活動報告・レポート
2021年10月20日(水)
ゼロカーボンとエネルギーセキュリティ
ゼロカーボンとエネルギーセキュリティ

再生可能エネルギー、特に洋上風力発電について協議を行いました。世界はカーボンゼロに向かっているので、大型の再生可能エネルギー導入の必要性は理解しているところです。更に原油や天然ガスの価格高騰によって電力コストが上昇していることも周知の事実です。この電力コストの上昇は産業界の競争力を弱めることになります。安価な電力料金で製品を供給してきた中国ですが、最近の電力料金の価格上昇によって競争力が弱くなりGDPを減速させています。

再生可能エネルギーの導入は必要ですが、わが国の場合はFIT制度によって電力コストの高騰につながるので、これ以上の太陽光発電や風力発電の導入は如何なものかと考えます。それよりも大規模電源であり、発電コストもこれらの発電方法と比較して安価に仕上がる洋上風力発電が優位性を持っています。

更にエネルギーの安定性を図ることは優先課題です。原油や天然ガスは輸入に頼っていますから世界情勢の変化に影響を受けやすいのです。自国でエネルギーを生み出すことはエネルギーを安定させ、国力を維持するために必要なものです。

総括するとゼロカーボンの世界に対応すること。エネルギーコストを安定させること。国産のエネルギーを供給できること。そして豊富なエネルギー利用を可能にすること。これらを同時達成するためには実用可能で大型の再生可能エネルギーである洋上風力の導入が不可欠だと考えています。

但し適地性の検討が必要なので、どの県でも導入が可能というものではありません。和歌山県は適地性があるので導入に優れていると考えています。勿論、立地可能な海域の地元同意は絶対条件であり、計画を歓迎されて初めて実現に向かうものです。地元の理解と協力なくして導入はありませんから、事業者と地方自治体が協調して取り組むことが求められます。

繰り返しますが国産のエネルギーを持つことは国力を左右するものであり、エネルギーを輸入に頼ることや豊富で安価に保つことは国が栄えるための必要条件です。しかもゼロカーボンを目指さなければならないので、国と地方自治体、そして事業者が連携して取り組まなければ導入することは簡単ではありません。

事業者任せでもうまく進みませんから、ゼロカーボンを目指すことは国策であることを理解している地方自治体がリードすべきです。また国内で導入するのであればどの海域でも良いと思いますが、地域バランスを取る必要があります。東北に立地が集中していることや、東北と九州に立地したけれど関東と関西には導入できていないようなアンバランスでは安定供給につながりません。エネルギーの安定供給のためには地域バランスを図ることは必要であり、関西での適地は意外と少ないので、地元理解をいただいたうえで適地性のある海域での導入を進めるべきだと考えています。

これまでわが国の主力電源だった石油火力は廃止に向かっていますし、LNG火力発電も現状よりも減少していくと思います。原子力発電の再稼働はハードルが高いこともあり、「一体、どの電源が主力になっているのだろう」と考えることがあります。豊富で安定している電力は国力維持と産業活動に不可欠なものであり、電源構成や大型の再生可能エネルギーの導入を考えることの回避や先送りすることはできません。

そのため地方自治体が議論する土壌を生み出すことが必要です。エネルギーの議論を避けるようでは導入に向けて進むことはありません。

和歌山県で洋上風力発電の実現を目指して欲しいという声があります。今から導入を目指しても実現するのは10年以上も先のことになりますから、決して早いとは言えません。 ゼロカーボンを目指し国産のエネルギーを生み出すこと、そしてエネルギー輸入のリスクを避けることや供給できる電力量とコストを安定させる観点から、導入可能な県では事業化を促進すべきだと話し合いました。

その他
  • 物流や観光振興のための紀淡海峡ルートの促進や、生活に必要なインフラ整備について説明しました。安全で安心できる生活を基本として将来の発展につながる取り組みを推進したいと考えています。
  • 午後6時に「今から行くから開けておいて」と電話での依頼に対して、「大丈夫です」と即座に対応してくれたYさんに感謝しています。お陰さまで友人達と、今日の反省と明日に向けた話し合いをすることができました。
  • 生活支援に関する相談を受けて対応しています。子どもさんから事情を伺い、現地を確認しながら協議を進めています。