活動報告・レポート
2022年2月16日(水)
障害福祉
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障害福祉

和歌山県庁において障害福祉の勉強会を行いました。大学2回生の笠間君が来庁してくれたので「和歌山県の障害福祉の取り組み」について学習しました。先週、笠間君と一緒に障がい者グループホームを訪ねて現地実習を行ったのですが、今回は障害福祉の歴史と県の取り組みと課題などを学習しました。

障害の認定においては法的根拠が必要です。身体障がい者は「身体障害者福祉法」において定義されていますし、精神障がい者は「精神保健福祉法」において定義されています。

ただ知的障がい者は「法令上の定義はない」ため、国のガイドラインに基づいて地方自治体が実施要項を定めて療育手帳の交付を行っている現状です。

説明を終えた後に自由懇談の時間をとりましたが、以下が僕から伝えたことです。

障害福祉

児童養護施設に行くと分かることですが、一人ひとり症状が全て違いますから、医療的ケアが必要な場合は個別の医療的ケアが求められます。一人の子どもに寄り添って支援計画を立てることになります。この場合、先生、医師、看護師、県福祉保健部、教育委員会などが支援計画を検討しています。一人の医療的ケア児のために多くの人と時間をつけて支援体制を整えているのです。

先週も医療的ケアが必要な生徒に対して、学校で医療的ケアの支援をすることが決定しました。それまでに現状把握と支援体制の検討、担当する先生の医療的ケア実習などを経て、約半年かけて実現したのです。もしこの個別のケアを数字にすると、一人である施策の成果を押し上げる数字は0.1などの数字になります。統計で捉えてしまうと「県は何もしていないのではないか」ということになります。

しかしたった0.1パーセントの数字を押し上げるために多くの人と時間、寄り添う期間がそこにはあるのです。ですから障害福祉の分野は、結果として現れる数字や統計では評価できないと考えています。接する人たちの心と寄り添う気持ちが数字の中に込められていることが尊いのです。

統計は傾向を測るために重要なものですが、大学生は現場を知り、関係者や保護者と会って話を聞いて、そして支援学校やグループホームを見る必要があり、決して数字だけで評価できるものではないことを知ってください。

障害福祉

3回生になったとき「障害福祉」に関心があると聞いているので、ゼミや授業などで調べて発表する機会があると思います。統計で全体の傾向を伝えることは大事ですが、数字だけではなく保護者の思いや支援学校で起きていること。そして「福祉行政は何をしているか分からない」と思うのではなく、日々、支援するために必要な施策を考えてそれを実行するための定義づけや予算づけなどをしていることを覚えておいてください。

福祉行政を進めるためにはその仕事の裏付けが必要となります。法律や条例、最低でも規則や内規などのルールがあることが仕事の前提です。なければルールを作る必要があります。これまで福祉行政に携わった多くの人たちの地道な取り組みの結果が積み重なって、現在の障害福祉の取り組みになっているのです。

まだまだ完全な姿にはなっていないと思いますが、積み上げてきたものが現在の障害福祉の取り組みですから、過去から今までの中で現在が最高の支援をしていることになっていると考えています。

0.1パーセントを動かすためには多くの関係者がいることや予算が必要なこと。そして民間企業の理解と参画があって障害福祉は成り立っているのです。

今回の勉強会を機会として、周囲の学生にも呼び掛けてもらって「知る」「現場に行く」「考える」そして「行動に移す」ことを検討してください。

以上のことを伝えて「障害福祉」の勉強会を終えました。来週は笠間君と共に支援学校を訪問する予定です。