じています。
天然ガスや原油の値上がりによるエネルギー価格の高騰、食料品や自動車、部品など全ての物価に影響を与えること。そしてアメリカがインフレを抑えるための金融引き締めが円安を誘導していることから輸入価格に影響を与えていることなど、決して日本が例外ではないことを感じる毎日となっています。
わが国として防衛するためには、資源価格に影響を受けることのないエネルギーを確保すること。半導体を始めとするハイテク機器を確保すること。日本の技術力を高めて円の価値を維持することなどの取り組みが必要です。
いずれも簡単なテーマではありませんが、わが国が将来にわたって経済力を維持するためには何としてもやり遂げるべき課題です。ところがこれらの技術は世界のレベルと比較してわが国は劣位にあるのが現実で、これらの技術力を導入するためには先進企業などを受け入れる必要があります。それは都会の工業地帯では無理なので、広大な用地が確保できるうえ、インフラが整っていることが条件ですから地方の役割となります。しかも国際空港や港湾を有していることも条件になるので、誘致できる県は限られているのです。
関係者と協議している中で和歌山県の優位性を感じながら、日々の取り組みを行っています。和歌山県がRCEP(東アジア地域包括的経済連携)におけるわが国の拠点となりアジアの玄関口になることを目指していきます。