活動報告・レポート
2021年7月7日(水)
次世代論争
次世代論争

次世代の自動車の主導権争いが起きています。カーボンニュートラルは世界の共通認識であり、わが国でも脱炭素社会を目指すことが明確になっています。自動車も例外ではなく電気自動車か水素自動車が主流になるかの開発と論争が繰り広げられています。ハイテク専門家の説明を聞いたところ「どちらも必要」だということです。欧米や中国では電気自動車が本命になっていますが、日本ではトヨタ自動車が、水素自動車の性能向上と市場開発を目指していると聞いています。世界の主流は電気だと思っていたのですが、単純な構造ではないようです。

欧米や中国は電気自動車導入のためのインフラの整備が比較的容易ですが、APEC諸国の中には島国があり、そこではインフラの整備ができないことや走行距離が短いことなどから「水素自動車が適している国、地域がある」ということです。つまりどちらの自動車も市場とニーズがあるということです。もしかすれば「将来的には、電気と水素のハイブリッド自動車の可能性もあり得る」ということです。

どちらの可能性も捨てきれないことから、双方の研究開発が進められているようです。

ただどちらの場合もリチウムイオン電池を使うため、寿命と重量、サイズ、性能劣化、発火の危険性があることなどが課題となっています。

そこで固体電池の開発が急を要しているのですが、この分野で先行しているのが日本だと聞きました。「アメリカや台湾、韓国企業は?」と尋ねたところ「固体電池は日本が先頭です」ということでした。半導体や衛星携帯などの分野で後れを取っているので、この分野が先行していることにホッとしました。次世代自動車は日本が後れているとも聞いているのですが、現在の世界シェアを維持できることを望んでいます。

参考までに、固体電池はリチウムイオン電池よりサイズが小さくて軽いこと。そして性能が良いので車体の軽量化と走行距離の問題、加えて安全性と長寿命化の課題などがクリアできるものです。電気自動車が次世代の自動車だと半ば思っていましたが、水素自動車を必要としている国々もあり、地域性によって適した車種を選択することになりそうです。

但し、電気自動車も水素自動車も充電、または充填スタンドを設置することが求められます。燃料がない自動車を購入する人はいませんから自動車開発と共にインフラ整備が課題です。これはメーカーなのか国なのか分かりませんが、不便さを感じない程度の設置が必要ですが、電気自動車の場合は自宅で充電できるので、果たして街中に充電スタンドの需要があるかどうかも判断が難しいところです。

そして電気自動車の場合は内燃機が必要ないので、自動車メーカーに優位性がなくなります。
デザイン力や設計力だけでメーカーになれるからです。性能は電池の性能に頼ることになるので、デザイン力の勝負になるようです。

自動車産業は日本が優位性を保っている業種なので、国を挙げて優位性を維持すべき分野だと思います。

その他
  • 最近の主な県政の動向と、これからの和歌山県の動きに関しての説明を行いました。期待の持てる施策があるので実現のための支援と協力をお願いしました。3年先、5年先を見据えた活動をしています。
  • 5人の会合で、現在の和歌山県の産業構造と将来のあるべき姿とそれを目指すことについて話し合いました。先端企業の誘致や紀淡海峡大橋の実現に向けた取り組み、地場産業と先端技術を組み合わせた新産業化などを話し合いました。
  • 企業誘致に関するリモート会議を行いました。毎日のように関係者で協議を行って前進させようとしています。
  • コロナ禍で売り上げが減少している事業者の方に、事業再構築を始めとする支援制度に関する説明を行いました。新規事業を検討している皆さんのお役に立っていると考えています。
  • 障がい者施設の置かれた環境をもっと前進させるための協議を行いました。大変なお仕事なので出来る限りの支援を行っています。