活動報告・レポート
2021年8月3日(火)
市場の見方
市場の見方

中国や台湾の技術力や市場について意見交換を行いました。中国と長年取引関係にある社長は「中国は世界の工場と言われた時代がありましたが今では世界の市場です。生産工場ではなくて世界中の事業者が売りたいと思う商品が集まる巨大市場なのです。中国に対する見方を変えなければ付き合い方を誤ってしまいます」と話してくれました。
ひとつは現地に工場を進出して雇用するという下請けに出すような感覚では失敗することです。賃金水準が高くなっているので中国で生産する利点は以前よりもなくなっています。その分、技術力が高まっていることや優秀な人材が集まっている、そして法律知識も持っているのでパートナーの位置づけです。

もうひとつが「メイドインジャパン」の商品を望んでいるため、中国国内で流通するのは日本製品で、中国で生産された同じ商品は輸出に活用されることもあるということです。そして日本製品であれば何でもオッケーの時代はなくなっていて「欲しいものを厳選する」時代に入っています。市場調査をして進出しなければ、イメージにあるような「爆買い」の国ではなくなっています。

中国では、良いもので欲しい日本製品を安く買えることが購入のための条件となっているようです。ですからコロナ禍が収まったとしても「爆買い」の時代には戻らないという見方です。この理由は述べるまでもなく、ユーザーは日本製であっても商品を選択していることと賃金が高くなっていることです。中国では三年以内に全体の賃金水準を日本と同等かそれ以上を目指していると聞きますが、賃金水準が高くなれば買うものが違ってきますからハイブランドの欲求意識が高まりそうです。

そのため「これまでと同じ中国」だと思うことは間違いです。技術力も商品力も、賃金や好みも私達が思っている先進国以上です。むしろキャッシュレスの先進国であり、世界の高品質な商品が市場に並ぶ世界市場なのです。銀座で売れるようなものが中国でも売れる商品であり、対中国向けの商品を市場に投入しても売れることはありません。「キャッシュレス化やデジタル化、要求の高品質化と多様化は日本よりも進んでいます」という認識です。

市場レベルは高くなっているので、以前のように「騙す」ことは少なくなっているようです。むしろ市場が世界に開放されて競争に晒されていることから真面目に商売をしている人が多くなっていて、「日本人を騙そう」と言う考えで商売をする人は減少しているようです。詐欺罪は財産没収であり、デジタル化が進展していることから逃げられない社会になっているので、日本と中国との仲介に入っている、工場を持っていない、国家から信用されていない、または主流ではない中国人および日本人が日本人を騙しているような感じがあります。

大きく分けて北京オリンピック以前とそれ以降の中国は、市場も技術力もデジタル化などが変貌を遂げ世界レベルに変化しているということです。それに伴って人も変わっているということです。昨日も今日も、ビジネス取引をしている最も敏感な方々がそう評価しているのだから「これが事実ではないか」と思うのです。政治や報道ではないビジネスの空気を感じ取る必要があると思います。貿易でのビジネスは取引金額の単位が違いますから「感覚ではなく真剣勝負の場」なのです。そしてこの意見は第三者やビジネスをしていない人の感覚ではないので、「確かな感覚」だと思うのです。
ある経営者は「中国は日本市場だけを見ているのではありません。世界市場を見ているので市場の捉え方や考え方は大きいのです。経済大国同士のアメリカとの取引も盛んですし、これまでとは違うビジネスパートナーとしてつきあいをしています」と話してくれました。政治体制や主義は違うとしてもビジネスや経済事情の現実を直接、取引関係にある経営者から聞くことで考え方を柔軟にすべきだと思います。

中国や台湾の市場の変化や世界進出、そして技術力の高さや将来性を聞いて「日本は大丈夫だろうか」と感じる機会が多くなっています。

その他
  • 観光協会との研修会に関する協議を行いました。観光とは文化交流でもあるので、その観点からの交流機会を求めたいと考えています。
  • 和歌山文化協会茶道部の会合に参加しました。下期の活動計画の確認を行いましたが、11月の「紀の国わかやま文化祭2021」のおもてなしを含めた取り組みをする予定です。