活動報告・レポート
2022年1月16日(日)
これから起きること

ジャーナリストの長谷川幸洋さんの講演を聞く機会がありました。「これから起きること」について話を聞きました。

1.ウクライナ情勢について

ウクライナ情勢が緊迫しています。ロシアがウクライナに侵攻するのか否か。侵攻するとすればいつ頃になるのかです。友好国で開催される北京オリンピック会期中はロシアの侵攻はないと思います。しかし閉会式の2月20日がXデーになると思います。ロシアがウクライナに侵攻したときのアメリカですが、既にバイデン大統領は「アメリカは支援しない」ことを明言しています。

国情からアフガニスタンから撤退した同じ年にウクライナに参戦することができないのは理解できますが余りにも早い判断です。これでロシアはアメリカの脅威がなくなったので侵攻することができるからです。

ここでの問題は中国の動きです。ロシアがウクライナに侵攻するタイミングが台湾侵攻の最大のチャンスとなるからです。アメリカが動かなければ中国は台湾に侵攻する可能性があります。

またアメリカは台湾で人民解放軍と戦った場合のシミュレーションを何度も繰り返しているそうです。その結果、どの状況に展開しても「負ける」という結果が出ているとのことです。「負ける」戦いをすることはありませんから、アメリカは参戦することなく台湾が侵攻されることになります。

参考までに中国と台湾の距離は約170km、ハワイから台湾までの距離が約8,000kmなので移動時間も後方支援部隊の配備も決定的に違います。これこそアメリカが「勝てない」原因なのです。「沖縄に米軍基地があるのではないか」との質問に対しては「意思決定はワシントンで、負けると結論付けている戦いはしない」と判断することになりますと答えます。

では日本はどうかというと同盟国が動かない限り、単独で台湾を守る行動にはでないと思います。では台湾はどうするのか。中国にハイテク技術を渡さないために焦土作戦を取ると思います。特に半導体は重要なのでTSMC工場は自ら破壊して技術を守ると思います。

このような事態下を想定できるほど台湾情勢も緊張しているのですが、日本人は世界情勢を理解していないようです。

さて台湾が中国に占領されることになれば日本海域のシーレーンを支配されることになるので、わが国は海を防衛できなくなります。台湾から日本にかけてのシーレーンはわが国防衛のための命綱なのです。今年、中国の台湾侵攻がないとしても10年以内にはあり得ることだと明言しておきます。

2.景気について

わが国の景気はよくありませんし、今年以降は景気後退局面に入ると思います。その理由は次の通りです。

  • 感染症が収まらないこと。
  • 賃金があがっていないこと。20年以上所得があがっていないので韓国にも劣っていますし、アメリカの平均所得とは大きく引き離されています。
  • 円安が続いていること。この円安に関しては、台湾問題によって、今後、日米同盟が維持できないことも織り込まれているようにも感じます。歴史的に見ると、日米同盟を軽視している内閣の寿命は短いのです。

以上のことが原因となり景気が停滞しているのです。

もし中国の台湾侵攻が現実のものになれば円は暴落します。そのときは不景気が加速することになり経済危機も考えられます。もちろん中国通貨を国際金融の決済から外すことになりますが、東側諸国の出方によってどれだけ効果があるか分かりません。

このように国内経済は世界経済、そして外交と連動しているので、日本単独で成り立たないことも認識しておくことが必要です。