活動報告・レポート
2021年12月4日(土)
障がい者雇用
障がい者雇用

障がい者雇用を考える経営者が事務所に来てくれました。「和歌山県は果樹栽培が売り物です。片桐さんからみかんの有機栽培の話を聞いて興味を持つようになりました。できるならみかん栽培をやりたいと思っています。そこでは障がい者の皆さんを雇用して、土作りや整地などの仕事をしてもらいたいと考えています。そして栽培にも携わってもらうことでやりがいと出来高に応じて賃金を支払いたいと思います」と話してもらいました。

土を触ることや自然の中での仕事は身体に良いと言われています。特に室内作業を続けることに加えて農業に携わることは、健康面や処遇面でも優位性があるように思います。有機栽培で付加価値を高めた果物の販売は市場に受け入れられることや、会社が有している販売ルートを活用すれば高品質の果物として得ることは可能です。

「是非、和歌山県でやってみたい仕事です。協力をお願いいたします」と農業と障がい者雇用への抱負を伝えてくれました。和歌山県の良いところを話してくれたように、若い経営者の事務所の開設を楽しみにしています。

また重度障がい者の皆さんの新しい仕事が誕生しています。レストランやカフェの注文取りと飲食の提供をロボットが行うしくみです。店のフロアは人ではなくてロボットが担当するのですが、障がい者の方が自宅で遠隔操作をするのです。これであればお店に行く必要はなく、自宅で仕事ができることになります。身体を動かすことがないので重度障がい者の方の仕事の可能性を広げることになります。首都圏では障がい者の方がロボットを操作する飲食店が存在していますから、地方都市でも実現は可能だと思います。通勤やカフェなどで動くことが難しい方のために自宅でできる仕事なので、和歌山県でも実現させたいと思います。

現在、開催中の県議会の一般質問で取り上げる予定の「医療的ケア児」が支援学校などを卒業した後の就労機会が乏しいことを話したところ「レストランで働くロボットの操作を障がい者が自宅でする仕事があります」と紹介してくれたものです。県議会で事例を紹介して将来の実現に向かわせる契機にしたいと考えています。

多くの保護者が「学校を卒業した後のことが不安」だと感じています。作業所の他に働く場所を創り出すことも施策として考えられますから、この事例を基にしてこれまでにない仕事のしくみを提案したいと考えます。

業界の話

コロナ禍において需要が落ち込んでいた業界の話を聞かせてもらいました。

自動車に関しては動きが出ているようですが、オミクロン株の影響によって東南アジアでロックダウンが起きれば、再び、供給が止まるのでまた部材の供給が「厳しくなることが考えられる」という状況だと聞きました。ようやく需要が戻ってきたところでの新規変異株の発生によって、今期の売り上げは目標値に追いつけないと予測しているので「痛い」ということです。

このように部品の供給量が確保できないことで製品の値上げが始まっています。年明けから10パーセント以上の値上げが予定されているものがあり、世界経済に追従するようにわが国もインフレ傾向に向かっています。給与が上がってのインフレならまだ良いのですが、給与があがらない状況でのインフレに陥ると生活は苦しくなります。

もし財政の裏付けのない通貨のバラまきが続くと円安による物価高が加わり、さらにインフレに向かうことも考えられます。また日本が金融緩和を継続させていますが、アメリカは金融引き締めに向かうとも予測されているので、アメリカの利上げ時期にも関心を払うことになります。

さてわが国としては、部材の製造拠点を日本に戻すことも対策として考えられますが、供給コストが上昇するので現実的ではありません。世界の生産工場であるアジアを抜きにして国際経済は考えられませんから、新規変異株の影響がこれ以上世界に拡大しないことを願っています。