尊敬する経営者から連絡があり懇談の時間をいただきました。「自由な雰囲気で懇談するとアイデアが生まれますし、より身近に話せることになります。公式な会議の席で議論することよりも定例的な食事会の方が親密さは増します。それよりもお茶をする方が親しさは深まります。スーツではなくて自由な服装でゆったりとした気持ちで会話することが、より大事な時間となります。休日のお茶を、上司や親しくはない取引先の人とはしないでしょう。休日のお茶は親しい人と一緒の方がゆったりとできますし楽しいからです。上司でも親しい上司や尊敬する上司であれば別ですが、そうでなければ会社外でお茶しようとは思わないでしょう」ということです。
まさに真実をついています。食事会よりもお茶会、それも休日のお茶会がより大事な時間となるのです。こうした時間で出てきたアイデアや企画は、その後につながることが多々あります。
よく言われていることですが、会社の会議の場の議論よりも、飲み会の方が良いアイデアが生まれます。制約なしに自由な発言ができるからです。それよりも休日のお茶会は制限がありませんから、会話の中からアイデアが生まれるのです。但し出てきたアイデアはメモなどで記録しておかないと消えてしまうので注意が必要です。雑談を企画会議にするのか、井戸端会議で終わらせるのかは記録の有り無しです。
メモの重要性はここで言うこともありませんから、雑談の場でも常にメモを用意しておくことです。
土曜日でしたが5人が参加して企業誘致に関する会議を行いました。和歌山県の将来を考える時、どうしても企業誘致が必要であり県政の最大の課題となっています。コロナ禍における大規模な財政出動によって経済は維持できていますが、国や企業の借入金が増大しています。返済が始まる2年後から景気後退局面に入ることは容易に予測できますから、その時に備える必要があります。個人としては資産防衛ですが、県としてやるべきことは2年後に不景気の時代を迎えた時に投資が行われている場面を創り出すことです。その仕込みは今この時であり、今仕込んでいないことを2年後にできることはありません。
2年後になって「大変だ、大変だ」と政策もなしに右往左往するのではなくて、先を見通して投資を生み出す取り組みこそ、今すべきことです。
大規模な投資は簡単に決まりません。1年も2年も仕込んで表面に出てきますから、2年後の不景気対策は、今の時期にやるべきことです。言うまでもないことですが、地方自治体の予算は単年度予算であり、2年後を見据えて予算編成はできません。その時になって慌てても遅いので、今から投資を受け入れることが優れた政策です。
大規模な民間投資を生み出すために必要なことは、受け入れる側の熱意であり真剣さです。熱意が感じられない、本気度が図れない県に事業計画とそれに必要な投資を考える事業者はいませんから、今こそ熱意と本気度を持って誘致に務めるべきです。
日本全体が景気後退している時に、国から多額の補助金を受けることは難しいことです。県として、民間投資を呼び込むことの重要性を理解すべきだと思います。古今東西、事業を行うためにはお金が必要なので、民間事業者が資金調達を行うことは当たり前のことです。全て自己資金で大規模な事業計画、つまり投資を実行できる人は少ないのです。資金調達のためには投資家資金を集めることになりますが、そのためには事業計画を策定すること、そして投資がその時点で安心できるものだという証拠が必要です。
それは個人の信用、証拠になり得る文書、直接的な意思確認などが、投資するために必要な要素となります。100パーセントの確率を待って実行に移すことは時代に乗り遅れることです。
そんな安全確保をしている間に現代という時代は進んでしまっています。信頼と熱意があり、資金証明がある事業計画、投資に対しては、スピードを持って意思決定を行うべきです。
通夜式に参列いたしました。当たり前のことですが、突然のご不幸をお聞きして参列させていただきました。故人のご冥福をお祈りしています。