活動報告・レポート
2022年1月10日(祝・月)
ラ・ママ実験劇場

2022年「ラ・ママ実験劇場」が60周年を迎えることを知らせてくれました。60周年を記念して記念公演と劇場本館のリニューアルを予定していることも伝えてくれました。

またニューヨークの現状に関しては「オミクロンが猛威をふるっていて感染者数がピークアウトしてないことから、1月の全公演を中止しました」と報告してくれました。感染症は文化、芸術も後退させる動きになっています。このままでは記念公演の判断も難しいと思いますし、リニューアルにも影響が及びそうです。60周年の節目の年に感染症の壁が立ち塞がります。

ただ一つ感染症の影響下での良いことを挙げるとすれば「和歌山市にいても直ちにニューヨークとつながる(時差は解決できませんが)」ことです。SNSを活用すれば昨年に和歌山市に来てくれたことと今年の夏のことに関して直ちにコミュニケーションを取ることができるのです。

尤も、一度は会ったことがある人であることが、コミュニケーションを図るために必要なことであるのは言うまでもありません。一度も会ったことのない人同士でのSNSのコミュニケーションは無理がありますから、この場合は共通の友人などの仲介が必要となります。

今回、「文化レベル」に対する意見を寄せてもらったことから、和歌山市と「ラ・ママ実験劇場」の連携の話は展開して行っていますし、NYCにある劇場を訪れたことを思い出すことができています。

発信に対する反応をいただくことで話は展開していきますから、社会問題や地域の話題などに関心を示すことが大事なことだと再認識しています。反応がない話題にそれ以上、進むことはしないので、関心を示してくれることが極めて大事なことだと感じています。

繰り返しますが活動報告に書いた「文化レベル」への反応がなければ、今回「ラ・ママ実験劇場」に連絡を取っていなかったかもしれませんし、今夏に向けた協議も、劇場が60周年を迎えていることも知らなかったと思います。人が関心を示してくれる反応とは、化学反応のようなものです。一つの言葉や行動が次々に連鎖していくものです。どんなことでも、小さなことでも関心を持つことが化学反応を呼び起こし、社会を動かすことになるものだと感じています。

ところで日本で「ラ・ママ実験劇場」と連携した実績を調べたところ、玉川大学が文化庁委託事業「平成27年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環として「ラ・ママ実験劇場」招聘プロジェクト「La MaMa Cantata」 (ラ・ママ・カンタータ)を上演していたことを知りました。これは「ラ・ママ実験劇場」のスタッフとキャストが来日してレクチャー、ワークショップ、そしてリハーサルを実施した後、最後はステージで、ラ・ママのキャストメンバーと共に大学外から公募したメンバーやパフォーミング・アーツ学科の学生たちが共演するという夢の試みだったようです。

実施結果を見つけて読みましたが、大学にも出演者にも多くの成果が伝えられています。まさに夢のような企画だったことが分かりました。現代社会ですから、このように一度つながると後々の連携につながっていくことも期待できるので、実施した成果は無限のものになります。

玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科の太宰久夫教授は次のように語っています。

「ラ・ママ」との固いつながりができましたから、今後は「ラ・ママ」とは2年に1回くらいで定期的に上演したいと考えています。生涯を綴る映像に流した日本語訳の歌詞に、「どんな時でも信じて進め!止まるな!続け!自分がなすべきことを……」とありましたが、パフォーミング・アーツ学科では公共施設や世田谷パブリックシアターとの連携による新進芸術家の育成など、次世代の育成の点で社会貢献を続けたいと考えています。

このように過去の実績がありますから、感染症の時期を除外すれば同様の連携は可能だということになります。玉川大学がこの企画を「夢の試み」と表現しているのですから、大学や芸術関係者にとって夢のような企画だったと思います。

今後、この企画が和歌山城ホールで実現できるなら、和歌山市の文化レベルをさらに向上させるきっかけになるかもしれません。