落語家の小笠原浩一さんと和歌山市中心地の活性化について話し合いました。その前段、県の施策の中で和歌山市にも良い影響を与える取り組みを説明したので、大きな流れを理解しながら話し合いを実施することができました。
主な和歌山県の動きとして説明したのは次の項目です。
1.南紀白浜空港の国際線化について。
国際線化と共にビジネスジェットの駐機場を整備することで、観光と共にビジネス利用の拡大を目指しています。主にアジアの国のビジネスジェットをここで受け入れることによってビジネス需要を創ると共に、企業誘致や和歌山市でのビジネス機会につながるものと考えています。
2.和歌山市内での5つの大学の開学について。
少子化の時期、市内中心部に5つもの大学が開学している市はないと思います。毎年、大学の開学が続き、今春新たに2校が開学したことによって、和歌山市内に合計5つの大学が誕生することになりました。この大学生は和歌山県内の人が多いので、これまで大阪など他府県に進学していた生徒が県内で留まることにつながっています。県内大学に進学することで県内企業への就職に直結するので、人口減少に歯止めがかかることになります。2026年には約2,000人の大学生が通学することになるので、まちなかで学ぶと共にまちなかに人が交流することになります。教師や事務の方を含めると約2,500人が中心地で学ぶ、仕事をすることになるため活性化が期待できます。
3.和歌山市から紀伊田辺までの高速道路の四車線化について。
令和3年度に和歌山市から紀伊田辺までの区間の四車線化が完成します。移動時間の短縮によって和歌山市と田辺間の人やモノの移動が増えることが期待できます。人が動くことで市の活性化につながります。
4.串本町でのロケット射場建設について。
和歌山県内でロケットが打ち上げられることになり、観光客やビジネスでの人の動きが出てきます。発射場は串本町ですが、県内に滞在してくれる人が増えるので、周辺市町に人の動きが出てくると予想しています。
以上の好要因を基にしながら、和歌山市中心地の活性化について話し合いました。
かつて栄えたぶらくり丁ですが、今ではここに来る人も通る人も少なくなりました。しかしぶらくり丁周辺では小さなお店が増えているのです。それらのお店には、たくさんの若い人が訪れていることを聞きました。その理由は「美味しいお菓子がおいてあるから」「大阪などで評判が良いお店と提携しているから」「センスが良い店だから」などの理由で、若い人達の間のSNSや口コミで広がっているそうです。ぶらくり丁が栄えていた時代を知らない人達にとって、ぶらくり丁のエリアでなくても評判の良いお店であれば立地場所は関係がないのです。しかもこれらの大学から歩いて行ける距離にお店は立地していますから、既に若い人達が訪れるお店になっていて、評判も高くなっているのです。
このことからぶらくり丁だけではなく、伏虎地域(ぶらくり丁を含む商業地域)全体にお店が拡大していると言えそうです。かつてのように商店街通りに人が集まるのではなくて、新しいお店が出店している周辺地域にも商圏が拡大していると考えたら、将来につながると思います。
ぶらくり丁だけの再生を図ることは難しいテーマですが、新しいお店が出店している周辺地域全体の人通りを増やすことによって活性化を図ることは可能だと考え直しました。
若い人が集まる評判のお店を何店か紹介してもらいました。その中の一つが「Living House和歌山店」です。「ここのバターサンドは美味しいと若い人達の中で評判ですよ。人がよく集まっています」ということでした。調べてみると、堀江で人気のカフェ「タブレス」のレーズンバターサンドとイチゴバターサンドを取り扱っているとのこと。若い人達の情報力と波及効果に驚いています。
この他にもチョコレートのお店やハンバーグのお店、レストランなど、評判の高いお店が出店していると聞きました。「お店の外にまでお客さんが並ぶお店ができている」ようなので、この地域全体を賑わいの創出地域として中心地を考える必要性を感じました。
今日の話し合いでは、従来の枠組みに拘らない街づくりを考える契機となりました。
今日開催されたセミナーにおいて議会報告の依頼を受けていたので、出席して参加者の皆さんに、令和3年度の主な県政の動きについて説明しました。
大規模な再生可能エネルギーの導入や南紀白浜空港の国際線化とビジネスジェット駐機場設置、串本町のロケット射場建設と初号機の打ち上げなどを中心に説明しました。
また和歌山市での飲食店などへの営業時間短縮の依頼と、国に対しての「まん延防止等重点措置」の適用を要請の見通しについても現状を説明しました。