活動報告・レポート
2022年2月11日(祝・金)
観光事業者との懇談

和歌山市で観光の仕事をしている方から話を聞かせてもらいました。それは観光事業者から見た和歌山城の桜の話ですが、和歌山市に問い合わせた結果に関する話です。

「和歌山城に一番人が訪れる時期はいつですか」

「春の季節が一番多いですね」

「桜の季節だからですね。和歌山城の桜の木は何本ぐらいありますか」

「約500本です」

「お城は桜の名所ですから市民の方々に楽しんでもらっていると思います。もっと楽しめるように植樹をしたら如何でしょうか」

「植樹するだけの予算がないので計画はありません」

「和歌山城の桜の木は老木が多くなっているように思います。このままでは桜の木が減っていきますよ。今から対策をしておかなければ名所ではなくなりますよ」

「予算がないので植樹することも維持することもできません」

要約していますが、以上のような話が交わされたようです。

観光事業者は「和歌山城にお客さんに来てもらいたいと思う意識と戦略がありません。老木が多ければ今から植樹していく必要があります。それよりも、春の季節に最も多くのお客さんがお城に来てくれるのだから、現在500本ある桜の木を維持するのではなくて、もっと植樹をして市民の方や観光客に楽しんでもらおうとする発想がないのでしょうか。将来1000本の桜の木を咲かせることで、和歌山城が関西で一番の桜の名所として関西、全国に発信していきたい。そうすることで今以上に桜を楽しんでもらえますし、観光客も増えることにつながります。こんな将来を考えた取り組みを和歌山市にして欲しいのです」ということです。

現在から先を見る。これが仕事のあり方です。現状維持が精いっぱいなのは情けないことで、将来の発展を目指した目標を定めて仕事をする必要があります。和歌山城の桜の木が老木なのは分かっているので、今から植樹をしていかないと、やがて桜の名所ではなくなってしまいます。

先を見据えた仕事を期待していますし、「予算がない」で仕事を終えてしまうなら担当はいりません。

もう一つの観光地として欠けていることは「和歌山市には写真撮影のスポットが少ないです。むしろ『ありません』と言いたいほどです。プロとして写真撮影をしたいと思うところは、和歌浦、雑賀崎、そして加太の夕日だけです。山の撮影ポイントがないこと、街中にも魅力的な場所が見当たらないのです。そうしたプロの意見を参考にして欲しいと思いますし、なければ作ればよいのですから難しいことではありません。観光行政に携わっている人は、それを作ろうとしていない姿勢に思います」ということです。

これも参考になる意見です。写真撮影をしたいと思う場所がないことは人を招くうえでの大きな欠点です。只でさえ「インスタ映え」が言われて久しいので、写真撮影をして映える場所を作る必要があったのです。気づけていないのか、意識が低いのか、それとも予算がないのか分かりませんが、和歌山市を観光地として発信するためには必要な視点だと思います。

今ないものは作ればよいだけですし、それが20年、30年先に成果が出る事業でも今から実行すべきことです。桜を植樹して大きく成長して名所として認知されるまでには年月を要しますが、今やらなければ何年経ってもできないことです。将来に意識を向ける。予算を確保するために説得できるだけの資料を作るなど、やろうと思えばやれることがあります。

和歌山市を観光地として認知してもらうための施策を考えるだけでも楽しいことですから、観光行政として考えて欲しいことです。