活動報告・レポート
2021年6月6日(日)
生産者との懇談続き
生産者との懇談続き

現場でみかん生産者と話し合ったことの続きです。挑戦的な取り組みは、更に地域力を高めてくれていると感じました。

県庁や役所の職員さんはとても優秀です。そう思いませんか。失礼な表現ですが、以前と比較すると格段に優秀な職員さんが増えています。それなのに話をしていると物足りなさを感じています。何故なんでしょうね。

答えは簡単です。権限を付与していないからです。権限がないので思うような判断ができないのです。

そうだと思います。権限がないと判断しないですからね。権限には責任を伴いますが、それを与える必要がありますね。

役所の職員さんは優秀なので、権限が付与されると意気に感じると思いますし、責任も取りますよ。判断する仕事をしなければ判断力はつきませんから。

現場に来てくれる職員さんは自分の意見を話してくれるのですが、それが実現しないのです。役所に戻ると現場を知らない上司から「あれこれ」言われるので、現場で感じたことを仕事にできないのです。役所仕事を変えることは簡単ではありませんから、担当者に権限が伴わないと変えることは難しいと思います。

みかんの産地に関わる役所の職員さんの仕事は、各工程で優れた技術を持っている生産者の皆さんを集めてスキルを水平展開することにあります。一人のスキルを生産者のスキルにするために名人の賛同を得るための交渉や産地の価値を高めるために生産者の協力を得て地域全体のブランドイメージを創り上げることなどにあります。そんな仕事を望んでいると思います。

優秀な職員さんの役所内での仕事が申請書類の間違いをチェックすることや、書類に判を押すだけなら能力を生かせないのでもったいないことです。生産者との連携を図ってもらって、地域のブランド力を高めるための仕事をして欲しいと思います。

生産地のブランドイメージをデザインすること。商品価値を高めることで収入が増えますから、そこまで辿り着くことを目指した仕事をして欲しいと思います。

和歌山県のみかんの生産量は数字の上では日本一です。このことは誇りたいと思いますし励みになります。ただ更に言うなら、他の生産地が数字を落としているので和歌山県の生産量が格段に上がったものではありません。本当の日本一になるためには、就農者数が増加していること。就農者が増えて休耕地が減少すること。農業大学や高校の進学者が増えること。生産者の所得が増えることなどが達成できて日本一だと思います。

それが役所の仕事だと思います。生産者と一緒になって現地で考えることが求められていることです。書類作成は役所にとっての大事な仕事ですが、生産者をつないで地域力を高める仕事は役所でないとできないことです。そのためには現場に権限を与えることが必要です。

私はかつて農業の勉強のためアメリカに二年間行ったことがあります、ワシントン州ですが鍛えられました。ここで新しいことに挑戦することを学んだと思います。二年間が経過して帰国する時、受け入れてくれたファミリーが「もう一度、お前と一緒に仕事がしたい。必ず帰って来てくれ」と言われました。これは私にとって勲章だと思っています。私のことを、私の仕事を認めてくれたからです。帰国した後、再びワシントン州に戻ろうと思いましたが、親から「地元で働いて欲しい」と懇願されたので地元に残りました。

その経験を地元に、そして後継者に伝えてください。後継者育成は自らの経験を伝えることなのでとても大事な仕事です。優れたスキルは後継者に伝えなければ途絶えてしまいますから、地域にとっての損失です。今日の機会を元にして地域力を高めることを考えていきましょう。

みかん

みかんの生産者との話は元気になる会話となりました。地域は地元の人が支えている。そのために個々ではなく目的を持って集まることが必要だと感じています。

その他
  • 飲食店への協力金について説明を行いました。営業を再開していますが、これまでの休業と時短要請への協力に感謝の気持ちを伝えています。
  • 組織構成員について懇談しました。この事務所では新年度から2人の職員さんを入れ替えています。するとそれまでの雰囲気が「変わりました」ということです。変化は他の職員さんを含めて机が整理整頓されてきれいになったこと。情報交換が活発になったこと。風通しが良くなり職場の空気が変わったことなど顕著な変化があるそうです。組織は人によって変わるものだと感じます。