活動報告・レポート
2021年4月1日(木)
お礼と感謝
台湾からの友人の和歌山県内視察

台湾からの友人の和歌山県内の視察行程を全て終えたので、本日、和歌山県を後にすることになりました。今朝の打ち合わせでは、三日間の視察の成果と今後、早急に検討する事項などをまとめました。

その中で「決められる人と話し合いをすること。それが出来なかった場合は、一週間程度で結論を出せることが必要」という国際感覚に満ちた話がありました。「決められない人と話していても時間がもったいない。結論が出来ないような事案や、話し合っても駄目なものは検討しない」という理由からです。

打ち合わせで感心したことは「昨夜ホテルの部屋に戻ってから三日間の視察のまとめを行いました。それを基にして、それぞれの案件に関係する企業の代表者に連絡を取り、実現が可能かどうかの検討依頼を行いました。直ぐに検討に入っているので一週間ほどで結論を出します」という話です。

視察や人との交流などで疲れて部屋に戻ったはずですが、そこで後工程の作業を行っていたのです。「やれることとやれないことを仕分けして、やれることだけを検討する」姿勢です。とにかく検討事項はスピードを大事にしていることが分かります。

「コロナ禍で世界は変わっています。時間は流れているので時間を掴むことが必要です」ということです。時間をつかむとは、早く結論を出してやれることだけに集中するということです。

今回の視察でみっつの目的がありました。全てにおいて実施するまでの期限を定めました。1年後、2年後、そして3年後の完成を目指して動き出すことを目標にすることになりました。

今回の視察を終えて和歌山県の印象を確認しました。

和歌山県は太平洋に向かってせり出している半島です。本州の中でAPEC諸国に最も近い県ですから玄関口になります。玄関口というのは、国際空港と和歌山港をアジアに開放して活用することです。これまでのように産業を観光客だけに頼っていることは適切ではありません。ビジネス需要を増やさないことには訪れる人を増やすことはできません。和歌山県はビジネス需要を増やすことを考えるべきです。国内をターゲットにしていると約1億人の市場ですし、残念ながら和歌山県単独で東京や大阪に対抗することはできません。また世界を相手にするには「和歌山県。どこにあるの」となります。

確かに、白浜町の所得は「和歌山県内で最も低い水準にある」という話を現地の説明で聞かせてもらいました。観光事業に従事している人の所得は低いので「観光事業以外の産業も誘致しなければ白浜町の所得はあがらないと思います。そのためには南紀白浜空港を活用しなければなりません。この空港は白浜町にとって宝物で、空港の持つ莫大なエネルギーを発揮させたい」という話でした。

APECの国をターゲットにすることで和歌山県はそれらの国の玄関口となりますし、ほぼ直線で台湾やインドネシアにつながります。台湾、香港、韓国などとは数時間でつなぐことは可能なので、和歌山県の国際空港を活用すれば、日帰りで会議を開催することもできます。空港に到着して出国しなくても会議が出来るのです。APECから日本を見ると和歌山県がトップに位置していることに気づいて欲しいと思います。

和歌山県は国内市場を見るのではなくて、APECの約10億人の市場を見るべきです。そうすると発想や取り組み方、スピードも違ってきます。「和歌山県はどこにありますか」と言われるのではなくて「日本の玄関口は和歌山県ですね」と言われる存在を目指すべきだと思いますし、それを達成することは十分に可能です。

APECをターゲットにすることによって視点が違ってくる事例を紹介します。アジアの国では交通移動手段として、宅配などの手段として自動三輪車が主流になっています。日本では見かけませんが、アジアの国々で見かけたことがあると思います。三輪車の需要は大いにあるので、和歌山県内で三輪車を製造することによって、メイドインジャパンとしての市場がつながります。もちろんガソリンではなく水素エネルギー対応の三輪車であることは言うまでもありません。APEC市場を目指す視点を持つことで作る製品も違ってくるのです。

和歌山県の皆さんには国際感覚とスピードを持って欲しいと思います。人の交流は空路、物の物流は海路ですから、空と海を持つ和歌山県は玄関口になれるのです

ということです。

将来に希望の持てる話し合いができました。お礼と感謝を申し上げて見送りました。