活動報告・レポート
2021年12月21日(火)
リーダーへの期待
リーダーへの期待

日本がアジアのリーダーになるために必要なことを話し合いました。中国や韓国には平均所得で劣後していますし、デジタル技術の分野においても後れを取っています。この事実を事実として認めたうえで対応していく必要があります。

デジタル技術と将来必要なエネルギーをどう確保するのか。そのための人材育成と確保、そしてハイテク産業で日本が世界と競争できることを目指すことなど話し合ったものです。

失われた30年と言いますが、この30年で世界のデジタル技術は進歩しているにも関わらず、日本はエアポケットに入ってしまったかのような感じがあります。世界はおろかアジアの国々に後れを取っている現実がそれを証明しています。スマートフォンや半導体、衛星携帯の開発を始めとするデジタル技術の研究開発に日本の優位性はないようです。

技術のなさは人材育成をしていないからであり、そこにデジタル社会に備えたエネルギーも必要ですが、現時点においてはどちらもが欠如しているのです。アメリカや中国と比較してデジタル分野の研究費が少ないことや技術者の育成面でも出遅れているのは人材が不足しているからだと思います。

アメリカや中国、韓国でも先進企業は世界を駆け巡っています。技術の融合もデジタル技術者も世界中から集めています。デジタル分野の開発のために必要な資源の調達は国内に留まっていないので、企業の規模と資金力、そして国の支援によって差が顕著に出て来ているのです。日本がデジタル先進国に追い付くためには、これらの分野の競争力を高めるため国の支援と、資金力が求められているのです。しかし日本には世界に匹敵するような投資グループが少ないので思い切った研究開発ができていないように感じます。

そして将来、必要となるエネルギーの確保も見通せていない現状があります。2050年のカーボンゼロに必要であり産業界やデジタル社会が求める必要な再生可能エネルギーをどのように生み出すのかなどの課題解決の手段は全く見えていません。むしろ大規模な再生可能エネルギーの開発は候補地がないことや行政、事業者と地元などとの協議が進まないので停滞しているような状況です。

現在は、国内をまとめ上げるリーダーと、外国と対等に交渉ができるリーダーの登場を待っているようなところでしょうか。全員一致に近い施策を早急に進めることはもちろんのこと、例えば6割が賛成、4割が反対であっても将来の国益に資する施策であれば決断力で突破するぐらいのリーダーが求められています。もちろん数の力で強行突破するのではなく、丁寧な説明と議論を交わしたうえで判断し、決断することを指すのは言うまでもないことです。

訪問した会社の経営者と約1時間にわたり、これらのことを話し合いました。実に楽しい議論の時間でした。

O会長との会議

米国など世界の国々とビジネスを行っている経営者の方から「中国とのビジネスは難しい」と話がありました。それは自由主義国と社会構造が異なることや、いきなり法律が変わることがあり、対応できないことが挙げられます。もちろん支店を出しているのですが「支店の情報だけでは社会の変化が分からないし国家の方針も分からないので、変化に対応できないばかりか将来の収益モデルにつなげる戦略も立てられないのです」ということです。

そこで会長と僕の持っている情報やビジネスの展開方法を話し合い、結論は出ないまでも方向性を見出すことにしました。最新の法律と社会のしくみを理解したうえで、最低限2025年までを見通して戦略を立てることにしました。現在から4年後までを見通すことで戦略を講じることができます。もちろん将来の見通しは現時点で正確でなければ戦略は間違いますから、僕が説明したことの裏づけを取っていただき、見通しの確からしさを信用してくれることが前提となります。信頼関係が築けなければここからの発展性はないからです。

会議の内容はここでは触れませんが、大きな課題をクリアしていくための見通しを立てて、協議を続けていくことになりました。会議の途中から笑顔になっていきましたが、そこから信頼関係が生まれたと思います。笑顔で話し合いが出来る会議を心掛けていますが、笑顔のある会議は話が弾みますし信頼関係を誕生させることができます。米国から帰国したばかりの中、時間をいただいたO会長に感謝しています。