活動報告・レポート
2021年7月12日(月)
何で和歌山県
何で和歌山県

関係者が博多区に集まって企業誘致のための会議を行いました。本件に関して継続して協議を重ねているところです。関係者が全力で実現に向けての役割を担って取り組みを進めています。

簡単な案件ではありませんが、この件に協力してくれる方が増えてきていることを心強く感じています。外国語による書面の確認や対応は、日本語を始めとした言語に翻訳の必要があり必要以上に時間がかかりますが、丁寧に作業を進めているところです。 同じ日本人から「何で和歌山県?」と聞かれることがあります。外国人から尋ねられるなら理解できるのですが、日本人から聞かれることには違和感があります。首都圏から見ると、和歌山県は辺境の地であり企業が進出の検討や選択をすることがない県だと思っているのでしょう。

もしかしたら外国人よりも日本人の方が和歌山県の良さ、そして魅力を知らないのかもしれません。「記紀」から始まる歴史と文化、そして国際的な港湾と国際空港がありボーダーレスの時代にあって、特にアジアとの交流において利便性の高い和歌山県を知らない首都圏の人がいることに驚きます。和歌山県を観光面だけで捉えるのは県外の方の古い価値であり、ビジネス面での価値を有していることを和歌山県民は理解しています。
アジアのゲートウェイになる可能性があること。港湾を生かした輸出入の拠点となり得る立地条件があること、背景にそれを生かせる工業団地があること、そして環境への取り組みが積極的で「RE100」の供給県になる可能性があることです。

IR事業者候補が和歌山県で事業を考えた理由として「和歌山県のポテンシャルは高い」と話してくれたように、事業家の視点は日本国内の立地条件など狭い視点でモノを言いません。

国際世界での地理的条件と保有しているインフラ設備、そして潜在的可能性です。地理的条件はアジアにせり出した半島であることが他の県にはない利点です。インフラは国際空港と国際港湾を有していて、しかも大阪湾の入り口という要衝にあります。アジアの港湾関係者によると「海運は、例えば大阪湾に入る場合、外洋から距離が近いほど良い」ということです。紀伊水道の入り口にある和歌山港は荷下ろしに適した港湾だということです。

そして潜在的可能性です。長い間に刻まれてきた歴史と文化は今から作れるものではありませんから、「記紀」の時代からの歴史と文化は他の県では作り出せないものです。この価値を米国企業のCEOの皆さんは理解しているのです。

ビジネスで来県して「ビジネスで日帰りもありますが、時には滞在したいと思います。そんな時、訪れた県が歴史も文化もないところでは退屈です」ということになるのです。

改めてキーワードを確認するとアジアに近い県であり、国際空港と国際港湾、工業団地とインフラがあり、加えて「RE100」のエネルギー、そして歴史と文化です。これだけの利点がありますが、これまでは十分に生かしてこなかっただけのことです。
本気で国際社会での和歌山県の立ち位置を考えるなら、これらの利点に気づき生かすことに方向性が向かいます。後は意思の力と諦めない力と行動力があるだけです。

少なくとも「何で和歌山県」「和歌山県は遠いですよ」と和歌山県の良さを知らない首都圏の方に世界の中の和歌山県を訴えたいと思います。「和歌山県はアジアに開かれた県であり、将来性を秘めた県なのです。観光面ではハワイ州、ビジネス面ではシリコンバレーを目指しています」と伝えたいと思います。
笑う人は笑っていても問題ありません。行動している人が見えている者や感じているものを、立ち止まっている人が見えることも感じることもないのですから、気にすることはありません。

幕末において大政奉還に関わっていない人達は新国家のことを信じていなかったと思いますし、明治維新も新政府が誕生した後のことも想像することはなかったと思います。振り返ると歴史の転換点があったということです。和歌山県もそれでよいと思っています。