活動報告・レポート
2021年8月23日(月)
宇宙産業
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宇宙産業

和歌山大学の秋山教授の研究室を訪ねて宇宙に関する会議を行いました。議論の主なテーマは人工衛星の開発、衛星携帯電話のための環境整備、宇宙産業の人材養成です。

人工衛星など宇宙開発に関する技術は、1990年代までは日本は世界のトップレベルでした。宇宙探索のための宇宙船や火星などへの移住計画などの研究、宇宙エレベータの開発など、夢のような構想がありました。今振り返ると夢のような話でしたが、日本にとっては「夢があって楽しい時代でした」という時代だったのです。

現代は宇宙開発の話を聞く機会は少なくなりました。国としてロケットの発射の話題は途切れていますし、宇宙技術に関しては台湾に後れを取っています。ゼネコンなど民間企業の宇宙開発技術の研究に関しても聞く機会はなくなりました。

そして人材養成の必要性について話し合いました。現在、宇宙に関する研究者は約4,370人ですが、高度技術者は約770人、一般従事者は約3,850人、合計で約9,000人に過ぎません。一般従事者とは宇宙機製造の実労働者ですから、特に必要な人材だといえます。

宇宙に関係する仕事をしている人は思うほど多くないのです。宇宙関連で仕事をしている人は9,000人だけの現実から「宇宙開発で後れを取っているのは当たり前であり、人材育成が喫緊の課題であること」が分かります。

宇宙産業

特に必要な人材は研究開発者ではなく、実務に携わる高度技術者と一般従事者で、この分野の人材を養成しないことには宇宙関連産業の将来はありません。

仮に和歌山県で宇宙関連産業を誘致しようとすれば、この一般従事者として働ける人がいることが絶対条件になります。果たして「和歌山県内で人材がいるのだろうか」ということになります。産業を誘致するためには地元で人材を養成する必要があるという当たり前の事実が課題として認識する必要があります。

しかも達成すべき目標設定は、3年先、または5年先に定めておくべきです。目標設定を10年先に定める計画は実現することは稀だと思います。やはり現実的に計画を策定して具体的に行動できる3年先を目安とすべきですし、5年先には完成することを目指すべきです。10年先の計画は具体化できませんから俊敏に行動することはできません。そのため私達の目標設定は3年先のものと5年先に達成を目指すことにしています。

その他にも産業構造の転換期にあって、人材養成の必要性を再認識できました。自動車産業にしても、内燃機の技術者から電気モーターの技術者へと人材育成を切り替えなければならないように、カーボンニュートラルの時代に備えて、技術者の養成は地方自治体にとって取り組むべき課題です。企業誘致を成功させる要因の一つに、地元で人材が確保できることが挙げられます。それは短期的ではなく3年先、5年先を見据えて地域として人材育成を図れるしくみが必要だということです。

そのしくみとは教育以外にないのであって、学校や専門学校、そして専門大学校を設置することが求められることになります。もっと言えば企業進出の近くに専門大学校を設置して、実習は企業内において体験できることが理想です。

宇宙産業

ここで話を転換します。アフガニスタンの政権が短期間で崩壊して、タリバンにとって代わられた原因は、「教育をしてこなかった」ことにあります。アフガニスタン政権は米軍が駐留している20年間のうちに、国民の教育を行うべきだったのです。

会議に参加してくれた台湾の方が言いました。「もし台湾が外国から攻め込まれたとすれば、私は即座に母国に帰国して戦います。それが教育なのです。国を護ることに価値がある。その価値を教えることが教育ですが、アフガニスタンはできていなかったと思います。だから短期で政権は崩壊したのです」と語ってくれました。

教育の本質を語ってくれたと思います。誤解のないように伝えますが、戦うことを求めているのではなくて、自国が攻められたら国を護ることが価値であり、そのことを教えるのが教育だというものです。この言葉を聞いて「台湾という国は強い国だと外国から理解されているので攻められることはない」と思いました。

続けて指摘がありました。「最も恐ろしいことがあります。日本は既にその状態に陥っています。それは『大丈夫だろう』と思っていることです」と話してくれました。この状態が「最大の危機」なのです。国防、外交、そしてコロナ危機。わが国の課題の全てに共通している国民意識、いや「危機感に乏しい」政権の意識かもしれません。

宇宙開発に関する協議の中で産業誘致と人材育成、その人材教育に関しての話し合いに及びました。長時間、ありがとうございました。

高校入試の要望
高校入試の要望

和歌山市中学校PTA役員の皆さんから「令和4年度和歌山県立高等学校入学者選抜実施に関する要望事項」を受け取りました。その後、要望の説明と回答、質疑応答を行いました。

多くの子どもにとって高校入試は人生で訪れる最初の難関であり、乗り越えるべき山です。人生の選択の中で高校入試は最も悩み、将来を左右する決断だと考えています。多くの大人たちが経験してきた高校入試を、子ども達が乗り越えられるための支援は大人がすべきことです。そんな価値観を持って対応していきます。