和歌山県政の現状と課題について会議を行いました。令和3年度の和歌山県の重点施策は次の項目があります。
- 紀伊半島一周高速道路の延伸について
- 統合型リゾートの事業者決定について
- ハイテク企業などの企業誘致について
- ロケット射場完成に向けた取り組みと、それに関わる宇宙関連産業の誘致について
- 南紀白浜空港の国際線化に向けた地域活性化の取り組みについて
以上の中で、主に統合型リゾートとハイテク企業誘致について現状認識と、今ある課題について報告を行い認識の共有を行いました。
コロナ禍において、地方都市の既存の産業は苦戦を強いられているため経済活動が停滞しています。恐らく短期的な停滞ではないので、金融機関の支援が十分でなければ地域経済への影響は大きいと考えています。和歌山県においても社会の変化に伴い、既存の産業の後退を視野に入れて新規産業の誘致を図ることが必要であり、むしろそれがなければ将来に向けての発展はないということです。
現状維持が厳しい産業を、当該企業だけの努力によって、現在の規模を維持することは難しいものがあります。民間企業は本業が安定しての地域貢献ですから、地域貢献だけを求めることは、行政として無理を強いるようなものです。民間企業にそれを求めても到底、それは叶わないので、これまでの地域貢献に感謝し、継続して支援すると共に、新産業を迎え入れる取り組み、そして新しい分野を求める度量が必要です。
失敗を恐れていては、発展はありません。失敗をすることによる損失よりも機会損失の方が地域発展にとって大きいと考えるべきです。
「機会損失の機会を失うこと < 失敗をすることによる損失」です。
何故なら、失敗は見えるので人に知れることになり評価できますが、機会の損失は不作為なので人に知れることなく評価もできません。言い換えると、機会の損失とは「何もしないことなので損失規模が分からない」のです。ですから県民の皆さんにも分かりませんから批判もないことになります。平時はまだ許せるとしても、非常時にその姿勢は困りものです。発展の可能性を阻害している原因が「機会の損失」であれば、関係者以外は誰にも分からないからです。県民の皆さんが知らない間に「将来の発展の機会を失う」という損失を被っているのです。
時代は常に成長を志向するものなので、何もないことが「良い」ことではなく「リスクを取る覚悟で仕事をすること」が求められています。
一例として地域経済効果への影響が大きい企業誘致は、100の機会があって1つ成功すれば「成果があった」と考えるべきで、失敗を恐れているようでは成功もないということです。
既存産業が現状維持であれば、まだ「良い」としても、急激な経済情勢の変化に伴って維持することが困難であれば、それを無理に引き伸ばすのではなくて、並行して新しい時代に必要な産業を求めるべきです。これは府県間の競争ですから「和歌山県を選択してくれる」の姿勢ではなくて「和歌山県に来て欲しい」という強い意思表示が必要です。
少なくとも関係している案件に関しては、「機会の損失」をしないことを前提に取り組んでいます。
和歌山県活性化とリーダーとして求められる人物像について話し合いました。リーダーには親しみと共に適度な距離感、つまりリーダーとしての孤独を感じさせる人物が必要だということです。
リーダーはやり遂げる覚悟が必要ですが、できないことを認める姿勢も必要です。政治において、要望されたことを全てできることはないので、強弱をつけられることが大事です。そのための条件を協議しました。
親近感があり話しやすい雰囲気があること。爽やかでルックスが良いこと。話がシャープでキレがあること。話し方、姿勢、雰囲気に好感が持てることなどです。抽象的な条件なのは「正解がない」ということです。つまりその人に会った時の印象によって左右されるというものです。
会って「この人はリーダーの資質がある」「リーダーになってもらいたい」「この人なら任せられる」という印象を持てる人が適任だということです。
そうなるとリーダーに不適格な人物像は簡単に浮かび上がります。元気がなくて近寄りがたいこと。疲れた雰囲気で声が暗いこと。話していることに深みがないこと。勉強していないことが分かることなどです。さらに「人の悪口を言うこと」や「妬み深い」「猜疑心が強い」「自分が一番だと思っている」人も不適格だといえます。
難しいのは、親しみやすいけれども孤独を感じられるという条件です。親近感がないのはダメですが、親近感と共に「リーダーとしての孤独」を感じることも大事だというものです。
つまり孤独とは「責任者として考え抜いて決断してくれた」ことを感じられる雰囲気を持っている人だということです。決断は孤独ですし、そのことに責任が伴います。それができる人がリーダーなのです。これを人は見抜きますから、人柄の中に潜んでいるこの資質を、時には発揮している人が理想です。
和歌山県は必要な人物の登場の時期を待っています。
- 飲食店を訪問して休業や時短に対する協力金の申請に関しての説明や、営業状況の見回りについて説明しました。夜間の街はひっそりとしています。
- 飲食店から「この次の危機に備えて必要なことを協議したい」と連絡がありました。何としても「飲食店は地域に必要なものだと思っているので、この仕事に誇りを持っています」という声を届けてくれています。
- 和歌山県に所縁のあるアーティストの紹介と協力を依頼しました。縮んでいるだけでは地域に元気がでませんから、元気を与えてくれるアートが必要だと思っています。