今冬の電力コストの見通しを説明してもらいました。天然ガスの価格が原油を上回っているため電力コストが高騰しています。国内の電源の主力はLNG火力発電なので、燃料価格の高騰は電力コストを直撃しています。既に電力取引市場では価格が高騰していることから、電力会社のお客さんとの契約単価によっては、逆ザヤが発生している場合もあるということです。電力自由化によって電力単価が下がっていましたが、早くもわが国の電力システム改革の脆さが顕在化してきました。
ひとつは電源を持たない新電力事業者の参入を容易にしたことです。電源を持たない電力事業者は電力市場から必要な電気を調達してお客さんに売ることになります。こう伝えると電力を供給しているように見えますが、実際は市場で購入してお客さんに販売することを、パソコン画面上で数字を管理していることになります。
自ら発電していない、つまり自ら生産していないものを販売しているだけなので、自社製品がない会社であり供給は不安定になります。そのため価格は市場価格に応じて決めることになるので価格支配力はありません。安定供給の観点からは不安定になっています。
電力市場価格が高騰していることから、新電力会社が利益を得るためには値上げすることになると予想できます。
もう一つは再生可能エネルギーを導入するために電気料金に上乗せしていることです。電気料金に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」この再エネ賦課金が加算されています。
この再エネ賦課金が上昇を続けていることから利用者の負担が増えています。数字で見ると明らかになります。この制度が導入された2012年度は0.22円/kWhでした。しかし2021年度は3.36円/kWhに上昇しています。
今年の場合、使用料に3.36円を乗じた金額が電気料金として支払っていることになります。電気料金の明細を見ていなければ気づきにくいのですが、自分が使った電力量に3.36円を乗じた金額を負担していることになっています。月額で計算してみると負担額が大きいことが分かります。
例えば月間300kWhの電気を使った場合、再エネ賦課金は1,008円となり、年間では12,096円の負担額となります。結構な負担額になっているのですが、明細を見ていなければ分かりにくいと思います。
燃料価格の高騰によって電力料金が高くなっていることに加え、再エネ賦課金があることから、わが国のエネルギーコストは高くなっていることに注意したいと思います。国力を維持するためには自前のエネルギーを増やすこと、価格を安価にすることと価格を安定させることが必要です。エネルギー確保は国力の維持であり国策ですから、不安定な状態にさせていることは誤りです。エネルギーや食糧の自給率を高めることの必要性は誰でも理解していますが、調達も価格も不安定な状態に置かれています。
原油や天然ガスの価格が上昇することや食糧の輸入が減少することになれば、わが国は忽ち、混乱することになります。異常気象による干ばつや洪水による食糧難や、産油国の化石燃料の減産などによって価格が上昇していくことやインフレ懸念を軽く見ないことです。今まで以上に現在と将来を見据えた政策が求められています。
エネルギー問題を考えることは日本の将来や、私達の将来の生活の安定を考えることです。
経済力、エネルギー、外交、防衛は国力を維持するために私達が考えるべきテーマですから、時には話をすることも大事だと思います。
- 新しい年に希望を持って転職した友人と懇談しました。その挑戦に至る話を聞かせてもらい、その心意気を応援しています。
- 来年に向けた活動のための会議を行いました。意識は2022年に向かっています。
- 市議会議員に初めて出馬したときの戦友、県議会議員に挑戦したときの戦友と懇親の機会を持ちました。懇談は約6時間、昔話とこれからの話で盛り上がりました。「市議会に初挑戦の時はご苦労をかけました」と話すと「あれがあったから多くの人と知り合えたしご縁ができて、今につながっています。あれがあったから楽しい毎日があったと思っています。手帳のスケジュールがいっぱいに埋まっていたあの頃は楽しくて懐かしく思います」と話してくれました。いつも「充実した毎日だった」と語ってくれることを嬉しく思います。