活動報告・レポート
2021年12月31日(金)
大晦日
大晦日

令和3年、2021年はとても冷たい風が吹く大晦日となりました。寒さが厳しいとき、防災用のブランケットが役立つと思い地域防災に取り組んでいる団体の長を訪ねました。

Tさんは地域防災に長年取り組んでいる方で、令和4年1月に地域防災の講演会の講師を務めることになっています。そのためこれまでの防災で実践していることや講演会の話の流れなどを聞かせてもらって意見交換を行いました。ここの特長は、地域内の災害要支援者を全て掴んでいることです。さらに災害要支援者を助ける役割の人も特定しているので、災害発生時の情報漏れがなく、一緒に逃げる体制を整えているのです。このしくみを確立している和歌山市内の地域は他に知りません。好事例ですが、個人情報保護法の問題とお互いの信頼関係が必要なので、簡単に水平展開できるものではありませんが、地域防災の取り組みの参考になると思います。

津波に対する心構え

何十年もかけて築いてきた地域力が、防災力になっていることを感じる話を聞かせてもらいました。話の中で、講演会において説明する話のひとつを教えてもらいました。それはこの地域で共有している津波に対する心構えです。

「100回逃げて、100回来なくても、101回必ず逃げて」の教えです。これは「せんだい泉FM」の阿部さんの教訓だと聞きましたが、この地域の共通認識としています。100回何もなくても101回目に津波が到来するかもしれませんから、地震が発生した場合は逃げることを心掛けたいものです。

同じく地域防災活動を行っているXさんを訪ねました。ここでは水管橋崩落事故について話を聞かせてもらいました。厚生労働省から出されているマニュアルでは水管橋を支えているワイヤーも点検項目になっているようです。和歌山市の事故はこのワイヤーの点検がなされていなかったと思います。またワイヤーへの塗装の耐用年数は29年だそうです。この水管橋の再塗装はちょうど令和3年度だったようで「問題はなかった」と処理されていると聞きました。

しかし耐用年数の29年は机上で計算した「時間管理」に基づく指針であり、現場での痛みや腐食の具合に応じて再塗装が必要だと思います。

つまり現場のものは常に「状態管理」をする必要があるのです。「時間管理の範囲内だから問題はない」とするのではなくて、「状態管理をすべきだった」と考えるのが妥当です。それは今回の六十谷の水管橋は海からの潮風が吹く地点であり、六十谷橋には「たくさんの鳥がとまっている光景がある」と地元や市役所の見解から分かっているので、「鳥の糞による腐食が進行しているかもしれない」と考えて現場点検をすべき場所だったのです。

しかもワイヤーの接続部は受け皿のような器具が取り付けられているので水が溜まる構造になっていて、そこに鳥の糞か溜まっていたとすれば根腐食が進行していたことも「あり得る」という意見を聞かせてもらいました。

ワイヤーの塗装の劣化は、どの地域でも同じ状態で進行することはありません。海が近い場所、海から遠い場所によって腐食具合は違いますし、自然環境や鳥の生態系などによっても違ってくるのですから「状態管理」の管理をすべきだったとなります。

このように危機管理がなっていなかったことが原因の一つです。もうひとつが紀の川北部に浄水場がないことが分かって設置計画も描きながら先送りしていたことです。六十谷に日本製鉄向けの工業用水の浄水場がありますが、ここを水道水用に変えることも検討課題になっています。危機管理の考え方を持っているのであれば直ちに検討を始めるべきです。予算がないことや今直ぐ出来ないと言うことなく、水道の危機管理、市民の生活水、飲料水の安全のために必要なことと考えることが責任ある考えであり対処方法です。

詳しくは和歌山市議会でも議論されると思いますし、県政でも議論したいと考えているので詳しいことは後日記載することにします。

風が冷たくて寒さ厳しい大晦日でしたが、迎えて懇談してくれた皆さんに感謝しています。

令和3年が良い一年だったことに感謝して、令和4年が希望のある年にすることを皆さんに伝えて年末の挨拶と報告といたします。皆さん、良いお年をお迎えください。

リモート会議

企業誘致に関するリモート会議を行いました。令和4年1月に実施すべきことを協議して会議を終えました。来春は動きを感じられることになりますから期待の一年になりそうです。地域経済振興のための民間投資とそれによる雇用を見込むこと、新産業の創造と人材の育成そして「RE100」の導入など、和歌山県としてやるべきことがたくさんある令和4年です。一年を三か月ごとの4つの期間に区切って進捗を確認しながら、やるべきことを実行し計画を進めたいと考えています。