依然として一人暮らしの高齢者を狙った電話セールスが横行していることを感じました。先週末に相談を受けてこの方とお会いしました。
「自宅の固定電話に着信があったので出たところ、一方的に話を始めたのです。私は内容がよく分からないので『はい』『はい』と尋ねられたことに答えたのです。住所や家族構成、現在の光熱費の契約内容、取引銀行などを聞かれたので答えたのです。話を終えたので電話を切ったのですが、後日、その会社から郵便が届きました。封書を開封したところ契約が締結されたことを記す書面が同封されていました。契約すると回答したこともなく、聞かれたことに答えただけなのにいきなり契約書が届いたので、『間違い』と伝えるためにその会社に電話をしました。
電話に出たのはオペレーターで、形式通りの対応をした後に電話の相手は男性に変わりました。その相手は『契約が成立している』と答えて言い分を聞いてくれませんでした。そこで『契約するには相談する人がいるから待って欲しい』と伝えたのですが、電話を切られました」ということでした。
事前にその会社のホームページを確認しておいたのですが、本体はともかく、代理店を募集している記事も掲載されていたので、経験則から「代理店は件数をあげるために一方的な電話でお客さんが納得していなくても契約が成立した」として本体の会社に書類を回しているのではと感じました。代理店には契約を取るために悪質なセールスをするところがありますから、話をしている中で一人暮らしの高齢者だと分かって、一方的に契約書を送ってきたと思いました。
「契約した覚えがないのに契約書と解約する時の違約金の説明があったので怖くなってどうしようと混乱しました」ということで相談をいただいたのです。
「お客さんでこの契約書を保管しておいてください」と契約書が一部届けられたので、そのままにしていたら契約が成立してしまう恐れがあります。
その会社に電話をして「契約の意思はなかった」と伝えると、オペレーターから「折り返して担当から電話いたします」と対応がありました。その後、その会社の男性から着信があり「この度は契約をいただきありがとうございます」といきなり話してきました。
「契約した覚えはありませんが」と伝えたところ「途中解約ということですね。その手続きということですね」と言うので「途中解約ではなくて契約の意思表示をしていないので契約が成立していないということです。電話の内容を確認してもらうと分かることです」と答えました。
相手の声のトーンが低くなりましたが「契約意思はなかったので契約は成立していないことを確認したいのです」と伝えたところ「お待ちください」と電話を保留されました。
暫くした後に「今回は分かりました」と対応してくれました。日付と時間、話の内容を記録したその内容を伝えて電話を切りました。
高齢者の方なのでクーリングオフやその期間を知らないこともあるので、このようにして高齢者を中心に電話セールスによる契約行為が成立しているのだと思いました。今回もクーリングオフの期間が経過していたのですが、対応できたので良かったです。困りながら一人で対応していればどうなっていたか分かりません。
「もう電話がかかってくることはないと思いますが、電話があれば僕に振ってください」と伝えて相談を終えました。
日々、こんなことが繰り返されているので、悩む人や不安に思う人、怖がって相談できない人が出てくるんだなと思いました。アドバイスとして「これまで固定電話を使う頻度は多いですか。今後とも固定電話を持つ必要性はありますか」と話したところ「友人や知り合いは全員、携帯電話にかけてきますから固定電話はかかってきたことはありません」という答えでした。現在では多くの場合、携帯電話同士で話をしますから固定電話に友人や知り合いからかかってくることはありません。
そこで「固定電話にかかってくる電話はセールスが大半だと思うので解約や休止をすることも考えてください」と伝えました。固定電話を持つ必要性は低くなっていますし、固定電話の着信は一人暮らしの高齢者にとって危険度が高いと思います。
皆さんも電話セールスには十分注意してください。
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