活動報告・レポート
2022年1月29日(土)
ヤングライフセミナー
ヤングライフセミナー

ヤングライフセミナーにお招きをいただき講師を務めました。本来であれば会場に参加者が来てもらっての開催でしたが、和歌山県が国に対して「まん延防止等重点措置」の要請をしたことから、リモート出席も併用しての開催となりました。そのため、会場で受講してくれた人とリモート参加の併用型の形式で講師をさせてもらいました。セミナーで説明したのは県内の出来事と私達との関係性などで、その概要は次の通りです。

ヤングライフセミナー

まずエネオス和歌山石油精製工場が撤退することに関してのことです。この背景には「エネルギー供給構造高度化法」の改正があります。2010年に施行されたものですが、ここでは将来の石油の供給過剰が見込まれることから、その受給ギャップの解消と統合運営による設備最適化の要請がありました。石油会社などはこの法律の改正に基づいて、設備の統廃合か設備投資の判断が求められていました。

国の予想した通り地球温暖化の問題から石油需要が減少し、世界が再生可能エネルギーにシフトしていったため、一段と石油需要は減少していきました。そのため生産性の良くない石油精製工場を維持することは厳しくなっていったと思います。今回「2023年10月に撤退すること」の経営判断の背景にはこのような経緯があったわけです。

当然、和歌山県は背景を知っていたのですが、つなぎとめる施策がなく今回の撤退に至ったものと思われます。

国内経済や地球環境問題への取り組みによって、今後、石油の需要が増えないことから、このまま工場を維持することは困難なので、時代に即した形に変えていく協議の場を整えることがこの問題に直面している県政の役割だと思います。

この和歌山工場撤退は地域経済と雇用への影響が大きく、今から経営方針を変更してまでの存続は困難ですから、2023年の撤退後の跡地利用と地域の雇用を維持する方策を検討する必要があります。地元にとって企業や工場が撤退することは大きな問題なので、土地所有者である企業と今後の取り組みを協議することが課題です。

繰り返しますが、今後のあり方について協議する環境を整えることが県政の役割だと思います。

皆さんもこの問題は新聞報道で読んだと思いますが、物事が表面化する前、そして表面化した後の対応を行うことが県政であり、今回のような大型案件は私達の生活や仕事にも影響を及ぼすことを知ってもらって、県政に関心をもってもらいたいのです。

同様の視点から、皆さんに知って欲しい和歌山県政の大型案件を紹介します。

串本町で建設が進められている、スペースワンによるロケット発射場の完成と年内の打ち上げ予定があることです。これも地域経済や観光振興に大きく寄与するものです。

続いて賛否はありますが統合型リゾート、つまりIRについても和歌山県が和歌山マリーナシティを候補地として検討していますが、この計画も将来の和歌山県に影響を与えることになります。これらの計画の動きと良い面、悪い面を知ってもらって、若い皆さんに県政を考える契機にして欲しいのです。

また地球環境問題を考えるとき再生可能エネルギーの導入は不可欠ですが、残念ながら、現在の太陽光や風力の利用だけでは国内で必要なエネルギーとして不足しています。そこで洋上風力発電を国が推進しています。

イギリスでは洋上風力発電を利用してエネルギーを得ているのですが、国内需要の約40パーセントを賄えているとも聞いています。そして「日本も四方を海に囲まれているので洋上風力発電の適地性があります」と聞き及んでいます。

ところが関西の中に適地は少なく、和歌山県は候補となる海域を有していますから、地球温暖化への対応と大型の再生可能エネルギーの導入による国のエネルギー安全保障のため、そして地域経済と雇用を生み出すための施策となるものなので、この問題に関しても皆さんに建設の要否を考えて欲しいと思います。

ヤングライフセミナー

県政の取り組みの中で、これらの施策は私達の生活や仕事に影響を与えるものなので、是非とも関心を持って欲しいと思いますし、若い皆さんの意見を聞かせてもらいたいのです。県政は皆さんの声を聞くことと、取捨選択がありますが出された意見を政策に反映することが基本です。

今日の講義が皆さんの今後につながることを期待しています。ありがとうございます。

その他
  • 谷口通商本社を訪ねて、谷口社長と懇談しました。運送業界のことや人材育成と人を大切にすることなどを話し合いました。経営の基本に人を大事にする企業であることがあります。そんな思いやりを感じた社長との懇談でした。
  • コロナ禍での企業誘致に関しての対応を確認しました。感染症が収まらない限り入国ができないため計画が遅れます。国の問題の為やれることは限られているので、事態を見守りながらできることを進めています。