午前9時前に水道の断水でお困りの方用の飲料水を受け取りに行きました。ここでは飲料水を3トン、生活用の水を2トン用意して断水で困っている皆さんのところに届ける準備をしています。昨夜、「24時間体制で配布準備をしていますので活用してください」と連絡をいただいたので、今朝、訪問したものです。既にボランティアの皆さんが集まって、飲料水と生活用の水を車に積み込んで出発していました。
ここには大阪、京都、神戸、奈良、滋賀、県内からは紀の川市や田辺市から飲料水が届けられています。午前6時30分から倉庫に水が届き始めボランティアの皆さんで仕分けを行い、配達準備をしています。
昨日、大阪市内まで飲料水の買い出しに出掛けた方は、小売店の方から「水を買い占めないでください」と注意されたので「和歌山市の断水のボランティアのためです」と答えたところ「はい、お願いします」と店員さんが対応してくれたようです。
そんなボランティアの皆さんのご厚意によって3トンもの飲料水が集められたのです。ここに集まって作業をしているのは約50人の方々、そしてそのボランティアの皆さんで困っている高齢者や一人暮らしの方などに配達しているのです。
僕も朝9時に倉庫を訪ねて物資を受け取り、一日かけてボランティアで回りました。昨日に引き続いて障がい者施設、児童養護施設などに届けました。飲料水や生活用の水で困っている方の笑顔に触れることが出来たことを嬉しく思います。ボランティアには大阪市、奈良市、そして岩出市や紀の川市からも参加してくれて「お世話になっている和歌山市の皆さんのために」という思いが伝わってきました。
勿論、ポリタンクなど、現在、必要としている物資も届けることができました。小学校などで給水車によって給水が受けられますが、その場に行くことが出来ない人、子どもや障がい者の方々がいます。また高齢者の中にはポリタンクに給水すると重くて持てない人もいるので、届けなければならない方もいるのです。今回の二日間のボランティアで分かったことは「支援の場に行くことが出来ずに本当に困っている人がいますが、行政に届く声をあげられないので待つ以外にない方がいること」です。そんな方に対しては「そこに行く」以外の方法はないのです。
勿論、届けられているのはごく限られた場所だけですが、それでもそこに届けなければ生活に窮することになってしまうのです。自分が困っていると知り得た場所に届ける行為が大事だと思います。それが一人でも、二人でも良いと思います。誰もボランティアで届けなければ、一人のところでさえ届けることが叶わないのです。
そして午後10時頃、倉庫を訪ねて今日の報告を行い、明日のボランティアの準備のため飲料水を車に積み込みました。疲れているはずの責任者の方々と今日の活動を振り返り話し合いました。「明日の朝の6時30分に関西各地から飲料水が届けられます。私はここに泊まって対応します」と24時間体制のボランティアを行っていることを伝えてくれました。
「一人でも困っている人のところに水が届けられたら良いと思います。一人が一人のところに届けることが大事なことだと思います」と話してくれました。その通りで、一人が一人のところに届けることがやがて全体に届けることにつながるのです。
飲料水を3トン、生活用の水を2トン、ボランティアで集めて配布している人は、昨日と今日で僕が知る限り、他には存在していません。あれこれ意見を言う人は多いけれど、困っている人を支援するために行動をしている人は少ないのです。行動している人は心があること、地域を愛していること、気持ちは同じ立場にいることだと思います。
また事務所に立ち寄ると、大阪市内の方からたくさんの「飲料水」が届けられていました。早速、お礼の言葉と明日から活用させてもらうことを伝えました。心がある行為からは温かいものを感じます。
ご承知のことかと思いますが、昨日、和歌山市から発表がありました。「六十谷水管橋の仮設バイパス管による応急復旧作業を10月6日(水)より開始する見通しが立ちましたのでご報告致します。10月6日(水)より材料の搬入と共に着工し 10月8日(金)中の送水開始を目指します。その後、配水池へ貯水を開始いたしますが、濁り水が発生するおそれがあることから配管内洗浄作業を行いますので、ご理解ご協力よろしくお願いします」。
仮復旧の時期が示されたことで不安感は和らぎましたが、水道が使えない生活が続きます。日常生活の不便さ、社会的に弱い立場の人の生活が厳しい状況にあります。行政に対しては、大変かとは思いますが社会的弱者への支援の心と行動を忘れないようにお願いいたします。
また飲食店や理髪店など仕事に水が必要となる仕事の方々は、断水期間中の休業を余儀なくされたところがあります。営業ができない苦しさを感染症で感じ続け、ようやく脱しようとしているところに断水での休業ですから「精神的にダメージか大きい」「老朽化した水道管の点検をミスした人災ではないですか」「水道は生活に欠かせないモノであり営業に直結するものです。説明が遅れたことで十分に備えることができなかったこともあり、和歌山市は営業補償をしてくれるのでしょうか」などの意見が多数届けられています。
営業補償か断水に伴う費用弁償なのかは分かりませんが、「営業の自由」の権利、つまり人権を侵害されたことから今回の水道管墜落による断水は補償の対象になると考えています。
まずは仮復旧、そして本復旧に向かうことが優先ですから、復旧を終える時期を見計らって、営業補償については提言したいと考えています。