令和4年4月臨時会が開会されました。知事から「議案第75号 和歌山県特定複合観光施設区域整備計画」が提案されました。知事からの提案の趣旨は次の通りです。説明を受けたことを僕なりに解釈して記します。
IRの誘致については、観光振興への寄与を始め、大きな経済波及効果や雇用創出効果が期待でき県経済のエンジンになると考えています。
和歌山県の産業の現状を見てみると、鉄鋼、石油、化学産業などの重化学工業が中心の産業構造が続いてきました。ところが産業構造が情報通信、電子、輸送機器などにシフトしていく中、時代の変化に対応しきれないで活力を失ってきました。近年では日本製鐵和歌山製鉄所の高炉休止や、エネオス和歌山製油所の機能停止の発表は和歌山県の現状を示す象徴的な出来事です。和歌山県を元気にしていくためには、新たな経済発展の要素を加えていくことが不可欠です。
IRの経済波及効果は観光産業だけではなく、飲食業から農林水産業、交通運輸業、警備業、情報通信業などの産業に及びます。試算ですが開業2年後の2030年には約3,500億円の経済波及効果があると想定しています。これは和歌山県の県内総生産の約3.5兆円の1割に相当するものです。
また税収の増加による財政の改善や、事業者から納付される納付金、入場料収入によって社会福祉の増進、教育の振興などに関して持続的に発展に資するものです。
和歌山県として「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」「特定複合観光施設区域整備法」の成立を踏まえて、基本構想や実施方針を作成するとともに、事業者の公募と提案審査などの手続きを経て、令和3年7月20日にクレアベストニームベンチャーズとクレアベストグループのコンソーシアムを優先権者に選定し、共同して区域整備計画を作成しました。
県議会においては令和元年9月定例会で「総合型リゾート(IR)誘致に関する決議」をいただき、当局と議会が両輪でIR誘致を推進している姿勢を国や事業者に示すことができたことが大きな後押しとなり、今晩の区域整備計画認定申請の段階まで至れたものと考えています。
またIR対策特別委員会においては熱心に審議をいただいた中で、一部、計画について指摘を受けたことについては事業者に改善を求め、区域整備計画の修正を行ったうえで、パブリックコメント、説明会、公聴会を経て、県民の皆さんからの意見も反映させた区域整備計画を令和4年3月17日開催のIR対策特別委員会において説明しました。
その後、和歌山市と公安委員会に協議を行い、令和4年3月31日付でそれぞれから特定複合観光施設区域整備法に基づく同意を得ました。
議案第75号は、国への区域整備計画の認定申請にあたって、特定複合観光施設区域整備法第9条第8項に基づき、県議会の議決を求めるため審議いただくものです。
以上、知事からの議案第75号の説明を受けました。提案された議案の審議は4月20日の採決日まで県議会で審議を続けることになります。
現在、和歌山県経済団体連合会、和歌山県観光業界、和歌山県建設業協会から経済振興のために「要望書」が提出されています。
- 企業誘致に関する協議を行いました。臨時会が始まったので、議案審議と並行して打ち合わせを行っているところです。
- 側溝の蓋が老朽化しているため、安全対策に対応しました。壊れてからでは遅いので現地調査と共に協議を行っています。