活動報告・レポート
2021年7月28日(水)
令和会
令和会

毎月開催している勉強会「令和会」が開催され、今回は講師を務めさせていただきました。参加者は歴々の皆さんなのでテーマ選定が難しいのですが、以下の講演テーマに基づいて話をいたしました。 

  1. 宇宙開発の動向に関するわが国の姿勢と米中との関係について
  2. わが国にとっての南シナ海の重要性について
  3. 世界的な半導体企業と人工衛星企業の動向とわが国への進出の可能性について
  4. 「和歌山県誕生150年、和歌山市政130年、陸奥宗光先生乃像建立50年」の記念式典の概要と案内について
  5. 稚内公園訪問と「氷雪の門」上映会について

以上のテーマについて説明を行いました。主な説明内容は次の通りです。

1について

宇宙開発に関しては米中が開発競争をしているところですが、わが国も開発に取り組むことや、日本企業の技術力も必要で大事な役割があります。国内ではロケット発射場の適地が見当たらないので、APECとの国際協力体制を確立する必要があります。

人工衛星は国防だけではなく次世代となる6Gの携帯電話、自動運転技術、パソコンやテレビなどハイテクや電子機器の全ての分野で必要となります。打ち上げに遅れた国は人工衛星を持つ国に劣後することになるので、日本にとってこの分野は取りこぼせないところです。ただ全体の空気として宇宙やロケット、人工衛星は「日常と関係ない」ので一部の人を除いて関心がありません。APECの国は日本がリーダーとしてロケット発射場の建設を行ってくれることを期待しています。

宇宙開発の領域は既に文部科学省から内閣府に移管されていますから、外交と合わせて取り組むべき重要課題です。国防としても民間事業としても、そして次世代技術を活用するためにもロケットと人工衛星、そして宇宙への参画は不可欠なテーマだと認識しています。

2について

南シナ海は二つの中国が対峙している海域です。シーレーンの線引きの考え方が重要で、日本が無関心でいられない問題です。尖閣諸島と台湾は中国からすると第一シーレーン内の海域であり、フィリピンなどは第二シーレーン内に入っています。ここは米国と向かい合う海域であり、米中にとって大事な海域となります。ここでは台湾問題がありますから、今後の動向如何によって日本は立場を明確にすることが求められます。顔色を見ないでその主張ができるのか、注目すべき点です。

3について

世界的に半導体は不足しているので、自動車やパソコン、携帯電話などの製造に影響を及ぼしています。自国で半導体製造拠点を持たない国では供給に苦戦しています。

半導体で日本が世界をリードしていたのは1980年代のことになります。今では「半導体は日本」という人はどこを探してもいません。1980年代が日本、1990年代と2000年代は米国、そして2010年以降は台湾と韓国、そして中国が世界的企業を有しています。米国アリゾナ州では補助金を支出してまでも台湾の半導体企業の誘致を行っていますし、日本国内でも誘致をする動きが顕著です。産業のコメとも言われている半導体製造企業を誘致する価値は絶対的で、世界から熱く注目されることになります。

世界から注目されることは名誉ですが、一番に慣れていない県は一番になることに対して恐れが混じります。無意識のうちに「注目されることに慣れていない」から止まってしまうのです。

二番手、三番手の位置に甘んじているとその位置の居心地が良いので、そこから抜け出せなくなっています。いきなり注目を浴びることは居心地が良くないことでもあり、「そんなことがある訳がない」と自信がない、そして懐疑的に陥るのです。

和歌山県はトップになることに自信を持つべきで、国内ではなく世界のトップ位置を目指すことが可能なので、これはやり遂げたいと行動しています。

4について

令和3年8月21日に開催する「和歌山県誕生150年、和歌山市政130年、陸奥宗光先生乃像建立50年」の記念式典の案内を行いました。これは50年に一度の歴史的な記念式典であり、故郷を想う全ての人に関わって欲しい式典です。岡公園の陸奥宗光先生乃像が建立された時と同じ場所で、建立50年をお祝いします。参加者の一人からは「本来は行政がやるべき仕事です。和歌山県が生んだ偉人の像の建立に関わる式典は和歌山県か和歌山市が予算をつけてやるべきことだと思います。それが故郷の偉人を称えることであり故郷の誇りですよ。民間団体が開催してくれることは民意が高く有り難いことですが、もっと行政の関りが欲しいですね」と意見をいただきました。

5について

稚内公園には映画「氷雪の門」に関わる「九人の乙女の像」などの記念碑があります。晴れた日はここから樺太を眺めることができます。北海道に渡れなかった乙女たちの思いと無念さが留まっている石碑があります。映画「氷雪の門」を観て以降、稚内公園を訪れる機会を持って、歴史に埋もれた南樺太の歴史を伝えています。

今年、稚内市を訪れた皆さんに「氷雪の門」を観てもらいたいので、デサフィナードを会場にお借りして上映会を考えています。その節はよろしくお願いいたします。参加者から「この映画は観るべき映画です」「何度見ても感動します」と意見をいただきました。講演を終える時「今日はとても勉強になる話を聞かせてもらいました」と言葉をいただき説明と意見交換を終えました。聞いていただいた皆さんに感謝しています。

その他
  • 来年度高校入試に関する要望書を担当の中学校から受け取りました。令和3年8月に正式に要望書として県議会で受け取ります。
  • 企業誘致に関する会議を行いました。和歌山県の最大の取り組みの一つである企業誘致活動を行っています。