和歌山県に必要なものはたくさんあります。企業誘致と雇用確保、そして人材育成などです。人材育成は将来の和歌山県、日本を支えてくれる人を輩出するために必要なもので、成果が見られるまで何十年もかかる息の長い取り組みです。投資効果が分からないので、時には後回しにされる傾向もありますが、県として継続して教育への投資は必要です。
特にハイテク企業が求める人材は簡単に育成できないため、今から教育システムを考える必要があります。九州では7つの高等専門学校でハイテク教育を導入することが決定しているように、企業は人材の確保が見込まれることも進出条件のひとつです。しかしハイテク産業を支える人材の養成には高校、大学と7年間から9年間の期間が必要ですから、今から教育を始めても卒業するのは7年後となります。
ハイテク分野に詳しい大学教授と話したところ「この分野は高校からでは距離が遠すぎます。やはり大学教育を経て就職することが必要です」ということでした。それ以降、和歌山県でこの分野の教育と人材育成を行うことを協議しています。今日も関係者が集まり、遠方とはリモート会議を併用して会議を行いました。企業誘致と人材育成はセットで考える必要があります。
ロシアのウクライナ侵攻は長期化しており、どこで停戦に至るのか全く分かりません。このことに関して世界経済と地政学に詳しい台湾の方とリモート会議を行い、状況を聞かせてもらいました。
ロシアは撤退しないでしょう。ロシアは侵略の歴史を持っていますから、攻めることに躊躇することはありません。40年前の冷戦の時代に戻っても良いと思っているでしょう。
ロシアは西側諸国に最恵国待遇から外されたとしても「問題なし」と思っているはずです。国内に資源と技術を持っているので、100年間つきあいをしないでも経済は回る国です。他に資源と技術を持っていて困らない国は中国がありますが、このような大国以外は外国とのつきあいがなければ経済は持たないでしょう。
ところでロシアは、ウクライナは中立国であることを宣言しなければ侵攻を止めないと思います。ロシアは自らの権利を大事にする民族なので、元々同じ国だったウクライナをロシア側に引き留めることは権利だと普通に思っているのです。EUに加盟することを認めることはないのです。
では「この機会に乗じて中国は台湾を攻めることはあるのでしょうか」との質問に対して「中国は台湾に侵攻しないですよ、ロシアとウクライナとは歴史的な経緯が全く違います。台湾は元々から中国ではないので同じではありません」という回答でした。
それでも将来「中国が台湾に侵攻したとすれば台湾はどんな対応をしますか」と尋ねました。「台湾は守勢に回らないです。攻めてきた場合は躊躇することなく攻撃に転じます。軍事力の差があるため国土を護っても侵略されるので、護るよりも全力で本土に攻め込みます」と言う回答でした。
そのうえで「今回の件に関して日本の外務大臣の対応は恥ずかしいと思いますよ。中国大使と会談したときの失礼な態度に触れた記者のインタビューに対しての回答が恥ずかしいです。インタビューに対して『発言できない』と答えたのですよ。『発言できない』ということは『責任を持たない』という意味ですよ。国を代表している立場として恥ずかしいですよ。責任を負えない人が国を護れるのですか、絶対に護れないですよ。外国人は総理や大臣の発言を聞いていますから、気概のない発言をしている国は『攻めやすい』と思われていますよ。今回のように大使から失礼な態度を取られた場合の外務大臣の言葉は『敬意を払いなさい』ですよ。言葉で気概を伝えない大臣に失望しています」と危機感を持って伝えてくれました。
午後から政策研修会に出席しました。テーマは「2050カーボンニュートラルとエネルギー政策〜社会への影響〜」と「政治情勢と今後の展望〜参議院議員選挙に向けて〜」でした。最近の動向を講義してもらいました。