和歌山市北部地域で断水していましたが、本日、午前8時30分から順次、給水が始まりました。但し、最初は濁りがあるため飲料水としての使用は控えて欲しいことのアナウンスがありました。しかし生活用水として使えるようになったことで、多数感謝の声をいただいています。
断水地域の飲食店は「先週の日曜日、営業している時に急に水道水が濁り始めました。これは配管に何かあったと感じたので急いで給水タンクに水を貯めましたが、水が使えなくなったため営業を停止しました。お店のトイレが使えないので営業の継続が困難と判断したからです。それから休業に入っていますが、今朝から水が使えるようになったので、今日から営業を再開しようと思っています」と話してくれました。お店を訪れたのは、一週間のお休みの後の再開の準備をしているところでした。
何箇所か訪問した後の夕刻、向団地を訪れました。そうしたところ「よく来てくれました」と言って話を聞かせてくれました。
「昨日の和歌山市の広報では今朝の8時30分から水道が使えるようになると聞いていたので、今朝は『日常の生活に戻れる』と嬉しくて水栓を捻りました。ところが水は出てきませんし、何時になっても使えませんでした。役員さんに依頼して市役所に使えない理由を聞いてもらったところ『向団地の供給再開は明日の午前6時からになります』と言われました。このことを知ったのは夕方になってからです。今日と思って待っていたので大きなショックを受けました。生活のことなので、和歌山市からはせめて事前に広報してもらいたかったです。一日遅れですが、和歌山市から放置されたような気持ちになりました」と思いを聞かせてくれました。
団地に供給されない理由は現場に行くと分かりました。一階に設置されている貯水タンクに水が供給されていないからです。
この一週間、向団地の皆さんの生活は困難だったことも聞かせてもらいました。この団地は5階建ですがエレベータがないので「高齢者は水を運ぶことはできないのです」ということです。団地内では高齢者の方への飲料水や給水の水の運搬のお手伝いをするなど助け合いをして切り抜けてきました。5階までボトルの水を運ぶのは大変なことです。「時間と共に自分のことだけで精一杯になってしまったので、助け合いのしくみが課題です」と話してくれました。
そして給水車が来てくれることは有り難いことですが「団地の棟によっては給水場所まで遠いので行きは良いとしても、重いボトルを持っての帰り道が大変なのです。高齢者は水の運搬に対応できません。せめて団地の近くまで来て欲しいと思います。でもここまで我慢してきましたから明日まで待ちます」と話してくれました。
この話を聞いて「飲料水の配達のお手伝いは終了しよう」と思っていたのですが、一旦、団地を後にしてから、仲間と共に再び車に水を積み込んで団地に戻りました。配達した量では足りないないと思いますが、困っている皆さんのところに届けることができました。
ここでの課題です。
5階建の団地なのにエレベータが設置されていないこと。現在の基準ではあり得ないことですが、古い基準では合法だったようです。それだけ古い団地ということで高齢者が多く、日常生活においても5階までの歩行が困難になっています。まして断水が発生した今回のような時は、飲料水や生活用水の運搬が困難なのです。エレベータの設置または重い荷物を運べるような機器の設置などが必要です。
そして広報体制の課題もあります。本日午前8時30分からの給水開始の放送を聞いていたのですが、この団地の給水は10月10日、明日の午前8時30分からに延期されています。1日遅れた分の準備ができていないので、早く広報すること、地域毎に広報をすることが必要です。
和歌山市からの広報は準備をするために早く、地域ごとにすることが課題です。
団地の場合、高齢者など支援が必要な人に対する配慮が必要だと言うことです。復旧や広報のため混乱していることは理解しますが、情報が入手できない、給水場所に行くことができない、自分の部屋にボトルの水を運ぶことが出来ないなどの人がいます。団地内の助け合いは必要ですが、団地内の全員が困っている時ですから公助が必要となります。困っているけれど声が届いていない人のことも考えて給水や広報をして欲しいと思います。