東京在住の経営者から「和歌山市は県庁所在地でしょう。どうしてこのような原始的なことが度々起きるのですか。数年前も水道管の老朽化によって断水騒ぎがありましたが、その時に経年している水道管の調査はしなかったのでしょうか。行政の姿勢として不思議に感じるのです。原始的と言ったのは、老朽化している水道管の調査と改修に対応していなかったからです。インフラを守ることは行政として最低限やるべきことですから、それができていなかったのは行政の意識の低さ、政策の進め方の優先順位が間違っていたからではないですか。県庁所在地らしい市にしてください」と意見がありました。
令和2年、花山交差点での水道管漏水事故がありました。その時も全国ニュースで報道されたことから県外の方々から「和歌山市のインフラはどうなっているのでしょう。県庁所在地として恥ずかしいことですよ」という問い合わせが、当時も多数ありました。
今回も同じような事故が発生したことから、「原始的なこと」という表現になっています。このように同じことを繰り返した姿を見て「原始的」の表現に至っていることは恥ずかしいことだと思います。
当時のこの水道管事故に関して、令和2年2月県議会定例会で一般質問をしています。
令和元年6月に策定した「和歌山県水道ビジョン」において、管路の老朽化が進行していることが認識されています。
「法定耐用年数(40年)を超えた管路は、県内上水道事業で年々増加しており、平成28年では総管路延長5,826kmのうち、867kmに及んでいます。一方、布設替えを行った管路率は過去5年の平均で0.45%であり、このペースで更新すると計算上は全ての管路更新に約220年もかかる」ことが課題として指摘されています。
また、県内の水道施設の耐震化率は、「基幹管路」「浄水施設」「配水池」の全てにおいて全国平均よりも低い水準となっていることが指摘されています。
―中略―
今年、和歌山市内で断水になりかけた事象が発生しましたが、水道施設の老朽化が進んでいる状況において、老朽化している水道施設の更新は急いで方針を掲げ、限られた予算をどう確保していくのかなど対応すべきだと考えます。
この「水道広域化推進プラン」ではどのようことを策定するのですか。環境生活部長の答弁をお願いします。
という問いです。
それに対しての環境生活部長の答弁です。
水道施設の老朽化が進行する一方で、管路の更新率は年々減少しており、特に、本県においては、南海トラフ地震の発生が強く懸念されることから、管路を始めとする水道施設全体を効率的効果的に更新することにより、耐震レベルの早期向上を図ることが喫緊の課題となっています。
そのために、水道事業者である市町村においては、今後必要な施設の更新に要する費用と投資可能額の見通しをたてたうえで、水道事業の収支バランスを図りながら施設の更新を進めていく、中長期的な経営の基本となる「経営戦略」の策定が求められています。
―中略―
今後とも、水道事業者の市町村と十分協議しながら水道ビジョンで描いた和歌山県における水道の将来のあるべき姿である「自然災害に強く、安心で良質な水の安定供給」に向けて取組を進めてまいります。
というものです。
今回、発生した事故から分かることは「自然災害に強く、安心で良質な水の安定供給」になっていないということです。当時の水道管事故を踏まえて実施した老朽化している水道管の点検の方法は正しかったのか。耐用年数が近づいている設備更新の検討と実行はなされているのか、などの疑問を感じます。再度、老朽化した水道管の補修や設備更新の考え方、状況について確かめる必要性があると考えています。