和歌山市立博物館で開催している「陸奥宗光と和歌山」の展示を見てきました。この企画は「陸奥宗光先生乃像」建立50周年を迎えた今年、和歌山市が特別企画として開催しているものです。故郷の偉人を称え敬う気持ちが伝わってくるものです。陸奥宗光伯の初公開の書簡も展示されているなど、故郷の皆さんには是非ともご覧いただきたい企画です。
陸奥宗光伯の生きた時代は幕末から明治時代ですから、先の見通せない動乱の時代であり、新しい時代を築く覚悟を持った時代でした。個人的には令和の時代とよく似ていると思っています。
平成から令和の時代に入り、世界は米中対立で次の覇権を巡って混沌としていますし、新型コロナウイルス科感染症の影響で社会が変わり、この先が見通せないのは同じような環境にあると思います。
こんな時代はリーダーを求めているのであり、故郷の偉人の活躍の跡を訪ねることは令和の時代を生きている私達にとって道しるべとなるものです。坂本龍馬と駆け抜けた幕末、明治政府では外務大臣とし不平等条約改正に挑みます。その間、不遇の時代を経て功績をあげた人物ですから、活動していれば良い時も悪い時もあるけれど、諦めないで行動すれば何とかなることを教えてくれています。勿論、待っているだけでは駄目で自ら行動を起こすことや情報を得ること、人を大切にすることなど、カミソリ的な一面と好かれる人柄が求められるのは言うまでもありません。
人のことをファーストで自分のことはセカンド。そんな考えで行動すると道は開けると思います。陸奥宗光伯の生きた時代は特別な時代ではありません。与えられたその時を懸命に生きたと思います。先人たちが懸命に生きた結果が現代であり、私達はその結果を更により良い結果に作り替えているところなのです。私達が行動しなければ結果は変わりませんから、バトンを受けた位置からその先へと走りたいものです。
そして市民図書館では故郷の偉人の読み物が揃えられています。伝記や記録があることで偉人の功績が現代に伝えられています。記録や資料を参考にして伝記が書かれているのですが、書き物は作者の想像力が生み出すもので、偉人の生き様を自由に書くことができます。歴史家と異なり、書く人は想像力を駆使して人物像を自由に書くことができます。勿論、基本的な資料や記録、手紙などは抑えて人物像を崩さないようにすべきですが、偉人が発する言葉は自由に描けます。そこに偉人の志を理解した作者の思いが詰まっているのです。
歴史家でない私達が伝えている故郷の偉人の生き方や言葉は自分が想像したものとなります。聞く人に対して、如何にして偉人に興味を持ってもらえるように話せるのか。偉人に成り代わって言葉を話すのかなど、教師でない立場を最大限活用して作家になったつもりで偉人の功績を伝えています。
自分がその場にいたように語れるなら臨場感がでますから、聞く人の心に残ると思います。その場にいたように話すためには、記録や資料を読む。展示物を見て想像力を広げる。書物を読んで人物像と台詞を参考にすることが必要です。そして偉人に縁のある場所を訪れることは想像力を高めるのに適しています。偉人と同じ場所に立って、同じ景色を見て、同じ台詞を話すのです。そこから会ったことのない歴史上の偉人のことを臨場感を持って伝えることができるのです。
市立博物館で開催している「陸奥宗光と和歌山」はそれができる機会となります。小さなことを積み上げることが大きな成果になることを私達は知っています。「陸奥宗光先生乃像」建立50周年を迎え令和3年の夏。このような企画をしてくれた市職員の皆さんに感謝していますし、時代を感じるセンスを称えたいと思います。
- 人権問題に取り組んでいる方と懇談しました。「法的に罰せられない場合は問題にならない」という主旨の発言をした役所の職員さんがいることに関して相談を受けました。法的に問題がなければ対応できない姿勢には疑問があります。他府県の事例を調査して対応します。
- 協力金の説明のため飲食店を訪ねました。夕方ですが、このお店ではお客さんが戻っていたので安心しました。
- 感染症対策のためのワクチン接種に関して相談を受けました。取り扱いに関して、和歌山県の取り組みを確認します。