活動報告・レポート
2021年9月26日(日)
宇宙教育の先駆者
陸奥宗光外務大臣の功績を教育に活かす実行委員会

「陸奥宗光外務大臣の功績を教育に活かす実行委員会」定例会に出席しました。この定例会には夏休みの期間中、政治家インターンシップを体験してくれた大学生の笠間君も勉強のため参加してくれました。

今回の主たる議題は11月3日に開催する小学生対象の学習会と11月14日に開催の「紀の国わかやま文化祭2021」の講演会「陸奥宗光伯と歴史、文化、教育、芸術、生命(いのち)」のイベントに関しての協議でした。

まず11月3日の学習会の第一部は「すばらしい先輩陸奥宗光外務大臣」を臼井副会長が担当し、そして第二部の「宇宙教育の先駆者」は僕が担当することになっています。本年度の学習会は陸奥宗光伯と共に故郷の偉人を取り上げることを目指しています。僕が担当するのは現代の偉人と思っている元JAXA上野精一さんで、その功績と志を伝えたいと考えています。JAXAでは宇宙開発を担当しながら「宇宙教育」にも力を注いでくれました。

和歌山県が「宇宙教育」を行っているのは上野さんの功績によるものです。僕もJAXAの筑波宇宙センターに行って「宇宙教育」のための「スペースティーチャーズ和歌山」の体験をしていますが、現在の宇宙への関心の高まりや民間ロケット発射場の整備などに至る先駆けとなったのが上野さんです。

その功績を語り継ぐことが同時代を生きて、その功績と生き様に触れた一人としてやるべきことだと考えています。上野さんはJAXAを退職した後は、故郷和歌山県に戻り宇宙に関わることを夢見ていました。それは故郷への恩返しであり、子ども達に宇宙の楽しさを伝えたいと思ったからです。これまでも串本町を始めとする県内で「宇宙に関する講演会」を行ってくれているのがその証拠になります。

和歌山県内で宇宙に関する講演会や教育の実績があることは動かざる証拠です。ほとんど県内で宇宙の話をしていなかった時代に和歌山市は勿論のこと、紀南地域でも宇宙に関する講演会を行ってくれていたのです。そして和歌山大学と連携を取り、選抜した教師を筑波宇宙センターに派遣して「スペースティーチャーズ和歌山」として育成することにつながったのです。その後は「スペースティーチャーズ和歌山」がいる中学校と高校で宇宙教育が実践されてきたのです。

この取り組みと精神は現代にも受け継がれており、当時から関わっていなかった誰が何を言おうと「和歌山県に宇宙がやってきた」ことにつながっていると確信しています。

どんなことでもそうですが立ち上げの時期、黎明期、苦労しながら進めている時に関わった人こそが先駆者なのです。先が見えなくてしんどい時、諦めそうになった時、それでも諦めずに行動した時に関わった人、支援してくれた人が実現させた人達であり、その経緯を語ることができるのです。今から10年以上も前、僕が知る限り「和歌山県と宇宙」を語る人は一人もいませんでした。むしろ「和歌山県と宇宙との関係が分からない」「和歌山県からロケットを発射できるわけがない」「全く夢の話だね」などの反応がほとんどでした。もし10年前に「和歌山県に宇宙がやってくる」ことを発言していた人がいるなら、発言の記録と共に申し出て欲しいと思います。上野精一さんと当時の和歌山大学観光学部の戸塚敦子さん以外に誰もいなかったのです。

そして和歌山県教育委員会の山口教育長が「宇宙教育」の趣旨を理解し、支援と行動をしてくれたことから「スペースティーチャーズ和歌山」が実現したのです。僕も経緯を知る者として「決して平坦なものではなくて、実現までに困難を極めた取り組み」だったと言いたいのです。

「教師の派遣はできない」「宇宙教育はできるわけがない」「JAXAは受け入れてくれないですよ」「はい、はい」などの意見と反応があるばかりでした。そしてボーイング社の協力を得て「教師のためのNASAスペースキャンプ」に文科系教師として初めて派遣できたのも和歌山県であり、その教師は現在に至るまで子ども達への「宇宙教育」で活躍してくれています。

陸奥宗光伯と歴史、文化、教育、芸術、生命(いのち)

関係した皆さんの熱意と行動によって困難を乗り越えて、和歌山県ではこれだけの実績を残してきたのです。このことを語れる人が他にいるのでしょうか。

この上野さんの功績と志、そして熱意を語りたいと考えています。

そして11月14日の「陸奥宗光伯と歴史、文化、教育、芸術、生命(いのち)」シンポジウムに出演させていただき、同じく「宇宙教育の先駆者」をテーマとして、今度は来場してくれる方々に語ります。

ここで取り上げる故郷の偉人は、陸奥宗光伯、小山 肆成、松下幸之助翁、小野田寛郎氏、人物ではありませんが、エルトゥールル号、そして上野精一さんです。国民文化祭での講演ですから、記憶にも記録にもその功績を残せると思います。

「陸奥宗光伯と歴史、文化、教育、芸術、生命(いのち)」シンポジウム