活動報告・レポート
2021年7月22日(祝・木)
飲食店にて
飲食店にて

和歌山県内の飲食店の経営に厳しい状況が続いていることは間違いありません。一部にはお客さんが戻っている店舗がありますが全てではありません。そこで飲食組合の中に、緊急時は継続しているという認識の下、組合員さんだけではなく飲食店の方々の要望を聞き取って、危機管理に備えた行動をしている役員さんがいます。

いつどのような事態に陥るのか分からないので、資金繰りを安定させるために必要な要望とパイプ作りなどに走っている姿を見ています。自分のお店だけでも大変なのに、飲食全体のことを思っての行動に頭が下がります。

例えば金融機関から融資を受けられることは時間の利益を得ることになります。今の危機を乗り越えられる手段となるものです。既に融資を受けている事業者がありますから、この状況で返済が始まると経営が厳しくなることは明らかです。国や地方自治体のように、返済が迫ってくる間に金融機関と交渉をして、債券を発行するので引き受けてもらうことで返済を伸ばすような手段があれば良いのですが、決してそうはなりません。返済が始まると返済を続けなければならないのです。
コロナ禍で売り上げが減少して利益幅が薄くなっている。お客さんが何時になれば以前のような状態で戻ってくるか見通せない。第5波の到来が懸念されているなど、経営に関して不安定な要因があることから「できれば事業運営のための資金を安定させたい」と思うのは当然のことです。しかし個々のお店が金融機関に行ったとしても応じてくれるとは限りません。

そこで組合の出番があります。金融機関に対して、業界全体を守ることやコロナ禍明けに備えることを説明しておくことで、組合員さんと飲食店の相談に応じてくれるように地ならしをする役割です。これは決して簡単に事が進むことではありません。

金融機関にお願いに行くこと。太いパイプを掴むこと。金融機関に事前に説明をして飲食店の現状の理解を得ておくことなど、やっておくべきことがたくさんあります。

これら一つひとつを行うことに人の助けが必要ですし、各方面に働きかける複数の路線と時間を要します。困難に際して「自分のことよりも業界全体の利益を優先させる行動」を実行している人は責任感の塊だと思います。

そんな中、金融機関とパイプを持っている人に同行してもらって支店長と融資課長と引き合わせてもらったのです。「飲食業界の厳しい経営環境の訴えと、県内飲食店から1,000人を超える事業所からの支援を求める署名が集まっていることなどを訴えて、緊急時なので融資相談には応じて欲しい」と依頼をしてくれたのです。

金融機関を出た後「これで太いパイプができましたね。生かしてください」と言葉を残して車に乗ったと聞きました。

このようにうわべだけの支援と本気の支援は成果が違います。同行して熱心に訴えてくれることや、大事な人脈を紹介してくれることなどは親身になっての行動です。結果責任を伴うものではありませんが、その行為そのものに価値があるものです。

第5波が来るかどうかは分かりませんが、非常時に備えて危機管理体制を整えておくことはこれまでの教訓として備えておくべきことです。備えている人はこの時期も動いています。しかも業界全体のために尽くしているのです。
将来、この利益を受ける人は、現在、懸命に動いている人のことを知りません。融資を受けられたら当たり前のように思い、融資を受けられなかった場合は「金融機関は支援してくれない」「組合は何もしてくれない」などの不満を述べます。しかし危機に備えてやるべきことはやっているのです。後は個々の事業所の危機への備えと、日頃の業務の正確さと誠実さ、数字などによって判断されることになります。
決して感謝の言葉をいただけないけれど、水面下で行動している役員の方の熱心さと事業への思いに感動します。そしてこの役員さんの行動に関われていることを嬉しく、そして誇りに思っています。

その他
  • 教育関係者と学校教育に関して話し合いを行いました。高校や専門学校などで教えたいことを話してもらいました。年齢に応じて自然に教育レベルを高めていくことと目指すべき地点を事前に示すことが大事なことだと感じます。
  • 現場工事について教えてもらったと共に疑問点に関する質疑や意見交換を行いました。人は知らないことがたくさんあるものなので、機会をとらえて専門家に聞くことと知ることは大事なことです。