和歌山文化協会茶道部主催の茶花展が開催されました。僕も会場であるアバローム紀の国に行ってきました。午前9時から午後3時まで、たくさんのお客さんに来てもらったので対応するなど、文化の秋を楽しみました。
今回はコロナ禍のため、お茶会は中止して茶花展だけの開催となりましたが、これは初めてのことです。しかし茶花展を待ってくれていた皆さんに来場していただいたことを嬉しく思います。
さて今回茶花展で作品を出展したのですが、会員の方から茶花について話を聞かせてもらいました。
茶花は自宅や茶室にお客さんをお迎えする時のおもてなしのひとつです。そのため華美にならないで質素なほうが良いそうです。自宅の庭に咲いている草花の中からお客さんのイメージや季節感、その日の気持ちなどを勘案して花器にお花を生けることが基本的な考えです。そのため大量に草花を摘むのではなくて、お客さんをお迎えするのに最低限必要な数、二、三本を摘み取って花器に生けます。
しかも形が整っているだとか、枝ぶりがどうだとかは関係なく、草花の姿を生けるのです。ですから草花のくせ、例えば歪んでいても、花が後ろを向いていても生かせるように生けて生命を感じさせることになります。
そのため僕の作品も三本だけお花を使いました。たくさん生けるのではなくて、二、三本が適切だということです。但し流派や考え方の違いもあるようなので、茶花展では生け方の正解を探すことではないことをご了承ください。
さて今の季節感として「夏の名残」を感じさせることも手法の一つです。お客さんが茶花を見て「夏の名残」を感じてくれたなら、おもてなしの気持ちが伝わったことになりますから、お茶のふるまいと共に最大のおもてなしになります。
そのため華やかではなくて質素で控え目。でも生きていることを主張するような作品が良いと思います。自己主張ではなくてお客さんのおもてなしを考えることが基本のようなので、質素でいながら秋の季節を感じる会場になりました。来場してくれた皆さんと会話を交わすと、季節を感じてくれたように思いました。
「良かったよ」「素敵な展示会場ですね」などの意見を聞かせてもらったので、案内のため立ちっぱなしでしたが、言葉によって疲れは吹き飛びました。やはり感情を伝える言葉は大切だと思いました。
茶道部の皆さんからアドバイスをいただき、また茶葉の考え方などを教えてもらいました。そして「たくさんの作品を観ることが大切です。他の人の作品を観ることで素養が養われますから、しっかりと見てください。初めてのことは知識もなくてやったこともないので、誰でも分からないものです。観ることで発見することや分かることがあります。
観てくれると分かると思いますが、たくさんお花を詰め込んでいる人は少ないでしょう。本数が少ないので、そのままだと根元が見えてしまうことがあります。そんな時は根元を隠すために葉っぱを使っていることや、花器の使い方を工夫することもあります」と、とても親切に教えてくれました。
また会員の方から「片桐さんがいてくれるので雰囲気が和みますし会場も良い雰囲気です。片桐さんがいてくれて嬉しいです」と話してくれたことを嬉しく思います。茶道部の皆さんと仲間として活動できていることを嬉しく思います。
秋の一日を茶花展で楽しむことが出来ました。11月にもお茶会がありますし「紀の国わかやま文化祭2021」での県外からのお客さんのおもてなしも予定しています。文化の秋を堪能できるイベントが続きます。