活動報告・レポート
2021年7月19日(月)
産業観光
文化と仕事

熊野には文化があります。しかし文化だけでは生活が出来ないので、「文化と自然環境を生かした仕事を創り出すことが必要」であることを伝えてくれました。「故郷はこのままでは人が住めなくなってしまいます。仕事がないので人が残らないのです。同級生は外に出ていなくなっているので私達の世代は誰もいません」ということです。そこで地元の文化と自然環境を生かした仕事を創り出していることを説明してくれました。

このような熱心な取り組みがあって、地元で少しずつですが雇用を増やしています。例えば滝があるコテージ付のキャンプ場は8月と9月は予約でいっぱいです。夏休みの季節でもありますが、ここはテレビで取り上げられるなど人気の施設になっています。これまでなかった施設を生み出したので雇用を増やすことに成功しています。
また南紀は釣りが盛んなこともあってルアー作りの名人がいることを聞きました。名人のルアーは予約待ちで入手が困難な状態だそうです。またキャンプに関しても和歌山県は全国で有名で、アウトドアセレクトショップの「オレンジ」は全国からお客さんを呼び込んでいる人気店です。

和歌山県には恵まれた海と山がありますから、ルアーもキャンプ用品も和歌山県の文化が育んだのではないかと勝手に思っています。とにかく、和歌山県に全国から注目される人気店があることは喜ばしいことです。

また南紀はマグロが有名なのでマグロ釣りも体験できるなどレジャーも充実しています。このように和歌山県の良さを説明してくれました。和歌山市では馴染みがないこともありますが、和歌山県の自然と文化は全国級のものがたくさんあります。これを仕事に生かす、ここから仕事を創り出すことが地域振興につながるもので、若い経営者たちの取り組みに注目しています。

産業観光

リモート会議をしている中で「和歌山県はアジアの拠点になれる位置関係にありますし、観光も創り出せると思いますよ」と話してくれました。理由は次のようなことです。

和歌山県は海に面していることと国際港湾があること。そして国際空港が近接し南紀白浜空港も国際線空港になること。そして農林水産業があることから、産業観光で売り出すことが可能だということです。

産業観光とは農林水産業を体験しながらの観光です。午前中に文化と仕事を結び付けたキャンプ場の話を聞きましたが、産業観光の概念もこれとよく似ています。和歌山県の文化と自然を仕事につなげることでお客さんを呼び込めると言うことです。

特にAPECには約8億人が生活しているので和歌山県の市場はこの約8億人です。和歌山県は日本におけるAPECの玄関口であり、巨大なマーケットが隣にあることが他の府県にない最大の利点です。ここに着眼することが国際化であり、和歌山県が目指すべきものです。

現在の観光は見るだけでは満足できないことは勿論のこと、体験するだけでも足りません。文化からきている産業を体験することが求められていることであり、産業観光がAPECにおいてこれからの観光の主流になるものです。APECから見ると、日本の文化と産業はそれだけで魅力的なので和歌山県の地の利を生かす企画をすれば良いということです。

そして人の流れを創ったなら物流も確保することが大事です。和歌山県の下津港湾から大阪湾までの距離は約100kmあり、外国からの物流船にとってこの100kmの距離はコストが上昇する要因なので消し去りたいものです。下津港湾を中継港とすることでコストが抑えられますし、国際港湾なので十分に活用できることになります。後は港湾機能として不足している設備を整えるだけです。
「和歌山県は国際空港と国際港湾を生かすこと。そして文化と自然を生かした仕事を創り出すことが生きる道です。その潜在的な実力がありますし、APECに対する地の利は和歌山県にありますから、政策として取り上げるべきです」と提案をいただきました。

その他
  • サービス業の皆さんへの支援金について説明を行いました。制度や申請方法を知らない個人事業者がいるので、問い合わせや必要に応じて説明を行っています。
  • 企業誘致に関して協議を行いました。コロナ禍にあっても各府県は水面下で企業誘致に取り組んでいますから、他の府県に先行したいと考えています。
  • 知的障がい者サッカーチームの応援について協議を行いました。チームの練習の応援に行くことを話し合いました。