活動報告・レポート
2022年4月2日(土)
「陸奥宗光先生乃像建立50周年」記念誌編集会議
「陸奥宗光先生乃像建立50周年」記念誌編集会議

「陸奥宗光先生乃像建立50周年」記念誌の編集会議に出席しました。令和3年は和歌山県誕生150年であり、和歌山市政130年、そして「陸奥宗光先生乃像建立50周年」の記念の年でした。そのため令和3年は「陸奥宗光外務大臣の功績を教育に活かす実行委員会」として記念式典や記念祭を始め、従来から実施している学習会や講演会を行いました。

そこで節目の年に実行委員会の発足以来の活動を振り返り、その足跡を記すことを計画して記念誌の制作に着手してきました。概ね原稿を揃えて編集ができてきたことから、文字校正や表現などの確認を目的に編集会議を行いました。

記念誌案を見てみると、これまでの活動の足跡が残っていることに感動しました。やってきたことが確かな形になって残っている。これは故郷の偉人を称え、その志を継承している進行形の歴史を感じさせてくれるものになっています。偉人はお亡くなりになり、直接知っている人たちも身近なところにはいなくなっています。私達は一世代を隔てた関係にありますが、残された資料や記録などからその活動した足跡やその志を知ることができています。

歴史は年号でも結果として残っている出来事で語ることはできません。そこに生きた人の息吹を感じることが必要です。息吹を知るには資料などから伝記とも言える物語を学ぶこと、そしてその時々の行動につながった志を推理することにあります。物語ですから史実に基づいてその人物として考えることで内心を推理することが大事なことだと考えています。どんな行動でもそこにつながった考えや思い、そして志があったはずです。自伝では記されていることがありますが、史料から内心を読み取ることはできません。だから物語を学び、聞いて自分なりに推理するのです。そこから自分の言葉で発信できる「私と偉人の物語」を構築することができます。実行委員会の活動を通じて学んだことはそれが大事だということです。

歴史家や研究家であれば話は別ですが、故郷に生きる私達が故郷の偉人を知り、語るためには行動につながった志を推理して聞く人が興味を持てるような物語にする必要があります。楽しくなければ学習や講演に参加しても人はそれを聞き流しますし、そこで学んだことを人に話すことはありません。講演を聴いた人が他の誰かに話してもらうには感動が必要なのです。客観的な史料や史実に基づく結果だけで感動させることは出来ません。

「陸奥宗光先生乃像建立50周年」記念誌編集会議

まるっきり作り話ではいけませんが、学んだことから自分なりに推理と脚色をして、物語として語ることが大事なことです。偉人を題材にした大河ドラマや映画がおもしろいのは脚本家の推理が入っているからです。それと同じような物語として伝えなければ偉人の功績は地元でも広がらないのです。

そんな偉人の生き方を記した平成から令和の活動をまとめたこの記念誌は、偉人の足跡と志を記したものなので後世に残す意味があると考えています。そのための工夫も凝らしています。題字は陸奥宗光伯の自筆を印刷したものであり、紙質は100年以上朽ちないものを使っています。

また岸田総理大臣や林外務大臣の挨拶文もいただき掲載しているので、歴史的な価値がある記念誌に仕上がることになります。

故郷の偉人を称え、それを継承している私達の活動の足跡をここに記すことになります。

いつか誰かがこの記念誌を、県立図書館、市民図書館、県内の学校の図書室などで読んでくれることがあると思います。偉人の志と共に偉人の志を継承して活動した私達の活動に感動してくれることがあったとしたら、後世に残す意味はあると思うのです。そこからまた新しい活動が展開されることになるからです。

そんなことを想像するのも物語です。物語を描きながら編集会議に挑みましたから、楽しい時間となりました。