活動報告・レポート
2022年3月27日(日)
孫市まつり
孫市まつり
孫市まつり 孫市まつり

「第18回孫市まつり」に参加しました。春到来を感じさせるように、会場の桜は満開、感染症対策をしながらお客さんも来場していただき、2年ぶりの孫市まつりを楽しみました。

先月、孫市の会の森下会長から「今年は2年ぶりに孫市まつりを開催するので応援して欲しい」と連絡をいただきました。「コロナ禍で開催の判断を含め準備が大変だと思いますのでお手伝いしますよ」と答え、孫市の会の会議にも参加して今日を迎えました。

会場に到着して武者衣装に着替え武者行列の準備を整えました。武者姿で境内に出るとお客さんが近寄ってくれるので、孫市まつりを楽しみに待ってくれていたことが分かるものでした。桜の花の下で写真撮影をしてくれるなど、お客さんとの交流を楽しみました。

孫市まつり 孫市まつり

今回の行列は、コロナ対策のため花見客で賑わう和歌山城には行かずに、本願寺鷺森別院から南海和歌山市駅を往復するコース設定をしています。

午前11時の定刻通りに会場を出発しました。今回の司会はタレントの「のりちゃん」で、舞台の上から出陣に際して「エイエイオー」の叫び声を出して会場と一行を盛り上げてくれました。他にも舞台上から「孫市まつりが和歌山市に帰って来てくれて本当に嬉しいです。こんなにも孫市まつりが楽しいと感じられるのは、昨年開催できなかったからですね。やっぱり人が集まって賑わうことは楽しいことです」と話してくれていました。

みんなの気持ちを高めてくれるものでした。参考までに、「のりちゃん」は向陽高校卒業生で「向陽もりあげ隊」の一員として一緒に活動を行っているところです。

孫市まつり

会場を出発した武者行列は、南海和歌山市駅に至る街並みを眺めながら行進を続けました。歩道にはカメラが並んでいるので「孫市まつりを待ちわびていた人がこんなに大勢いるんだな。18回の歴史を刻んできただけのことはあります」と思いながら歩きました。

南海和歌山市駅でも駅のイベントを楽しむ人がいて、武者行列が入るとカメラを構えて待ってくれていました。

春の到来、桜が開花、イベントの復活、孫市まつりなど、賑わいと楽しさの日常を取り戻すような言葉が浮かんできました。

雑賀孫市は戦国時代にあって特殊な役割を果たしていました。戦国大名による統治を行わないで、自分達の意見を反映させるために紀州は共和制を敷いていたのです。紀州には有力な大名がいなかったのは、戦国時代に全国でも珍しい共和制の地域づくりを行っていたからなのです。その中心人物のひとりが雑賀孫市だったのです。紀州を護るために雑賀鉄砲隊を組織して、紀州攻めに入った織田信長軍と互角の戦いをして追い返すなど、「紀州に孫市あり」と戦国の世に名前を轟かせたといいます。

自主、自立の精神で紀州は戦国時代に特異な地域として発展を遂げていたのです。やがて織田信長に代わって天下人になった豊臣秀吉の紀州攻めによって、紀州の共和制の時代は終えることになり、豊臣体制に組み込まれていくのです。

孫市まつり

権力者に屈しない、自主自立の精神で戦国時代を生きた紀州人の精神が私達に宿っていると思います。孫市まつりで紀州人の精神を呼び覚ましてくれたら、このまつりの趣旨が理解してもらえると思います。

知事と和歌山市長も来賓として出席してくれて、この雑賀孫市の精神を話してくれました。行進を終えた紀州雑賀衆の鉄砲の轟音が会場内で鳴り響き、閉塞した時代に終わりの時を告げてくれたように感じます。

武者行列を終えて武者衣装を脱いだとき、一緒に行進した皆さんと「このイベントに参加して気持ちがいいなぁ。鎧兜で行進したことは楽しかったなぁ」と話し合いました。

境内に咲いた桜の花と紀州雑賀衆の鉄砲の音が、人の心が温かくて気持ちの和む春を一気に引き寄せてくれました。