活動報告・レポート
2022年3月15日(火)
本田悦朗さん講演会
本田悦朗さん講演会
本田悦朗さん講演会 本田悦朗さん講演会

昨日に引き続いて今朝6時30分からのモーニングセミナーで本田悦朗さんの講義に参加しました。本田さんの講義を踏まえて、以下に所感を記します。

1.日本国の価値について

国民が将来に希望が持てない国になっているのが、先進国中22位に転落の原因だと思っています。しかし日本は誇りある国であり、「幸せと豊かさを実現できる国づくり」を目指しているので、このまま沈んでいることはあり得ません。問題は誇りを取り戻せるかどうかにかかっています。但し日本の価値、つまり国内基準と世界基準は違いますから、まじめに思いやる心だけで接すると嘘を見破れなくなります。世界基準は嘘が混じっている、騙すことが当たり前なので、外交では世界基準を混ぜながら国際基準の価値で話し合いをすべきです。団結しての話し合いは相手を立てますが、分裂は話し合いが崩れることになります。

世界の文明の中で日本文明だけが一国で築いている文明であり中国の亜流ではないし、それが日本人の誇りとなっているものです。つまり一国で一文明を背負っている誇りと世界の価値を維持している使命を持っているのです。日本文明の価値とは、他人を思いやる精神なので、世界に発信し続ける義務があるのです。

2.ロシアのウクライナ侵攻について

さてロシアのウクライナ侵攻についてです。この背景には民族派と欧州派の対立があります。ロシアの指導者はスラブ民族が世界一優秀であると考えているので民族派です。対してウクライナの指導者は欧州派であり対立することになっています。ロシアにとってウクライナは弟分の国と思っていたので、ここに誤算があったようです。

解決の方法としては、ウクライナはEUに加入しないで中立を保つことであり、将来ともウクライナはロシアとEUとの緩衝の役割を果たすことです。地理的にその役割が求められているように思います。

ただ紛争が長引くと、ロシアの海外資産が凍結されていることからハイインフレとなり生活は苦しくなります。中央銀行がルーブルを買い支えることができないからです。但し、経済的な厳しさに慣れている国なので当面は持ちこたえることができると思います。

3.日本ヘの影響について

紛争による日本経済への影響はエネルギーと小麦粉価格の上昇ですから、コストプッシュインフレに向かうことです。このコストプッシュは経費を押し上げることから金融政策は効果がありません。そのため政府の財政出動でエネルギー価格の補填を行い、価格上昇を抑え込むこと以外にありません。今は国が補填を行うことで、コストプッシュインフレを抑えることが必要です。紛争が1年も2年も継続するなら補填を継続することは苦しくなりますが短期的なら効果があります。もし国が補填をしないならスタグフレーションが起きる可能性があるので回避しなければなりません。

一方、需要を伸ばすことでインフレ率を達成することをディマンドプルといいます。これは重要を伸ばし消費を増やすので政府が目指しているインフレです。経済成長を図り成長率を国債金利よりも高い水準に保つために、できれば2パーセントのインフレターゲットを目指したいところです。

4.国債残高について

ところで国債発行残高は政府の借金ですが、それはイコール国民の資産となります。つまり国債残高と国民資産は同額でゼロとなります。したがって国債発行残高を維持することが政府の目標となります。自国通貨で発行している国債は極めて安定しているもので、金利の目安となるものです。つまり国債はリスクフリーの債券なので、国債金利の水準に基づいて社債、転換社債などの金利水準か決まることになります。リスクフリーの金利を高めると、それに追随して債権の金利が上昇することになります。

但し国債は借金ですから、あまりにも残高が大きくなるとその国の経済リスクを考える投資家も出てきます。投資家がリスクを考えるようになれば、その国の国債を買わなくなるので財政が厳しくなるということです。

そのためこの問題を考える前提は、国の経済規模、売上高つまりGDPなどを参考にすべきであり、経済大国とそうでない国の国債発行残高を同じように考えることは良しとしません。

国債発行残高が増えるとデフォルテにつながるのではとの懸念に対しての答えです。デフォルテの条件は、国に支払い能力がないこと、国の支払いの意思がないことの二点です。日本国は支払い能力があり、支払いの意思もあるのでデフォルテすることは絶対にありません。しかも自国通貨で自国国債を発行できる国ではデフォルテは起きないのが国際的な認識なので、日本国はそれに該当することからデフォルテの可能性はゼロということになります。

