活動報告・レポート
2021年12月12日(日)
清掃活動
ブルネイ大使
ブルネイ大使

ブルネイ大使館からカミラ・ハニファ特命全権大使が和歌山県に来てくれています。和歌山市、有田市、白浜町などを訪問して和歌山県の産業や観光について視察をしてくれています。本日は午前9時から自動車修理学校を訪問し、同校の先生と生徒に実習を兼ねて授業内容の紹介をしてもらいました。

ブルネイは人口が約45万人、大半の人が公務員だと聞きます。教育や医療は無料で受けられる他、個人に対する所得税と住民税は非課税となっています。社会保障が充実しているのは石油・天然ガスの輸出、つまり資源産業によって国益を得ているからです。そのため同国のガソリンは1リットル35円程度の水準だということですし、言うまでもなく平均所得は日本よりも高い豊かな国です。

ブルネイ大使

ところで、先生が生徒を教えるために自ら機器を操作して実習を行っている姿を見て驚いていました。理由は「ブルネイでは先生は言葉で教えるだけなので自分で操作することはなく、全ては生徒が動くものです」ということでした。日本の教育は先生がお手本を示すことは当然のことなので文化の違いを感じました。どちらが良いかは意見の分かれるところですが、日本のように先生が教えることで真似から入ることができます。真似ることから学習して自分のやり方を確立していく方法と、ブルネイのように生徒が経験することで覚えていくやり方は自主性や創造性が豊かになりそうです。先生の教え方の驚きから、両国の文化の違いを感じました。

ブルネイ大使

社会の出来事には正解はないことを教えてくれる事例でした。まして世界を舞台にするなら日本のやり方が通用するものではありません。黄金の1980年代の日本であれば経済力で日本流を前面に出せたのですが、現在の日本の経済力では通用しないことを知って対応すべきです。事実、平均所得はブルネイの方が日本よりも高く、決して日本が経済力で優位に立っていることはないからです。

ブルネイ大使と交流できた機会があったことに感謝しています。

清掃活動
清掃活動

障がい者サッカーチームの「ブルーダイヤモンズ和歌山」の森田監督と選手と一緒に清掃活動を行いました。午前10時からは岡公園、午後1時からは和歌山城の清掃を行ったものです。先月、イニエスタ選手のサイン入りユニフォームを持って紀三井寺競技場の練習の応援に行ったことから「このことに対してボランティアで社会に恩返しをしたい」と申し出があり、それなら「岡公園の清掃を一緒にしましょう」という話になりました。

そして提案したことは、「清掃を終えた後に少し時間をいただいて陸奥宗光外務大臣の話をさせてください」ということでした。監督は快く引き受けてくれたので、和歌山城管理事務所に依頼をして清掃用具を準備してもらって清掃を行いました。落ち葉が中心でしたがゴミ袋いっぱい集めることができました。陸奥宗光先生乃像の周辺も和歌山城の岡口門の周辺も、きれいにすることができました。

清掃することは心を磨くことです。特に公共の場所を掃除することはそれに加えて社会貢献につながります。まちがきれいになっていく過程に自分が関われることは嬉しいことだと思います。

清掃活動

監督は「今日、掃除をさせてもらえたのも応援してくれる人がいたからです。掃除といっても管理者がいる場所の掃除は勝手にするわけにはいきません。申請などのお世話をしてくれる人がいるから掃除をさせてもらえたのです。みんなには、お手伝いをしてくれた人への感謝の気持ちを忘れないようにしてください」と訓示をしてくれました。

感謝の気持ちという心掛けがあってサッカーなどのスポーツや、そして文化、社会があります。感謝の気持ちを持つことで行動を起こすことができ、そうして社会の一員になれると思います。

子ども達は公園の清掃を通じて、社会貢献や社会参画の意味を学んでくれたと思います。

清掃を終えた後「陸奥宗光先生乃像」の前に立ち、故郷の偉人の生い立ちの出来事を中心に成し遂げたことの説明がありました。陸奥宗光伯は幼少の頃、勉強をして清掃をして周囲の大人に認められて「この子の将来のために江戸に行かせてあげたい」と思ってもらえるようになり、その後の人生につながりました。周囲から助けてもらうことで勉強や仕事ができる環境に入ることができるので、そこからが自分の勝負になります。勝負するところに立たせてくれるまでには周囲の方の支援が必要なのです。

清掃活動

勝負させてもらえる場に立たせてもらうためには、勉強や頼まれごとを引き受けること、そして社会貢献などが必要となります。サッカーの子ども達が清掃して汗を流した後で故郷の偉人を学べる機会となりました。

監督、選手の皆さん、大変お疲れさまでした。