活動報告・レポート
2022年2月7日（月）
IR対策特別委員会
和歌山県議会「IR対策特別委員会」が開催され、本日、示された新しい和歌山県IR事業計画の審議を行いました。前回までは資金計画が不透明であることから、出資者や融資元の明確化と出資額などの根拠を示すことを求めていました。令和4年1月31日までに資料を整えて提案することになっていたので、本日の特別委員会の開催となりました。
資金計画では、約4,700億円の事業資金のうち、30パーセントに当たる約1,450億円は事業者のクレアベストグループが出資し、残り70パーセントの約3,250億円はスイスが本部の金融機関であるクレディ・スイスが主幹事行となり調達する案が示されました。
出資内訳は、クレアベスト・ニーム・ベンチャーズとクレアベストグループがそれぞれ27.5パーセント。シーザーズ・エンターテイメントが5パーセント。少数株主が40パーセントになっています。中核株主は「LOI」を提出していることが証拠となります。
借入金額は約3,300億円でクレディ・スイスから借り入れる予定です。この件はハイリー・コンフィデント（highly confident）・レターの提出を受けていると回答がありました。
結果として資金計画を明確に示すだけの根拠が示されなかったことから、特別委員会として条件つきで県民の皆さんへのパブリックコメントと住民説明会、公聴会を実施することに同意しました。特別委員会としては「和歌山県から示された資金計画に不透明感があるため事業計画に同意したものではない。しかし県民の皆さんの意見を聞く機会が必要なためパブリックコメントを止めることは本意ではないので、実施することは了承する」旨のコメントをつけて特別委員会を終えました。
パブリックコメントは令和4年2月9日から一か月間となります。その後、住民説明会や公聴会を開催して皆さんの意見を聞かせてもらいます。その結果を事業計画に反映させて県議会に提案することになります。もちろん、地元、和歌山市議会と公安委員会の審議を経てからになるのは当然のことです。
特別委員会での僕の質問は次の通りです。
1.拝見した資料と提出された資料を比較すると大事なことが抜けています。クレディ・スイスから提出されているハイリー・コンフィデント（highly confident）・レターと、中核株主から提出されているLOIのことです。まずLOIに関して和歌山県は法的拘束力がないからと言って企業から提出を受けても信用していないと思います。ですからLOIの提出が必要ではないですか。またハイリー・コンフィデント・レターではなくて国に対してはコミットメントレターの提出が必要ではないですか。どちらも裏付ける資料としては弱いと思いますから、委員会に提出している資料はそれを隠したものになっているのではないですか。
2.根拠となる書類としてハイリー・コンフィデント・レターでも良いと答えてくれましたが、ではこのレターはどのような性質のものですか。融資を確約することについて有効性はあるのですか。
3.LOI、つまり基本合意書は法的拘束力がないものですが、根拠づけの書類として問題はないのですか。
4.クレディ・スイスのような金看板があれば、日本の銀行は乗りやすいと思います。特に地元の紀陽銀行の融資は受けるべきではないでしょうか。地元銀行が融資しなければ、活用しなければ、地元経済は潤わないと思います。地元が参加しないと何のための和歌山県IRなのかわからなくなります。
5.地元銀行の融資の依頼を和歌山県としてクレアベストに紹介すべきではないですか。
6.都市銀行、都市銀行と言っていますが、都市銀行が単体で融資しないと思います。紀陽銀行を主体としてみずほ銀行に協調融資の依頼をしてはどうですか。
7.和歌山県はみずほ銀行を訪問していますが、結局のところ和歌山県IR事業への融資の話はどうなっていますか。
8.国に申請するにあたっては邦銀からの融資は必要だと思いますが、国への申請条件にはありませんか。ないとしても参画してもらうべきだと思いますが如何でしょうか。
9.和歌山県はソフトバンクを訪問していましたが、同社は和歌山県IR事業に出資または参画するのですか。
10.クレディ・スイスが資金調達を主幹事行として参画するのであれば、ソフトバンクは参加しないのではないでしょうか。ソフトバンクが情報分野で参加している事業計画のように思うのですが、参加しなければ事業計画は成り立たないのではないですか。
11.代表取締役マリオ・ホー氏とエディ・ウー氏からのレターが郵送されたので受け取っています。資金調達や事業計画に関して、直接、二人の取締役と話をしたいときは、直接つなげてくれるのですか。
僕の質問項目は以上です。本日の特別委員会は、午前10時に開会してから午後5時まで時間を要しました。