したがってデフォルテの可能性がある国とはEU加盟国で経済力の弱い国やドル建てで国債を発行している国であることが分かります。

5.意見交換

(本田氏)

和歌山県には伝統産業と石油や鉄鋼産業があります。時代の流れは止められないので、撤退や縮小は止めようがありません。そこで伝統産業とDXを組み合わせてハイブリッド型に転換していくことや、デジタル企業や医療などの産業を誘致し、地元で育成することで新産業に転換していく必要があります。さらに南紀白浜空港の国際線化は活路を見いだせる取り組みですし、大学や研究機関の設置は県として推進すべきことです。

(片桐)

和歌山県として遠隔医療を宇宙医療につなげるための協議を開始しています。医療メーカーとロケットメーカーが連携して、和歌山県からこの分野に挑戦しようしています。

またハイテク、保健医療分野の大学の設置についても検討を進めていますし、南紀白浜空港はアジアのゲートウェイになるもので国際線化は重要です。アジアの国と同空港を就航させるための取り組みも行っているところです。

日本人としての価値は「誠の心」だと話してくれたように、僕も「相手を敬う」「思いやり」こそ日本人の価値だと思っています。外国の方と交渉するとき、日本人の価値が理解されないこともありジレンマもありますが、国際基準を知って日本人の価値に加えて、国際基準をミックスさせて交渉する必要性を実感しています。

嘘や騙すことが国際基準であることを知ったうえで「誠の心」で交渉することが正解だとも感じています。

建設委員会
建設委員会

県議会建設委員会が開催されました。僕からの確認事項は次の通りです。

1.南紀白浜空港の国際線ターミナルが完成したこと、そして戦略的誘客のために国際線開港の見込みはいつ頃を予定していますか。またビジネスジェット駐機場はアジアの玄関口としての和歌山県の存在を発信できる事業になりますから、ビジネスジェットに利用することは大いに期待しています。ビジネスジェットの駐機場の完成目途はいつ頃を予定していますか。

【県土整備部答え】

まず、南紀白浜空港への国際チャーター便の誘致については、コロナ禍収束後を見据え、県観光部局等と協力しながら旅行会社や航空会社などへのプロモーションを行っている。

国際線ターミナルについては、工事は昨年秋に完成し、令和4年度中のオープンを予定しているところであるが、コロナ禍の影響もあり、詳細なオープン時期については検討中である。

国際チャーター便の就航については、現在の状況では具体的なスケジュール等は示すことはできないが、今後も誘致活動を続け、就航実現に併せて国際線ターミナルもオープンできるよう、取り組んでいく。

それからビジネスジェット駐機場についてだが、現在、ビジネスジェット誘致に向け、駐機場の整備を行っている。まず今年度は設計を行い、年度内に工事に係る契約まで行う予定である。その後、来年度には現地着手し、秋頃には工事が完成するが、その後、航空法上の手続があるので、供用開始は来年の1月頃となるかと考えている。

2.インターチェンジアクセス道路として「南港山東線の西浜〜関戸」までの区間が、令和4年度供用予定になっています。和歌山南インターチェンジからの接続道路として期待していますが、現在の地元調整の状況と供用開始の目途についてお聞かせください。

【県土整備部答え】

南港山東線の西浜から関戸までの920メートルについては、まず用地取得は本年1月に全て完了した。

委員御質問の全線供用の時期については、現時点では、令和4年度中と考えているが、1日も早い供用を目指している。

具体的には、西浜交差点、和工の前から雑賀崎農協前交差点については、今月中に用地の明渡しが完了する予定であることから、これまで暫定供用していた信号のある各交差点間をつなぐよう、西側から順次供用させるとともに、用地の明渡しが完了していない区間については、明渡し完了後、電線共同溝や歩道工の仕上げの工事を速やかに進めたいと考えている。

その他
  • 学校教育の問題について協議を行いました。人材育成は将来の和歌山県、日本を支える基礎となるものなので、常に将来の県土の姿を考えて構築する必要があります。人材育成のあり方について話し合っています。
  • 北ぶら はじめ食堂和歌山市中心地の商店街「北ぶらくり丁」で企画している「北ぶら はじめ食堂」の案内をいただいたこと。4月から毎月一回、開催する計画があると聞きました。商店街活性化の取り組みに期待しています。