活動報告・レポート
2021年3月31日(水)
和歌山県の歴史
和歌山県の歴史
太刀ケ谷神社

台湾からの友人が視察きてから三日目を迎えました。友人は和歌山県の歴史に強い関心があることから、太刀ケ谷神社と南紀白浜空港を訪ねました。今週の活動報告で記していますが、和歌山県を訪ねたのは初めてなので「和歌山県で知っていることはありますか」と尋ねたところ「和歌山県は神武天皇です」と答えてくれたことから、太刀ケ谷神社の話をしたところ関心を持ってくれたので案内したものです。和歌山県の歴史に関心を持ってくれることだけでも有り難いことですが、神武天皇の足跡を訪ねたいと言ってくれたことは更に嬉しいことです。来県前から和歌山県の歴史の奥深さを説明していたのですが、来県してくれたいま、他に知れた観光地ではなく太刀ケ谷神社を訪ねてくれたことは和歌山県にとって誇るべきことだと思います。

台湾の友人が和歌山県の歴史の凄さを知ってくれていて「是非とも訪ねたい」と言ってくれたことで本物の持つ凄さを感じています。「九州から出立した神武天皇がどこに上陸したのか知らなかったのですが、和歌山県に上陸したことを知ったので、和歌山県の深い歴史と文化度の高さに驚いています」と伝えてくれたことは嬉しいことです。

和歌山県として、その歴史と文化を説明できたこと、そしてお迎えできたことを誇りたいと思いますし「日本の2681年の歴史を体験できました」と話してくれたことで、成果のある視察になったと感じています。

太刀ケ谷神社

世界レベルの経済人は全て文化人です。その方達が集まった時の話の話題は事業やお金ではなく文化だと聞きました。文化を知っていること、関心を持っていることは経済人として当然のことだと言うことです。そんな友人に、日本の歴史に登場する和歌山県の歴史を伝えられたことは、和歌山県の良さを国際社会に伝えられたことにつながったと感じています。

友人は「郷に入れば郷に従う」ことを理解していますが、間違った解釈をしてはならないのは「郷に入れば郷に従え」ということです。「従う」と「従え」とでは全く持つ意味が異なります。お迎えする側としては、和歌山県の文化と歴史を知ってもらって、従ってもらえるように歴史を語る必要があるのです。

今日、太刀ケ谷神社を案内した時、「神話は事実だと思います。もし神話を否定する人がいるとしたら、『では何が真実なのですが。証明できるものがありますか』と質問したいと思います。伝えられている物語は疑うのではなく、信じることが今後も語り継ぐために大事なことです」。

疑いが入ると継承できなくなります。太刀ケ谷神社のように地元で伝えられている物語があることは事実たったと言える証拠になるものです。何もなかったところに神社や言い伝えが載っていることはないのです。

太刀ケ谷神社

言い伝えを素直に信じることは文化や歴史を受け入れることです。神話を否定することはこの国を否定することです。否定することは、そこで真実を追及することや事実確認することを止めることなので、そこからは何も生まれません。肯定することで物語の重みを感じられますし、その物語が観光につながるのです。物語を否定してしまうと観光資源にさえならないのです。

さて台湾の友人が、日本の歴史と文化を知っているのは理由があります。日本の経済人、文化人、研究者、占い師などと毎月一回、コーヒーを飲みながら約2時間、話を聞く時間を取ってもらったことに起因しています。「立派な人に時間を取ってもらって話を聞くことは、大学で学ぶようなものです。日本の知識人の話を聞いてきたことは、三つの大学を卒業したほどに価値のある者だと思います」と話してくれました。その積み重ねが日本人以上に日本の歴史を知っていることにつながり、異国の文化を肯定することにつながっているのです。経済人は文化人の言葉通りです。

事実、太刀ケ谷神社の案内をした時、疑いは全くありませんでした。「神武天皇の剣を御神体としています」と説明をした時、「神武天皇の剣が御神体なのは凄いですね」「それを継承してきたことは素晴らしいですね」などの反応がありました。

日本人の場合「その太刀は現存しているのですか。現存していないものを、どうして事実と言えるのですか」などの意見があることは珍しいことではありません。現存していないものに対しては、疑いの気持ちを持っているのです。自国の歴史を疑いから入ることは悲しいことです。

素直に太刀ケ谷神社のことを「凄い」と感じてくれることは、真の文化人だからだと思います。

和歌山県がAPECの玄関口でありビジネスの拠点であることを目指していますが、そのためには自国、故郷の歴史と文化を知って語れる必要があります。多くの経済人は訪れる国に関心があり、その国の歴史がとても好きだからです。和歌山県の歴史や偉人のことを和歌山県人は語れる必要があります。それが故郷の文化であり知識人だと言えるからです。台湾の友人の知識や言葉から学ぶべきことはたくさんあります。

そして南紀白浜空港は「素晴らしい空港」であると評価してくれました。コロナ禍において、日本で初めてのビジネスジェットの空港を目指すことも「あり」だと思います。APECの玄関口になり得る空港なので、地元の空港を大切に活用したいものです。

南紀白浜空港 南紀白浜空港