オミクロン株の感染症が収まらない状況が続いています。今朝、和歌山市内のホテルオーナーの会社を訪ねました。オーナーさんは「フロントも感染症対策に慣れてきています」と事例を紹介してくれました。
ホテルでチェックインするとき、お客さんの表情や態度を見ていると「おかしいな」と思うお客さんがいるようです。その場合、フロントがお客さんに声を掛けるようにしているのです。「お客さま、体調は如何でしょうか」「当ホテルでは宿泊のお客さま全員に体温を測ってもらっています」など状況に応じた言葉を掛けます。
体温計をお渡しして体温を測ってもらうと「おかしいなと思ったお客さんのほとんどの人は体温が高い」のです。プロの見抜く力とでも言うのでしょうか。それとも経験則から来るものなのか分かりませんが、とにかく微熱があるようなのです。そこでフロントから保健所に連絡してPCR検査をしてもらうのですが、ほぼ陽性反応が出るようです。
丁寧に接客していることから、お客さんが陽性であることを認識したことで感謝されるようです。
またチェックインのときは何もなかったけれど、宿泊している最中にお客さんが発熱する場合もあると聞きました。その場合も保健所に連絡を取りPCR検査をしてもらっています。この場合も陽性反応のお客さんが大半だそうです。今や、どこで感染したのか分からないのです。
この場合もお客さんを丁寧に病院などに見送りしています。その後、ホテルとして当該のお客さんが宿泊した部屋と廊下や共用部を消毒して周ります。そして10日間、その部屋は利用しないで空けておくのです。経営者の視点からは「10日間、商品が売れない」となるのですが、「お客さんの安全を考えて開けるようにしています。『見えないから部屋を提供しても分からない』と思うのは間違いです。そんな対応をすると必ずばれますし、ホテルの信用を無くすことになります。部屋を空けることはホテルの損失となりますが、社会的規範を守るようにしています。そのお陰で感染症が拡大して以降、ずっと売り上げは下がっています。しかしまん延防止等重点措置が適用されてもホテルには何の協力金はないのです。損するばかりですから国には考えてもらわないとね」と説明してくれました。
ホテルのフロントのプロフェッショナルぶりを感じますし、コロナ禍になって2年が経過しているけれど「感染症対策として必要な支援はできていないのではないだろうか」と感じる説明です。現場での対応、そして感染症の影響を受けて困っている職種のことを知って、もっと早く支援策を立案すべきだと思います。感染症の傾向が変化していることや、これまでの分析結果が分かっていると思いますが、依然として同じような支援策に留まっていることの違和感、または思考停止を感じてしまいます。
今からでも遅くないので、この2年間の感染症対策の分析結果からパンデミックのときに困ることになる業種を洗い出して、必要な協力とそれに対する支援策を検討すべきだと思います。
一般質問をするにあたって、質問項目に関して当局と議論を交わしています。今回、和歌山県経済の現状を理解して、そこから脱却するための施策について考えるため県当局と議論を交わしています。和歌山県経済の根本、本質を理解して政策を考えないことには、誤った政策、効果のない政策になってしまいます。今取り組んでいる地域経済を求める施策が真の効果を生みだすものか考えています。もっとアジアに視野を拡大すればアジアの中の和歌山県の価値は高められると考えているので、県内経済の施策を考えている部署と議論を行っています。
言葉や形に表れないこともありますが、議論をすることで理解と改善意欲を高め合えていることを感じます。明日も継続して議論を交わします。