活動報告・レポート
2021年10月28日(木)
宗谷岬ウインドファーム
宗谷岬ウインドファーム

稚内市にある宗谷岬ウインドファームを訪ねました。ここには57基の風力発電設備があり、この広大な土地の景色は壮観です。ここに風力発電設備がなければ壮観な景色ではなく、訪れる人も少なかったと思います。まして観光名所になることはなく、稚内市の観光パンフレットに掲載される場所にはならなかったと思います。風力発電設備そのものが観光名所で、写真映えするスポットであり、ゼロカーボンに資している大事な地域の資源になっています。

現地で説明をしてもらったところ、この設備概要は次の通りです。

ファームの総事業費は、約120億円で現在、日本最大の風力発電施設となっています。設備1基あたりの発電能力は1,000kWであり57基で発電しているため、一般家庭の約41,000世帯が消費する電力量に相当しています。発電設備の総出力は57,000kWに及び、これは稚内市の年間消費電力の約60パーセントに相当する発電量になっているので、地元の産業、観光資源であり、カーボンゼロの象徴になるものです。宗谷としては先見性のある立地で、全国に誇れる地域資源になっています。

この光景は、僕が初めて見た風力発電のファームとよく似ています。アメリカのサンフランシスコにあるウインドファームを訪れた時の印象とそっくりなのです。1988年に訪れたのですが、その時、未来のエネルギーを感じこの景色の壮大さは観光資源として活用が図れていると感じました。その場所はウインドファームがあるから訪れたものであり、未来を支えるエネルギー設備を有していることは、サンフランシスコの明るい未来の象徴であるように感じたものです。

宗谷岬ウインドファーム

当時は新エネルギーと呼んでいましたが、新エネルギーは新しい未来を感じさせてくれる役割も果たしていました。宗谷岬ウインドファームの景色は、今でも未来を感じさせてくれるものであり、これだけの基数があれば他にはない観光資源になっていると思うものです。

人を驚かせるものは、新しいものであることとスケールです。風力発電はかつてのように新しさはなくなっていますが、57基のスケールは圧巻ですから他にはないものです。しかもゼロカーボンで再生可能エネルギーに注目が集まっている中、宗谷のこの風力発電はわが国が誇る代表的な設備であり、日本のウインドファームとして世界に紹介されていると思います。それだけで稚内市にとって価値があります。

まだ日本では少なくて新エネルギーのカテゴリーと呼べるものが洋上風力発電だと思います。海上に風力発電設備が並ぶ景色は、1988年に僕がウインドファームを訪れて未来を感じたように、地球環境問題に挑戦しているわが国の未来を感じさせてくれるものになると思います。例えば、ポツンと一基だけの風力設備とは異なるスケール観を感じる景色は地域資源になるものであり、産業振興として、観光地として、そしてゼロカーボンの象徴になり得ると思います。

いつの時代も困難があるとしても、新しいことに挑戦する姿は私達の共感を呼ぶことになります。困難に挑戦する姿を人は応援しますし、挑戦こそ未来を切り開く鍵になるものです。次世代のエネルギーは水素か洋上風力か、太陽熱の集光なのか分かりませんが、新時代に向けての挑戦を応援したいと思います。技術で世界をリードしてきたわが国は、世界が求めていることを技術力を以て実現させなければ、その存在が危うくなります。ゼロカーボンへの挑戦は世界が求めていることであり、世界の公約として実現させなければならないことです。

宗谷岬ウインドファーム

宗谷岬ウインドファームを訪れて、1988年に感じた未来を思い出しましたし、現代においても未来への挑戦が必要であることを感じさせてくれました。しかも当時とは比較にならないぐらいゼロカーボンが求められています。新しいエネルギーの未来の景色を見たいと思います。

稚内市ではこの他に、宗谷岬と白い貝殻の道を訪ねました。最北端の市のエネルギーと観光の取り組みを視察しましたが、地方都市の挑戦がテーマになっていることを感じました。地域資源を基に他にはないものを創り出していることが挑戦だからです。